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私のわたし  作者: Miko
6/16

繧翫g縺?@繧のため

PM10:02という文字が表示された時計を見る。

課題と構図のラフを終わらせていたら、こんな時間になっていた。

少し休憩しよう。そう思い、椅子にもたれながら背伸びをする。

ラフのできた絵を眺めながら、夕食時親に話した内容を振り返る。

結果だけ言えば、許可はもらえた。

代わりに、条件がついた。

「次の公募展で、入選することか…」

親に言われた言葉を口に出し、反芻する。

公募展はプロの芸術家を夢見る人たちが通る一つの道。

入選できるのはたった数点。

しかも入選倍率は約13倍になる狭き門。

正直自信がない。というより、気乗りしない。

もちろん、芸術家になるには通らなければならない道の一つだし、

日置さんを招待するための交換条件だということも理解している。

でも


「違う、こんなんじゃ」

色を載せ始め、まだ3分も経っていない。

私は描きかけのキャンバスを壁に立てかけ、新しいものを取り出した。

光の表現が上手くいかない。

イメージはできているはず、イメージのままかけているはず。

それなのに、なんで?

私はスケッチブックを取り出し、構図のラフを見返した。

テーマである『光と影』を上手く表現できない...!

いつもならすぐ、完成できるのに。

心の奥が冷たくなる。

上手くできないと、そうでないと、

入選できない。

日置さんとの約束が守れない。

両親との約束が守れない。

日置さんを、両親を、

失望させてしまうかもしれない。

両親の評判を落としてしまうかもしれない。

両親の期待を裏切ってしまうかもしれない。

両親の、両親の、両親の!


あれ、わたし

「誰のために描いてるんだろう」

ふと、そんなことが頭によぎった。

何でだろう…?

考えた事も無かったな。

誰のためだっけ?

…今はそんな事どうでもいいや、

私は作品完成のため、キャンバスに向かう。

新しく色を取るため、筆に付いていた絵の具をバケツに貯めた水で洗った。

バケツの水は、色が混ざりすぎて黒くなり底は既に見えなくなっていた。

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