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私のわたし  作者: Miko
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美術部

放課後になり、私は美術室に向かう。

日置さんと一緒に。

私がどんな絵を描くのか見たいらしい。

「特に面白くはないよ?」とは伝えたが、

「あの柳原先生の娘さんなんだよ凛ちゃんは!見たいに決まってるよ!」

と凄い剣幕で言われた。

あまり両親の評価が下がらないように、注意しなきゃ。

隣で目を輝かせながら話をする日置さんを横目に、

頭でそんなことを考えていた。


美術室につくと、早速壁に飾ってある絵の中から私のものを探し始めた。

飾ってある大体の絵は美術部が制作したもの。

美術部の部長である私の絵ももちろんある。

私の絵で飾られているものは、美術の先生が素晴らしいと絶賛してくれたものだったはず。

「あった!!」

日置さんは声を上げた後、見つけた絵を熱心に見始めた。

大丈夫、失望はされない。

きっと。

完璧なはずだから。

「凛ちゃんの絵・・・すごくキレイ」

絵を見ていた日置さんがそう言葉を零した。

良かった。安心した。

"また"失望されなくて良かった。

それから部活が始まるまで、作業の準備をしながら日置さんと会話した。


活動時間になり、今日すべきことを部員に大きな声で呼びかける。

「今日は前回に引き続き、文化祭で飾るポスター制作をします。使用する画材や表現の仕方は自由ですが、見る人が不快になるような表現はなるべく避けて制作してください。」

分かりやすい、完璧な指示が出せたかな?

私は心の中で考える。

呼びかけ後、部員が動き始めると心の不安が消え去った。

周りを意識するだけでなく、私も制作に取り組み始めようとした。

「まだ2年なのに凛ちゃん部長なの?!」

隣で見ていた日置さんが驚いたような声を出した。

絵に向けようとした集中が薄れる感覚があった。

「心を鎮めて絵に向き合わないと、いい作品は完成しない」

という父の言葉が頭に浮かぶ。

父の言葉を無視してしまう。

それは駄目だ。

このままの心情では"完璧"な絵は完成しないと直感で思い、色をつけようと取り出した筆を置いた。

静かな環境でないと集中できない。

聞きたがっていることは全部先に話しておき方が良いと思い、

驚いている日置さんに部長になった経緯を話し始めた。

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