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私のわたし  作者: Miko
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出会い

「ねえ今日転校生来るらしいよ!」

「それほんと?!たのしみ〜」

朝学校につくとクラスメイトのそんな会話が耳に入ってきた。

「凛おはよう!」

「おはよう!転校生来るのほんとなの?」

「ほんとだよ!あのねー__」

いつもの笑顔で挨拶をして、相手が途中まで話していた内容に触れる。

絵の案くらい出さないとだけど、それを放棄して話を聞く。

なんでも日直が職員室に日誌を取りに行ったとき、先生同士で話しているところを聞いたらしい。

クラスはその話でかなり盛り上がっていて、いつもより落ち着きがない。


キーンコーンカーンコーン

「はい席ついてー」

そう言いながら先生が入ってくる。

後ろに噂されていた転校生らしき人を連れて。

「転校生だ!」「女子が増えた〜」「うちのクラスなんだ」

噂が本当だと分かり、さっきより騒がしくなる教室。

「〇〇高校から転校してきました!日置美久です!

好きなのは〜絵を描くことと甘いもの!よろしくね~」

笑顔によく似合うふわふわなショートヘアを揺らしながらそう答えた彼女。

「絵好きらしいし、凛と気が合いそうじゃない?」

クラスメイトに小声でそう言われたため

「たしかにそうかも」と小声で返した。


HR後、彼女の周りには人が集まっていた。

話していた人もそっちに行ったから今のうちに絵の案を出しておこう。

そう思い、机からスケッチブックと鉛筆を出す。

今回のテーマは『光と影』。

そのままの解釈なら"光"は太陽とか月、"影"は光からできた建物とかの影かな?

心理とか比喩的表現なら"光"は主人公やヒロイン、ヒーローとか輝く存在?

"影"は__

「え!ねえ絵描くの?!」

私のスケッチブックを見て寄ってくる彼女。

「うん!芸術家になるのが夢なんだ!親の影響でね(笑)」

私はいつもの笑顔を浮かべながら応える。

彼女は私の制服にある名札を見ると、目を輝かせながら

「もしかして親ってあの柳原先生?!!あたし大ファンなの!!」

と興奮気味に言う。学校で親のファンに会うのは初めてだ。

気をつけないと。

話していると、ある日行った展覧会で両親の絵を見たこと、

その絵に感銘を受けて自分でも絵を描くようになったことなど

様々な絵に関するエピソードを教えてくれた。


そうしていると予鈴がなった。

日置さんは名残り惜しそうに席に戻っていく。

私はその背中に「休み時間また話そ?」と声をかけた。

彼女は先ほどより目を輝かせながら首を縦に強く振った。

本鈴がなったため席に戻っていったが、授業中も彼女はソワソワしていた。

それとは裏腹に、私はいつもどうり授業に集中して、

黒板に書かれた授業内容をノートにまとめていた。

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