メランコリー
翌日、わたしは窓から差し込む朝日で目が覚めた。
昨日カーテンを閉め忘れていたな、とまだぼんやりする頭で考える。
下の階から、母がいつも通り朝食を準備している音が聞こえる。
「...おきなきゃ」
私はベッドから体を起こした。昨日のようなだるさはなくなっていた。
慣れた動作でクローゼットを開け、いつもの制服に着替えていく。
段々と頭が冴えてきて、昨日のことが思い出される。
着替えが終わる頃には、父に本音を伝えられなかったことの後悔が頭の中を埋め尽くしていた。
「..はあ。」
思わずため息を付いてしまう。
"美久ちゃんにどう伝えようか?"と頭の中で考えを巡らせるまもなく、母が朝食のために私を呼んだ。
いつも通りに返事をし、下の階に降りた。
「おはよう凛。あら、今日は早く出るの?」
「おはよう、HRが始まるまでに絵の案をもう1度練りたくて」
母に息をするように嘘を付く。
たまたま早く起きれただけなのに、もっともらしい理由をつけてしまう。
この生活でついてしまった悪い癖。ちゃんと直さないといけない。
いつか。
...いつか..ね。
そう考えるだけで、直すために何か行動を起こすわけではなかった。
きっとこのまま、本音を伝えられず生きていくのかななんて、ネガティブな思考に侵されながらいつも通り朝食を食べた。
テレビで流れていたニュースを横目で見ていた気がするが、どんなニュースが流れていたかは記憶に残らなかった。
「行ってきます」
「いってらっしゃい、気を付けて行くのよ」
母といつも通りのやり取りをして外に出た。
空には雲がかかっていた。
いつもの景色は、空かわたしの心情のせいかで灰色がかって見えた。




