表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私のわたし  作者: Miko
12/20

優しいが故に

「タオル持ってきたよ!」

開いた扉から2,3枚ほどタオルを持った日置さんが出てくる。

「ぁ、ありがとう..」

わたしは差し出されたタオルを受け取りながら言った。

いつもの表情はつくれなかった。

代わりに、戸惑いや不安の見える表情になっていた。

しかし日置さんはあまり気にしていない様子だった。

そればかりか

「やっぱ全身濡れてるから着替えもいる?下着も貸すし..あ!そこまでやるなら、お風呂入ったほうがいいよね〜あったまるし」

なんて頼んでもいないのに、私を善意でもてなそうとしてくれている。

質問のことは忘れたのかな...?

きっと私を気遣ってくれているんだ。

いつまでもこのままじゃ申し訳ない。


「...なんで逃げたか、聞かないの...?」

考えをかなり巡らせたにも関わらず、そんな言葉しか出てこなかった。

「あー…えっとぉ...」

...?

何故か日置さんはバツが悪そうだった。

しばらく「うーん」と唸っていたが決心したように顔を上げて

「ごめん!!凛ちゃん!!」

と、両手を顔の前で合わせながら言ってきた。

わたしは訳がわからず放心状態だった。

「ど、どうして謝るの」

私のほうがひどいことをしたはずなのに。

謝るのは私のほうなのに。

「タオル取り入ったときちょっと遅くなったでしょ?あたし、自分勝手すぎたかもって考えちゃって」

そう話す日置さんは、今までと違いどこか悲しそうだった。

何かを思い返し、それを噛みしめるように

「前の学校でね、困ってそうな子がいたんだ。あたし、そういう子ほっとけなくて笑 毎日何かあったら話してねって声かけるようにしたんだ。そしたら、その子から『迷惑、鬱陶しい』って言われちゃって...笑」

無理やり笑顔を作りながら、暗くならないように話してくれる。


私の顔もこんなふうに見えてたのかな。

「あたしもバカだよね、またおんなじことしようとして笑 これで何度目だろうな〜」

日置さんは優しかった。

きっとタイミングが悪かっただけなのに。

「あ、さっきも勝手に連れてきたりとかしちゃってたし」

放っておかず探してくれて、こんなにも良くしてもらって、わたしのほうが申し訳ないのに。

「凛ちゃんの気持ち考えなくて、」

わたしは言わなくても気遣ってくれる、その優しさが嬉しかったのに。

「ホント、ごめんね?」


「そんなふうに言わないで、美久ちゃん」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ