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プロローグ
いつもと変わらない風景
いつもと変わらない周りの様子
いつもと変わらない私の笑顔
すべてがいつもどうりで退屈で分からない
学校にはいつも楽しく話せる人達がいて、家にはいつも優しい母と父がいる。
テストの順位はいつも上の方で、部活ではいつもみんなの指標となっている。
何も不満はないし、変化がほしいとも思わない。
何もかもが満ち足りていて、平穏を保っている。
でも何か足りない気がする?私がなりたいのは芸術家なのか?私が好きなのは絵なのか?
・・・分からない。考えても無駄なのかもしれない。
早く絵を完成させないと。
次の展覧会のための作品を__
「凛、ご飯できてるわよ」
「わかった!すぐ行くね」
母の言葉にいつもの笑顔で応える。
筆を置き、真っ白なままのキャンバスと乾ききった絵の具から目を背けた。