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第78話 怪盗ニャンコ様

ニックはマナをベンチに降ろした

「ゔぅぅ…私頑張ったよねぇ…大人になれたかなぁ…」

鼻水も涙もダラダラと垂れ流しながらマナは話す

こんなに顔がぐちゃぐちゃになっても愛おしさが増すんだからマナの魅力は恐ろしい

「うーん。今は三歳児ぐらいかな。寧ろ幼児退行しちゃったね。」

ニックが言う

「うわああああああああああああああんんんんん!!」

マナがまた大声で泣き出す

「ちょっとニックやめろよ…マナを落ち着かせてあげないと…。」

「俺は事実を言っただけだよ。こんな泣き喚く大人なんていないよ。三歳児そのものじゃないか。」

「うわあああああああああああああんんんん!!」

パシャ

「なっ!?ニック何をしている!?」

「マナの汚い泣き顔の記念撮影。これは記念に俺が貰っとくね。」

「びええええええええええええええんんんん!!」

「やめろ!!あまり刺激するな!!」

「精神年齢三歳児のお子様の子守なんてやってられないよ。もういい加減泣きやみなよ。お化け屋敷はもう終わったんだからさぁ。」

「ひっく…だって…頑張ったのに…全然褒めてくれないんだもん!!」

「何を頑張ったの?」

「そ、それは…」

「ねぇ。何もしてないよね?それで褒めて貰えると思ってるの?」

「や、やめて!!私が悪かったから!!ピアノの時みたいに追い詰めないで!!」

「じゃあ泣くのをやめな。いつまでも泣いてたから他のことが出来ないだろう?」

「はい…すみません…」

「はい。ティッシュでその汚い顔ふいて。」

「ぢーーーーーーーーん!!!」

「よし。はい!ここで世界中の人々を全て虜にする悩殺スマイル!!」

「にこっ♡」

パシャ

「はい。この写真はレックスにあげます。」

「は!?え!?いいんですか!?」

「これで平等にマナの写真が渡ったからこのチームは平和だ。」

さっき俺とミメットが写真のことで争っていたの聞こえていたのか…

「チームが団結した所で平和なグリーティングでも行きましょう。」

「いいね!怪盗ニャンコに会いに行こう!!」

俺達は雨降って地固まり怪盗ニャンコに会える美術館に向かった

グリーティングは怪盗ニャンコが絵画を盗む為に華麗に登場するところを俺達が居合わせるような形だった

「レディースアンドジェントルマン!!今夜も華麗に参上!!貴方のハートを頂くにゃん♡」

怪盗ニャンコが華麗に参上する

「きゃーーーーーー♡♡怪盗ニャンコ様ーーー♡♡♡」

マナはすっかり元気になって怪盗ニャンコに会えたことに興奮している

二階から華麗にひらりと怪盗ニャンコが俺達の目の前に飛び降りてきた

怪盗ニャンコはマナの手を取り、手の甲に口づけをする

「一瞬も見逃さないでね。マイハニー♡」

「は、はい…♡」

「な、何をしている!?セクハラじゃないのか!?」

「違うよー。私が今ニャンコ様の恋人のニャンミの猫耳をつけてるでしょ?ニャンミの猫耳をつけてたらサービスで恋人扱いしてくれるんだー♡」

「な、なんだその破廉恥なシステムは!?」

「破廉恥なシステムって…アハハ!!乙女心を楽しませるだけのサービスだから!!」

そんな説明をマナから受けている間にミメットもニャンミの猫耳をつけていたので、同じように手の甲にキスをされていた

「マナ様。怪盗ってかっこいいですね…。」

「ねー!!私もクロネコガールは怪盗設定に変えてもっとかっこよくしようかなー。」

テンションが上がりすぎて自分からクロネコガールの正体を喋ってしまっている

全校生徒に正体はバレているがあんなに頑なに認めなかったのに

その後、怪盗ニャンコはお宝の絵画を魔法のように消して盗みだした

俺達は絵画の持ち主という設定らしく、絵画を俺達に怪盗ニャンコは渡してくれた

ここで握手をしたり、話をするグリーティングが始まる

「あの!一緒に写真撮ってください!」

「写真?そんな素敵なものをもっているのかマイハニー。」

「はい!!怪盗ニャンコ様との思い出を永遠に残したくて!!」

「フフフッ。素晴らしいアイディアだね。さすが僕のマイハニー。」

俺達は怪盗ニャンコと一緒に写真を撮った

「あの!この写真にサインして下さい!!ここの下の白い部分に!!」

「オーケー。可愛いマイハニーの頼みならなんでもするさ。」

写真の下に怪盗ニャンコがサインをする

「ありがとうございます!我が家の家宝にします!!」

「礼には及ばないよマイハニー。またいつでも会いにきてね。」

「はい!!ありがとうございました!!」

俺達はグリーティングを終えて外へ出た

「凄いキザな野郎だったな怪盗ニャンコ。」

「何言ってんの!アレがいいんじゃない!」

「マナはあんなキザな男がタイプなのか?」

「現実の恋はこわいから出来ないけど。これは絶対に叶わない恋だからエンターテイメントとして楽しめるんだよ。怪盗ニャンコが恋人になるわけないし。そういう気分だけ味わうことが出来るから楽しんだよ。」

「それで?気分を味わったマナは恋をしたくなったの?」

「全然。気分だけで満足かな。」

恋人気分だけ味わって満足してしまっている

現実の恋愛には相変わらず全く興味がないようだ

俺も気分だけでもマナの恋人になりたいよ…

怪盗ニャンコずるいぞ!!

マイハニーなんて呼んで手の甲にキスするなんて!!

俺はずっと友達止まりなのに!!

俺怪盗になろうかな…

マナのハート奪えたらいいのに




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