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第77話 お化け屋敷

俺達は昼食を終えて、外に出る

「俺アレ気になる。」

ニックがそう言って指差した所はお化け屋敷だった

「私は全く気になりません。」

マナが冷たくニックに言い放った

「楽しそうだよ?」

「ダメです!面白半分でお化けなんかと関わると呪われますよ!!」

「大丈夫だよ。本物じゃないんだし。」

「どこに本物がいるかなんて誰もわからないじゃないですか!!」

「お化け嫌いなの?」

「お、お化けが嫌いなんて言ったら呪われますよ!!ダメダメ!!そんなオカルト初心者にはお化け屋敷は無理です!!」

「お化け好き。」

「な…!?そんなお化け好きなんて言ったら変なお化けに好かれて取り憑かれますよ!!絶対ダメです!!ニック様危険すぎますよ!!」

「嫌いも好きもダメだなんて難しいね。」

「そうです!何者かわからないものには関わらない方がいいですよ!」

「何かわからないからこそ何事体験だと思わないかね。マナ。」

「私は体験しなくてもわかりますから!絶対無理です!」

「俺達四人の班なのに全然同じアトラクションに入れてないじゃないか。みんなで楽しい思い出作りたいよ。」

「じゃあグリーティングに行きましょう!怪盗ニャンコに会える美術館があるんですよ!!」

「お化け屋敷にみんなで入りたいなー。」

「どうしてもというなら私だけ残りますから!」

「マナも一緒じゃないとやだよ。」

「無理無理無理無理無理無理!!!」

「何事も挑戦だよ。マナ。小さい頃はダメだったかもしれないけれどもう大人になったから平気かもしれないよ?」

「小さい頃もこんな怖い場所入るわけないじゃないですか!!」

「入ったことがないなら尚更じゃないか。俺達ジェットコースター初体験したんだから。マナだって初体験するべきじゃないか?」

「そ、それは…」

「本当はとても楽しいかもしれないよ?体験もしてないのに決めつけはよくないなぁ。」

「で…でも!!呪われちゃうよぉ。」

「白魔法があればなんとかなるよ。」

「こわい…。やだ…。」

マナは涙目でぷるぷる震えてる

可愛い

「大丈夫。大丈夫。なんとかなるからー。」

そう言ってニックはマナの手を引き無理矢理お化け屋敷に連れて行こうとする

「む、むりー!!やだああああああああああ!!!」

絶叫してマナは足を踏ん張って抵抗するが

マナの力でニックの力に敵うわけもなく

無理矢理引きずられてマナはお化け屋敷に入る

俺とミメットもお化け屋敷に入った

マナは無理矢理お化け屋敷に入らされてまだ暴れていた

「マナは大袈裟だなぁ…。死にはしませんよぉ。怖がってたら余計に怖くなりますから。頭空っぽにして流れに身を任せましょう。」

ニックのセリフはマナがジェットコースターの時に言った言葉と同じだ

「ぐっ…。」

「いつまでお化けの怖いお子ちゃまでいるのかな?マナは大人になったんだ。こんなことで大暴れをするなんて恥ずかしいと思わないのかな?」

「うっ…。」

「マナはよく言ってるじゃないか。子供ぽい自分が嫌いだと余裕のある落ち着いた大人になりたいって。」

「うぐぐ…。」

「このお化け屋敷が終わったら今とは全然違う大人のマナに成長しているだろうね。」

「わ、わかりましたよ!いいでしょう!受けて立ちますよ!お化け屋敷なんて子供騙し余裕のある大人の視点で楽しんでやりますよ!!」

「わぁお!さすがマナだね!!」

お化け屋敷の説明を俺達四人は受ける

お化け屋敷は怪盗ニャンコからお宝を奪われた悪人の生霊が住んでいる

悪人の生霊は魔法を使い火、水、風、土で俺達を追い詰める

最後は生霊に追いかけられるので捕まらないように逃げてください

と説明を受けた

「やっぱ無理…。」

「マナ様!私がついてますから!ほら私に捕まって顔を隠していれば大丈夫ですから!私がマナ様を守ります!!」

「ありがとう…。一生離さないから…。」

ミメットはマナにしがみつかれていた

正直羨ましい

マナは全く目を開けずにミメットにしがみつきながら歩いていた

時々水がかったり

風が当たる度に

「ひゃあ!!」

と声を出していたが

それでもなんとか出口が見える所まで歩いてこれた

「ひゃああああああああああああ!!!」

急に土魔法で俺達の足は土に沈んでいく

歩くことも困難だ

しかし、後ろから生霊が追いかけてきた

俺達は必死で沈む足を動かして逃げる

「こ、腰抜けたぁあああああああああああ!!動けないいいいいい!!あ、悪霊に捕まって死ぬううううううう!!」

マナが絶叫して腰を抜かしていた

「マ、マナ!?」

「マナ様!!大丈夫ですか!?」

「動けないいいいいいいもう私はここで人生終わるんだああああああああああああ!!」

大泣きしてパニック状態だ

ニックは腰を抜かしているマナをお姫様抱っこで抱える

「しっかり捕まれ!!走るぞ!!」

「は、はいいいいいいいいい。」

ニックは足も沈んでいるはずなのにマナをお姫様抱っこで抱えて走ってゴールをした

俺とミメットも走って自力でゴールする

マナはニックの腕の中でひっくひっくとまだ泣いている

「いやー!!めちゃくちゃ楽しかったね!!マナ!!」

ニックが楽しそうにマナに話しかける

「全然楽しくなかった!!死ぬかと思った!!!うわああああああああああん!!!」

「ハハハッ!!マナは本当に可愛いね!!」

俺はお化け屋敷で何もすることができなかった

ニックがずっとマナをお姫様抱っこしているのに嫉妬した

マナもずっとしがみついて離さない

自分の不甲斐なさに嫌になる

なんで俺はいつも出遅れるんだろう

すぐにマナを抱っこ出来なかった俺の完敗だ

あんなに密着してマナに触れられるなんて

羨ましい

俺がマナの王子様になりたかったのに

目の前でイチャつく二人を俺は

苦虫を噛み潰したような顔で見ることしか出来なかった








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