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第75話 ジェットコースター

「じゃあ定番のジェットコースターに行きましょう!」

「マナは乗ったことあるのか?」

「幼い頃に遊園地に来たことはあるのですが、身長制限の為、乗れなかったんですよー。」

「じゃあ初めてなんだ。」

「前世ぶりですね!前世の時は大好きでしたから!」

前世ぶりってなんだよ。前のマナもとい今のアーネルド・マリアから事情を聞いてはいるから前世の記憶があることは知っているが、そんなに鮮明に覚えているのだろうか

「私も初めて乗りますね。」

「俺も。」

俺もだ。ニックとミメットも初めて乗るようだ。

「このジェットコースターはなんと!100メートル高さから時速150キロメートルで大落下をして、その後も連続カーブが続くんです!!凄いでしょう!?」

「人間が乗るもんじゃないよ…。」

「なんでも体験するべきですよ?乗ってみたら絶対このスリルが快感になりますから!」

「本当か?」

「もちろん!」

俺達はマナの口車に乗せられて四人でジェットコースターに乗った

マナとミメットが最前列に乗り

俺とニックがすぐ後ろに乗った

ジェットコースターが動きだす

「乗ってる時にきゃーー!!って叫びながら両手を上げると楽しいんですよ!」

「本当かな…。」

「ほら!見てください!凄いいい景色ですよ!!」

「おい…高く登りすぎじゃないのか!?」

「こんなに高いの私も初めてです!どうなっちゃうんだろう!?」

「俺達はジェットコースターが初めてなのにこれはレベルが高すぎるんじゃないのか!?」

「まぁ…たしかに…。」

「た、高すぎる!!助けてくれ!!」

「私も死にたくない!こわいよぉ!!」

「俺だってまだ音楽留学とかやりたいことがあるのに!!」

「みんな大袈裟だなぁ…。死にはしませんよぉ。怖がってたら余計に怖くなりますから。頭空っぽにして流れに身を任せましょう。三分ぐらいで終わりますから。あ、頂点に到達しましたよ!落ちます!!」

「こわいこわいいいいいいいいいいいい!!」

「やだああああああああああああああああ!!」

「うわあああああああああああああああ!!!」

ジェイコースターは100メートルの高さから時速150キロメートルで落下した

「ひゃっほーー!!!最高ーーー!!たのしいいいいいいいい!!」

「うわああああああああ死ぬううううううう!!」

「やだやだやだやだやだ!!!もう降りるうううううう!」

「ぎゃああああああああああああああ!!!」

俺達三人は阿鼻叫喚のパニック状態だ

マナだけ楽しそうにはしゃいで乗っていた

なんでこんなものが楽しいんだ!?

ジェットコースターはその後もぐるぐるのカーブを続けて恐ろしいスピードで走る

振り回されて続けて俺達は皆絶叫しっぱなしだった

三分後にようやく終わった

俺達三人は満身創痍になり放心状態だった

「どうでした?初めてのジェットコースター。」

「最悪だよ。」

「二度と乗りたくない。」

「もう無理…。歩けない…。」

「まぁこれもいい思い出ですよ!ほら!これで元気百倍ですよ!」

そう言ってマナは俺達三人に白魔法をかける

凄い

あんなに気持ち悪かったのが嘘のように消えてなくなった

「あ、ありがとう…。」

「じゃあもう一回乗れますよね?」

「…は?」

「元気ですもんね!もう一回!もう一回!!」

マナは手拍子をしてアンコールを求めている

いくら元気になるといっても何回もあんな地獄を味わうなんて…

ミメットとニックの顔を見る

二人とも全力で首を振って拒否をしている

「レックス様!慣れたら楽しいですから!ね!」

「嫌だよ…。俺を殺す気か?」

「そんなこと言わないで…お願い♡」

マナは上目遣いで掌を合わせておねだりポーズをしてきた

あざとい

可愛すぎる

「ねぇ…レックス。もう一回だけでいいから…ダメ?」

何故ここで名前の呼び捨てをするんだ!

翻弄されてしまうだろうが!!

「も、もう一回だけなら…。」

「やったーーーーー!!レックス大好き♡」

もう俺ここで死んでもいいかも

「レックスってさ。マナに頼まれたら断れないんじゃない?これから先もずっと。」

ニックに言われる

たしかにこんなおねだりをされては断れる気がしない

一生俺はマナの下僕なのかも

俺はマナに手を引っ張られてもう一度あの地獄のジェットコースターへと連れて行かれる

今度は隣に座ってジェットコースターに乗った

恋人のようだと浮かれたいところだがそれどころじゃない

地獄へのカウントダウンなのだから

カタカタと上へとジェットコースターが上がり

処刑を待つ罪人の気分になる

「ねぇ!私今人生で一番楽しいかも!!レックス!!」

あぁそれならもうなんでもいいや

マナの笑顔の為なら

俺は地獄にでも喜んで一緒に堕ちよう


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