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第72話 ジャンケン

今日はHRの授業で二週間後に行われる課外授業の班を決める

課外授業とは言ってもハーバランド国で一番有名で大きな遊園地の怪盗ニャンコランドで遊ぶことだ

スカーレット学園は外出することが基本的には長期休みしか認められていない為、貴重な外出であり一大イベントである

学級委員のレックス様と私が司会を勤めて話を進める

「班は男女二人ずつになります。四人の班を自由に作ってください。」

でた。自由に班決め。私のような人間にはハードルが高すぎる

私は特進クラスではかなり浮いた存在だ

何しろ四六時中クリス様がくっついているのだから

私がマナになってからこのクラスのみんなとお話したことなんてほとんどない

他の人との関わりなんてレックス様と少しだけ話すだけだし

ニック様はとの会話は部活動のことだけだ

ローズ様は…なんだかんだ助けてはくれるけれど

徹底的に避けられてる

はぁ…班どうなるんだろ

せっかく遊園地に行けるから楽しく遊びたいけれど…

「ろ、ローズ様…。」

「絶対嫌。」

ダメ元でローズ様と一緒の班になろうと声を掛けてみたが即効でフラれてしまった

悲しい

「何を言ってるのんだ?マナは俺と一緒に決まっているだろう?」

クリス様が声を掛けてくる

「絶対嫌。」

せっかく遊園地に行くのにクリス様に粘着されるなんて嫌だ

絶対に

「でもマナと一緒の班になりたいやつなんていないだろ?」

「…。」

残酷なことを堂々と言うな

私はメンタル強い方ではあるけれど

流石に傷つきますよ


「待って下さい!!」

そう言って私達の間に割って入ってきた

「私は王様から直々に指名をされてクリス様の婚約者になりました。コーラン・ベルチェと申します。マナ様には申し訳ございませんが、私がクリス様と一緒の班にさせて頂きます。」

「いえいえ!どうぞ!どうぞ!是非課外授業で親睦を深めてください!!」

「何を言っている?親が勝手に決めた婚約者なんていま何も関係ないだろう?」

「関係あります。」

「絶対嫌だ。」

「私もクリス様と一緒は絶対嫌です。」

「他の男と浮気するつもりか!?」

「浮気も何も…私達恋人じゃないし。」

「将来恋人になるんだ!」

「クリス様は今現在の恋人のベルチェ様がいるじゃないですか。」

「俺は恋人になった覚えなどない!」

「ひどいこと言うなぁ…いくら親が決めた恋人であってもベルチェ様はクリス様の婚約者になれて嬉しかっただろうに。」

「俺は被害者だろう!?勝手に婚約者を用意されてマナと離れろなんて言われて!!何故俺が責められないといけないんだ!」

「王様が選んだ婚約者なんだからいい子に決まってるじゃないですか。課外授業で親睦を深めてはいかがですか?」

「お前は誰と班になるんだ?」

「え?まぁ…決まってないですけど」

「俺としか仲良くないくせにどうするつもりなんだ?」

「私は初対面の人とも仲良くできますから。余計なお世話です。」

「でも…」

「うるさい!じゃあこうしよう。ジャンケンで決めよう。」

「えぇ?」

「私が勝ったらクリス様と同じ班にはならない。クリス様が勝ったら私はクリス様と同じ班になります。」

「本当か?」

「女に二言はないですよ。」

「…わかった。いいだろう。」

やった!かかった!!

実は私はこの世界ではかなりの豪運で

ジャンケンの勝率は8割程ある

この世界の神様アルテミスがおそらく私にご執心だからであろう

神のご加護がついているのだ

チートで反則かもしれないがそんなことはいってられない

もしも負けでもしから私はクリス様とベルチェ様と同じ班になり地獄の三角関係になる

そんな遊園地絶対に嫌だ

このジャンケン勝負反則と言われようが絶対に負けるわけにはいかない!!

「俺はグーを出す。」

「な、なんだと!?」

クリス様はまさかの心理戦に持ち込もうとしている

私は素直な性格が故にこういう駆け引きはめちゃくちゃ弱い

「マナはパーを出せば勝てるけど…?どうする?パー出すの?」

「黙秘します。」

相手のペースにのせられたら終わりだ

あくまで運勝負にしなければ負ける

「グー出す?パー出す?それともチョキを出す?」

「…。」

平常心。平常心…

戯言には耳を貸さない

私が出来ることは一つだけ

神様!仏様!アルテミス様!!

どうか私に勝利を!!

心で強く願う

「ジャンケンポン!!」

私はチョキを出して、クリス様はパーを出した

私の勝利である

「よっしゃあああああああああああああ!!」

「待て!三回勝負にしよう!!」

「そんな後付けルール許されません!さよなら。クリス様〜!!」

見事に私が勝利した

地獄の三角関係の班にならずにすんで本当に嬉しいのだが

私はこれから他の人と班を決めなくてはいけない

私も一緒の班になりたいクラスメイトなんていないよね…

自由に班を決めるなんて残酷なルールだ

私はこれからまた地獄の班決めをしなくてはいけない

一難去ってまた一難




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