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第69話 バカ聖女VSバカ王子

私はマリオと別れた後、自分の靴を履き替える為に靴箱へと向かう

パカっと靴箱を開けると

いじめの告発文

罪の懺悔文

呪いの手紙

ラブレター

たくさんのお手紙が私の靴箱に詰まっていた

カオスである

これが私に対する今の世間の声かと

ばっちり賛否両論である

私はいつも好かれる人にはめちゃくちゃ好かれるが

嫌われる人にはめちゃくちゃ嫌われる

前世の佐々木華の頃を思い出すような手紙だった

あれだけ圧をかけたからいじめの手紙はなくなっていると期待していたが

そんなことはなかった

私のことを憎い人は憎しみを止めることが出来ないんだろう

私は靴箱に詰まっている手紙を全て鞄になんとか仕舞い込んで、教室で手紙の仕分けを行う

いじめの告発や懺悔の手紙は生徒会長のスリーに渡そう

ラブレターは呼び出しとかがあるかもしれないから隅々まで確認して読まなさければいけない

「あ。」

私は懐かしい名前が書いてある手紙を手にする

私がアーネルド・マリアの時、Bクラスで仲良くしていたイベルト・カイ

カイからの手紙が入っていた

“前略 クロネコガール様

初めまして。私の名前はイベルト・カイと申します。

先日のクロネコガールさんの演説素晴らしくて感銘を受けました。

私の人生観が変わった!大袈裟ではなく本当にそうなんです!

クロネコガールさんにこの学園を守って頂けるなんてなんて心強いんでしょう!

クロネコガールさんの今後のご活躍を期待しています!

実は私も優秀な人材でして

私がこの学園の困った難事件を解決する手助けが出来ればと思い

私もクロネコガールさんのお役に立てる助手にさせてくれませんか?

一人では難事件の解決は難しいでしょう!!

是非!私が力になりますので!!

よろしくお願い致します!!

生徒会の皆さんにも私が優秀であることを知って欲しいのです!!

どうかクロネコガールさんの助手に!よろしくお願い致します!!”


「ブッ!!何これ!!難事件解決って名探偵かよ。フフフッ。」

ラブレターというよりファンレターのようだ

マナの名前を出さずにクロネコガールとしてちゃんと設定を守って手紙を書いてくれてるのがウケる

これって私が優秀な人材は王様に報告するって言ったからだよね?

めちゃくちゃ優秀さアピールしようとしてんじゃん!

カイ…変わってないなぁ…権力ある人間好きすぎだろ…

マリアの時のようにもう普通の友人として接することが難しいのが残念

もう私はモブ令嬢ではなく聖女だ

カイが以前と同じように対等に話しかけてはくれないだろう

太鼓持ちをされるに決まってる

…フフフッ

それでもいいからもう一度話したいな

会いたいな

私はカイから貰った手紙を読みながら感傷に浸っていると


私から急にカイの手紙を取り上げた

そして目の前の人物はカイの手紙を破ったのだ

「他のやつからのラブレターを愛おしそうに読むなよ。」

クリス様はそう言いながら私の目の前でカイの手紙をビリビリと破る


なんで?

なんで私の大事な手紙を破られないといけないの?

どうして…

私の大事な手紙だったのに…

ボロボロと大粒の涙が止まらない

私は破られた手紙をかき集めて泣きながら必死にテープで繋ぎ合わせる

「やめろ…。そんな手紙なんてなんの価値もないんだ!!どうせマナは俺を選ぶんだから!!俺だけを見ればいいんよ!!」

「…この手紙の価値が無価値なんて言わせない。私にとっては宝物だよ。勝手に破くなんて酷いよ。」

私は震えた声で答える

「他の男の手紙を宝物だなんて許さない!」

「クリス様の許しなんて求めてない!これは私の大事な手紙だし、宝物だ!!謝ってよ!!人の大事な物破って!!信じられない!!」


クリス様は私の胸倉を掴み私にキスをする

私は完全にブチ切れてクリス様を突き飛ばしクリス様にビンタをする

私は目に涙を溜めながらクリス様を憎悪に満ちた目で睨む

クリス様は私を机に押し倒しまた強引にキスをしてきた

力が強く抵抗しても身動きができない

無理矢理何回もキスをしてきて

舌を入れる大人のキスもしてきた

私は入れられた舌を思いっきり噛む

「いたっ…。」

クリス様の口から血がでる

そして力が緩んだところを私はすかさず反撃にでる

私はクリス様を床に思いっきり押し倒し胸ぐらを掴む


「何故拒む?マナは俺の女になるのが一番幸せなんだ!!俺以上にいい男なんてこの世界にはないない!!俺が幸せにしてやるって言ってんだ!!」

「うるせーーーーー!!俺が幸せにしてやるって言葉大嫌い!!クリス様にとっての私の幸せって何?独占欲の塊のクリス様の恋愛が幸せだって本当に思ってるの!?貴方の恋愛ごっこのお人形劇の配役になるなんてまっぴらごめんだわ!!私はね!!この可愛い容姿もあるし!白魔法もあるし!!そして何より豪運があるの!!貴方に幸せになんてして貰わなくても私は自分で自分の幸せを掴めるんだから!!自分の気持ちを押し付けることしかできないバカと私は絶対に恋人なんかにならないんだから!!人の気持ちを理解する為に道徳の勉強をやり直せ!!このバカ王子がよぉ!!!」

私は床に押し倒したクリス様に頭突きをする

クリス様の頭からも私の頭からも血が流れる

私が本気でキレて怒ってるのにクリス様も引かずにこちらを強気に見つめてくるのがむかつく

自分は間違ってないと訴えているようで

全然反省の色がないその態度にまた腹を立てる

私はもう一度ビンタをしようと手を振り上げると

「ストップ。そこまで。」

私の手が掴まれる

いつの間にか他の生徒もどんどん教室に入ってきていた

私の手を掴んだのはローズ様だった

「二人とも少し頭を冷やしなさい。」

そう言われて私は手を降ろしクリス様に跨っていたが離れる

私は怒りが収まらずクリス様を睨みつける

「私は絶対に関わりたくないので、後は先生に任せるから。」

私とクリス様は事情聴取の為に校長室へと連れて行かれた



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