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第68話 おしゃべりな聖杯

私はその後、スザク様に魔塔まで風魔法で送って貰った

「ただいまー。」

「今日も遅かったな。もう晩御飯は出来ているぞ。」

「ミケお爺ちゃんありがとうございます。マオだけではなく、私のことも王様に報告して頂いていたそうで。」

「王様に会ったのか?」

「はい。マオの報告をしようと思いまして。何故私が単独単独行動しているの知ってたんですか?」

「早朝一人で出かけるから後をつけて見張っていただけだ。」

「そ、そんなことをしてたんですか!?」

「お前は何をするかわからない。」

「やだなぁ。そんなことないですよ?」

「お前は目の前のトラブルに首を突っ込んでいくからな。後先考えずに。」

「え!?今日のことも知ってるんですか!?」

「さすがに学園まで行かない。昨日あれだけ後先考えずに行動するなと釘を刺したにも関わらずまた何かやらかしたな?」

「今日は人命救助ですから。殴られてる人がいたら助けるのは当たり前でしょう?」

「へぇ。どうやって助けたんだ?」

「まずは正体を隠して行動しましたね。身バレはよくないですから。考えて行動出来ているでしょう?」

「ほぉ?少しは成長したかな。」

「そうでしょう!!そして殴って脅してわからせたんですよ!!」

「お前は何も変わってない。」

「ひどっ!!」

「いい加減にしろ。衝動的に行動するな。幼児の方が考えて行動できるぞ。」

「わかってますよ…。人間すぐには変わらないんですから長い目で見守ってくださいよ。」

「はぁ…。考えることを意識しろ。常にだ。思ったことをそのまま口にしたり行動するな。」

「難しいね。」

「もう少し大人になりなさい。」

「はーい。」

私は怒涛の一日を終えて疲れたし、明日が早いのですぐに眠りについた。

明日は早朝にマリオに会って聖杯もといアルテミスと話をする予定だ。


私は早朝約束通り待ち合わせしていた中庭でマリオに会う

「ほらよ。」

そう言って目の前にだされたのは私がかつて持っていた聖杯だ

「華ちゃーーーん!!やっと完全体の姿で会えたね!!めちゃくちゃ可愛いよぉ。最強のヒロインだぁ!!」

「相変わらずだね。アルテミス。」

「完璧なビジュアル!!そして可愛さと色気を兼ね備えた魅惑のボイス!!素晴らしいよ!!」

「うん。相変わらずちょっとキモイね。」

「そんなとこも好きだよ。華ちゃん。それで?何か用かな?」

「攻略対象と恋をするってどうなったらクリアなの?」

「まぁ私の匙加減だけど。」

「今すぐクリアにしてよ。」

「ダメー!!恋してないじゃん!!華ちゃん。」

「じゃあキスしたらクリア出来る?」

「無理。マオくんとキスしてそのまま世界平和にしようなんて考えが安直すぎるよ。さすがの私もドン引きだよ。」

「お前…マオくんにキスを迫ったのか…。普通にクズだな…。」

「いや…あの…それで世界平和になるならいっかなーって…。」

「華ちゃん。そんな簡単に世界平和になるわけないじゃん。」

「マナ。最低。」

「もうしないから…。すみませんでした…。」

「華ちゃん。両思いとかなら全然いいんだよ?早く初恋をして私をドキドキさせてよ。」

「やだ。恋こわい。」

「クリス様とかどう?ちょっとはドキドキしたでしょ?そのまま流されて恋に溺れちゃってもいいんだよ?」

「やだ。クリス様が一番こわい。」

「うーん。華ちゃんの恋愛恐怖症は筋金入りだなぁ。」

「マナ。まだ学園生活は始まったばかりだし、そんなに急かす必要ないよ。三年間もあるんだからまだまだこれからだよ。」

「そうだね…。めんどくさいから早く終わらせようとするのは私の悪い癖だ。もう少し落ち着いて考えてみるよ。」

「華ちゃん。恋愛は尊いものだよ。」

「どうかな。ドロドロのぐちゃぐちゃの恋愛模様しかあまり見たことないけれど。」

「華ちゃんに恋をした人間がみんな狂っていく様をね。でも今世は違うよ。一般市民じゃない。マナは最強のヒロインだ。マナに恋する攻略対象はすぐに狂ったりしない。彼らもまた最強の選ばれし王子様達だからね。安心して恋愛するといいよ。誰を選んでもハッピーエンドさ!!」

「嘘くさい…。そんな未来全く見えないけど。」

「この神様を信じなさい!!」

「この世界で一番信用ないけど。」

「な、何故!?」

「マナ。話は終わった?じゃあこの聖杯持って帰るよ。」

「え?預かってくれるの?」

「な、なんで!?私はまた華ちゃんと暮らしたいのに!!」

「こいつうるさいけど、毎日毎日華が何をしたか報告してくれるからな。監視にはちょうどいい。」

「マリオ!!私は華ちゃんと話す為に聖杯になったんだ!!君の監視用に作ったんじゃない!!」

「じゃあ。まぁ気長に頑張れよ。」

「え、あ、はい…。」

マリオは文句をいっている聖杯を抱えて行ってしまった



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