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第67話 嫌がらせ

「王様に何の用ですか?」

「もちろんマオの報告義務の為だよ。」

「マオの報告は受けてますので。マナ様が王様に会う必要はありません。」

「報告を受けてる?スザク様がストーキングして報告してるの?」

「違いますよ…。報告しているのは別の人物です。」

「へぇ…ミケお爺ちゃん王様と繋がりあるんだね。」

「世界一の魔法使いですからね。魔法研究の結果の報告とかしてますから。研究結果の報酬も国から出てますよ。」

「まぁいいや。とにかく連れてって。」

「何も用ないじゃないですか…。」

「あるわよ。」

「なんですか?」

「嫌がらせ。」

「…そんな理由で私が連れて行くとでも?」

「金ならあるわよ。」

「王様から十分な報酬で働かせて頂いてるので結構です。」

「仕方ないなぁ。」

私はスザク様を地面に押し倒す

「な、なにするんですか!?」

「んー?おねだり。」

私は押し倒したスザク様の顔に近づいて囁く

「ねぇ…私のヒーロー様。お願い♡」

「そ…そんなことで私は屈したりしない!!」

「つれないなぁ。私達キスまでした仲なのに…ねぇ?」

「ただの人命救助だろう!?」


「何をしている?」

クリス様が私達に気づいて声を掛ける

やばい。一番厄介そうな人に見つかってしまった

「クリス様!?これは…違うんです!!誤解です!!」

スザク様が必死に誤解を解こうとする

「キスしたのか?」

「あ、あの…死にかけてたマナ様にポーションを口移しで飲ませただけの人命救助であり、やましいことは一切ありません!!」

「キスしたんだな。」

「じ、人命救助で…」

クリス様が物凄い形相でこちらに近づいてくる

スザク様が風魔法で逃げようとしたので私はスザク様にしがみつき一緒に飛んで逃げた

「ハァハァ…殺されるかと思った…。」

「このまま王城までお願いします!!」

「嫌だ!早く離れろ!!」

「王城に着くまで絶対離さないから!諦めて連れて行きなかさい!!」

「マナ様に関わるとろくなことにならない…。」

そう言いながらも私を王城に連れて行ってくれた


私は王様の部屋にスザク様と入る

「ガーーーーーードン♡会いたかったよ!!」

「マナ。君の言う通り全ての要求に応じたのに何の用だね?」

「王様が私のこと心底嫌がってる顔が見たくてさ。」

「…帰れ。」

「あぁ…本当に嫌そうなその顔が最高ですね。」

「私は忙しいんだ。何も用がないなら早く帰れ。」

「マオのことは?」

「ミケから報告を受けている。マオは安全だと。」

「私が報告するのに…。」

「いらん。帰れ。ちなみにお前の方が危険だとミケから報告を受けている。」

「え。」

「早朝時々抜け出して街の朝市で好き勝手買い物したり、孤児院に行って遊んでたりお金を寄付したりしているらしいな。」

「な…なんでそんなことまで…。」

「一人での単独行動ほ危険なのに…。そのうち街のギャングに喧嘩を売ったりするんじゃないか?」

「そこまで無謀なのことはしませんよ…。」

「どうだか。貴様は私の忠告を無視して魔王討伐に行ったからな。無謀だったのに。」

「まぁまぁまぁあの時は自暴自棄でしたから。今は精神が安定して完全復活です!!」

「より厄介な存在になっただけじゃないか…。とにかく単独行動はするな。白魔法は攻撃することが出来ない。何かあった時に危ないだろう?」

「わかりました…。」

「じゃあ帰れ。」

「ちょっと待ってください!クリス様が私に求愛してきて困ってるんですよ!!ガードンがクリス様に婚約者とか作ってなんとかしてよ!」

「は?なんだその恐ろしい情報は…。」

「え?まさか知らないの?クリス様に護衛騎士つけてるのに報告されてないの?」

「スザク?」

「は、はい…。申し訳ございません…。」

「何故黙っていた?」

「クリス様から口止めされていましたので…。」

「…それで?毎日求愛されて困ってると?マナ?」

「その通りです!好きだ。愛してる。結婚しよう。毎日毎日言ってきますよ!」

「本当にクリスが?そんなことを?」

「そうですよ!私が付き合えないって断ったのにも関わらず毎日毎日ずーーーっと愛してるって言ってくるんだもん。もうどうしたらいいのかわかんないよ。」

「こわ。なんだそれは。万が一でもマナが王族に入るなんて考えるだけでも恐ろしい…。」

「そうでしょう!そうでしょう!!早くなんとかしてくださいね!」

「わかった。迅速に対処しよう。」

「あ。ついでに謝っとくけど、今日全校生徒の前で王様の名前出して脅しちゃったわ。」

「俺は忙しいんだ!学園のいざこざまで相手に出来んぞ!!」

「わかってますって。あくまでも脅しただけですから。何か問題があれば生徒会が対応しますよ。」

「今年の生徒会は優秀な生徒が多いからな。」

「ではでは。そろそろお暇しますか。」

「もう二度と来なくてもいいぞ。」

「週に一回会いにきますから。」

「やめてくれ!!!」






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