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第66話 甘えるな

学級委員の仕事が終わり私は音楽室へと向かう

「やぁ。マナ。今日の演説凄かったね。君は舞台上がると映えるね。素晴らしかったよ。」

ニック様が今日の演説のことを話す

「なんのことですか?私とクロネコガールさんは無関係ですよ。」

「なんか変なお面してたねそういえば。なんなの?あのお面?」

「正体を隠す為のお面じゃないですか?」

「あのお面で正体隠せてると思ってるの?」

「え…思ってるんじゃないですかね…。」

「誰でもわかるのに?本気で?なんで?そもそも隠す意味あるの??ねぇ??」

「まぁ…正体がバレたらちょっと不都合なことになりそうだからじゃないですかね…。」

「じゃあもっと本気で変装しないとダメじゃない?せめて髪色は変えようよ。だれがどう見てもマナだよ。」

「いや…あの…そこは見て見ぬふりして頂けると助かるんですけれど…。」

「バレバレの正体のやつ相手にこっちが気遣わないとダメなの?おかしくない?」

「すみませんでした…。」

ぐぅの音もでない正論で攻め立てられる


「そんなことはいいんだよ。マナ。オーケストラ部の今後の活動を説明するね。」

「お願いします。」

「もうすぐ吹奏楽のコンクールがあります。吹奏楽の楽器のみんなはしばらく吹奏楽コンクールに専念します。」

「え!じゃあ私はもしかして吹奏楽デビューでしょうか!」

「今から吹奏楽を初めて三ヶ月後のコンクールには出れないよ。」

「やっぱりダメですか。では私はベンチを温めておきますね。」

「俺とマナは別の練習をする。」

「ニック様は吹奏楽コンクールに出ないんですか?」

「俺は吹奏楽ではなく、ヴァイオリンのコンクールに出る。」

「なるほど。だから別の練習なんですね。」

「俺のヴァイオリンのコンクールの伴奏をマナがするんだよ。」

「…へ?」

「ちなみにコンクールは一ヶ月後だから今日から猛特訓だよ。」

「私は素人ですよ?無理でしょ。プロに頼んでくださいよ。」

「せっかくオーケストラ部に入ったんだ。マナだけ何も役割がないのはダメだろう?」

「入部して一ヶ月でニック様のヴァイオリンのコンクールの伴奏はあまりにも無謀だと思いますけど。」

「今日頑張ったことが明日へと繋がる。今日怠けたことが明日へと繋がる。全ては繋がっている。だろう?」

私の今日の演説を引用されている

自分がカッコつけて演説していた言葉を返されては反論が難しい

「それはそうなんですけれど…さすがに荷が重いといいますか…。」

「過去の自分が今の自分へと繋がる。今の自分が未来の自分へと繋がる。」

「…。」

ニック様今日の演説の言葉覚えすぎだろ

「ここで諦めたら未来のマナが後悔するよ?」

「本気で言ってます?私が伴奏??」

「当たり前だよ。マナになら出来るよ。俺はこういう勘は鋭いんだ。」

「過大評価すぎるよ…。」

「マナに必要なものは自己肯定だよ。もっと自分の力を信じないと。マナが出来るって信じないと本来の力を出せないよ?」

「それはそうかもしれないけどでもいきなり伴奏なんて…。」

「はい。もううるさい。覚悟決めろ。俺が決めたんだマナに拒否権はないよ。」

「いやいや!あるだろ!おかしいよ!」

「俺が部長だ。決定権は俺にある。甘えるな。マナは何故オーケストラ部に入ったんだ?マナだけお遊戯会で済ませるつもりか?」

「…。」

「覚悟を決めろ。やると言え。」

「…やります。」

「わかればいいんだ。俺が手本で一度弾くからよく聴いて覚えろ。」

「わかりました。」

私はニック様のピアノを聴く。

集中して必死に覚える。

甘えるな。

そう自分に言い聞かせて。

「じゃあ弾いてみて。」

「はい。」

私は先程ニック様が弾いた曲を弾く

「ここ間違ってる。」

「ここテンポ違う。リズムが狂うのだけは致命的だから本当にやめてね。」

「ここも違う。」

「なんでここ何回も間違えるの?」

「もう一回弾いて。」

「もう一回。」

「ねぇさっきより集中力落ちてるよ?俺の耳は誤魔化せないからね。もっと集中して弾いてよ。時間の無駄。」

「おい!今諦めただろう!?今日頑張ったことが明日へと繋がる!今日怠けたことが明日へと繋がる!全ては繋がっているぞ!!」

恐ろしい程スパルタだった…

部活動の二時間がっつりピアノを弾かされた

疲れた

明日指動かないよこれ

「まぁまぁ頑張ったかな。及第点。」

「ありがとうございました…。」

ニック様のコンクールなのにニック様はヴァイオリンを一度も弾かずに私に付きっきりで指導していた

やり方はスパルタだけれど

ニック様は私の為に時間を割いて見てくれてる

期待を答えられるように頑張らないと…

私はフラフラになりながら音楽室を出て部活動を終えた

私は魔塔に帰る前にまだやるべきことがある

私はある人物を探しに行く

スカーレット学園の敷地内にある森の中にその人はいた

「わ!!!」

「ぎゃあ!!!」

「アハハ!!護衛騎士のくせに隙ありすぎだよー?」

「いきなり驚かすな!マナ!!」

「久しぶりだね。スザク様。」

「お前こそ護衛騎士相手にこんなことをしたら危ないぞ!?相手によっては反撃されるぞ!!何か要件があるなら普通に伝えろ!」

「ちょっと王様にお話がありまして。風魔法で王城まで一っ飛びお願いできますか?」


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