表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/280

第64話 演説

「学園集会は本日の六限目になります。」

「まさか今日やるつもり?」

「もちろん。」

「スピーチの文章考えたりする時間ぐらいさせてくださいよ!」

「そんなに畏まったものではないですから。気負わないでやって頂ければ。」

「いやいやいや。全校生徒の前で話すんですよね!?」

「聖女様は聖女パレードで立派に演説されていたじゃないですか。」

「私は聖女ではない!!クロネコガールだ!!」

「あ…そうでしたね。すみません。経験値は高いと思いますので大丈夫かと。」

「いじめ撲滅とかいうテーマさえなければなんとかなりそうだけどテーマ重すぎるよ…。」

「そんなぁ。クロネコガールさんはスカーレット学園の正義のヒーローだと思ってたのに…。」

「いかにも!私がスカーレット学園を先導するスーパーヒーローさ!!」

「かっこいいですぅ!!さすがですぅ!!」

「スリー生徒会長はもはや確信犯でマナを操ってますよね…。」

マリオは私達のいじめ撲滅作戦に不安しかないようだ


そして六限目が始まり全校生徒が体育館に集まる

「皆さん。本日は特別ゲストの方にお越し頂きました。このスカーレット学園を平和に過ごせる為に尽力を尽くしてくれるヒーロー。クロネコガールさんです。」

私は舞台袖から颯爽と登場して全校生徒の前に優雅に立つ

「姿は漆黒!!心は純白!!正義の審判は中立を!!我が名はクロネコガール!!」


せ、聖女様…??

な、なに?クロネコ??

正義の審判って何…??

小声で生徒達がこそこそと話す

混乱している様子だ


「クロネコガールさんは私が他生徒に殴られて蹲っていたところに現れた正義のヒーローなんだ。このスカーレット学園からいじめを撲滅し、貴族社会のしがらみをなくし、全て生徒達が平等に学園生活を楽しめるようにこれから活動してくれることになった。学園を平和に導いてくれるヒーローのクロネコガールさんから一言お願いします。」


私は大きく深呼吸をして全校生徒へ演説を開始する

「全ては繋がっている。

今日頑張ったことが明日へと繋がる。

今日怠けたことが明日へと繋がる。

今日の善行が明日へと繋がる。

今日の悪行が明日へと繋がる。

過去の自分が今の自分へと繋がる。

今の自分が未来の自分へと繋がる。

過去の行動が

現在の行動が

未来の行動が

全ては繋がっている。

この世は理不尽だ。

悪人に天罰が下ることなく幸せに暮らせる。

善人が理不尽を押し付けられて心を押し殺して暮らす。

悪行がバレることはなく

善行が賞賛されることもない。

だが、自分の人生に繋がる。

悪行をした者はいつか悪行がバレるのではないかと怯えて一生罪を背負い生きることになり、自分の悪行を自分の子供も同じことをするのではないかと震えることになるだろう。

善行をした者は堂々と未来を生きることが出来る。自分の子供にも希望を持って子育てが出来るだろう。

自分の悪行が、善行が世間にバレなくとも

自分の悪行と善行は必ず自分の人生に繋がる。

全ては繋がっている。」


シーンと全校生徒が静まり返る


私はクロネコのお面があるが、にっこりと笑顔で明るく今度は言う

「まぁ色々とお話しましたが!自分のやりたいことを学生時代はたくさんやればいいんじゃないですかね!!ちなみに私は週に一回、バーバランド・ガードンというこの国の王様に報告する義務があるんだけど。その時にね。色々と話しちゃうんだよ。このスカーレット学園の良いところも悪いところも全て。誰が素晴らしい人間か。誰が危ない人間なのかをね。」


既に静まり返った空間が更に空気が冷え切っていく

生徒達は王様に全てを報告すると宣言されて肝が冷えていく


「私はこのスカーレット学園が平和になるようにいつでもどこでも見ています。以上です!!!」


私の演説の後は静まり返り地獄のような空間になる


「素晴らしい演説をありがとうございました!クロネコガールさんのお陰でこのスカーレット学園が平和で過ごせるようになり、みんな喜んでいることでしょう!!」

生徒会長のガーネット・スリーが終わりの挨拶をして全校集会は解散になった。

私もいじめ撲滅の演説を一応頑張りましたが、結局みんなが弱いのは権力だからね。この世界は特に貴族社会だし。

王様の名前出して脅しておくのが一番効くだろう。










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ