第63話 生徒会室
私は生徒会長のガーネット・スリーのお腹を白魔法で治癒をした
二限目がもう始まるので、今日のお昼休みに生徒会室に来て欲しいと言われて了承した
二限目から四限目までは授業を受け、昼休みになる
「マナ。今日もお昼ご飯一緒に食べよう。」
「すみません!!私、予定があるので!!ごめんなさーーーい!!」
私はそう叫んで教室の二階の窓から飛び降りる
「マ、マナ!?」
驚いてクリス様は私を掴もうとしたが、私はするっと落ちて捕まらなかった
二階から落ちた衝撃で足が痺れたが、白魔法で治癒して全速力で走る
風魔法なら簡単に逃げられるのになぁ
私は走って生徒会室へと向かう
生徒会室に着き、クロネコのお面を付けてノックをして入る
「失礼します。」
「…お前何してるんだ?」
「お、お兄様!?なんでここに!?」
アーネルド、マリオが生徒会室にいた
「俺は副生徒会長だからだよ。お前だよ。何しに来たんだ?ふざけた猫のお面被って。」
「姿は漆黒!!心は純白!!正義の審判は中立を!!我が名はクロネコガール!!」
私はポーズと登場セリフを決める
「アッ。」
マリオはあっさりと私のお面を取ってしまった
「マナ。何をしているんだ?」
「か、返してください!!私はクロネコガールとして生徒会長に呼ばれたんです!!正体がバレたら大変!!」
「黒髪はお前しかいないから誰が見てもマナだけど。」
「そんなこと言わないでくださいよ!正体不明の方がかっこいいでしょう!?」
「そんな理由でお面をつけているのか…。」
「いいでしょう!?返してください!!」
私はマリオにお面を返してもらい、すぐに付ける
「お前何やってんだ?」
「私にもよくわからない。」
「なんで呼ばれたんだ?」
「いじめ撲滅の助っ人としてらしい。」
「は?いじめ!?お前が誰かを助けたのか?」
「生徒会長が殴られてたから…。」
「どうやって助けたんだ?」
「殴って脅してわからせました。」
「…スカウトされるような内容の救い方ではないけどな。」
「たしかに。」
「お前すぐに手を出す癖やめろよ。お前が殴られるぞ?」
「今は白魔法ですぐ治療できるから大丈夫。」
「お前の無茶苦茶な行動に拍車がかかりそうで俺はこわいよ…。」
ガチャと生徒会長のスリー様が入ってきた
「クロネコガールさん!!生徒会室に来て頂きありがとうございます!」
「苦しゅうない。学園のピンチに駆けつけるのが私だ。」
「先程は助けて頂きありがとうございました!本当にかっこよかったです!」
「ハハハッ。私にとっては朝飯前の仕事だよ。」
「それで…お願いがあるんですけれど…。」
「なんだ?」
「全校集会でいじめ撲滅のスピーチをして頂きたいのです。」
「え…それは…ちょっと…。」
「だ、ダメですか?」
上目遣いでお願いされる
あざとい
逆らえない
守ってあげたくなる
「私に任せなさい!!」
「本当ですか!ありがとうございます!!」
「…不安しかない。」
マリオが言う
「あ!そういえば!マリオ様!聖杯持っているんでしょう?明日持ってきてください!私アルテミスに確認したいことがあって。」
「わかった。いいよ。」
「ありがとうございます!よろしくお願いしますね!ちなみにクリス様が嫌いな人ってどんな人がわかりますか?」
「クリス様は努力しなかったり、無能な人間は嫌いだよ。」
「え。私めっちゃ当てはまるじゃん!ラッキー!」
「何がラッキーだ。あんなに溺愛されてるんだ。早く恋人になってやれよ。」
「クリス様ルートに入るということは私は将来王妃になるってことですよ?私に国の運命背負わせること出来るんですか?」
「お前はアーネルド家に教育されてたんだ。王妃でも大丈夫だろう。」
「まさかの肯定的意見!!」
「なんで逃げるんだ?」
「だってクリス様愛してるとか大好きとかずっと言ってくるんだもん。」
「いいじゃないか。気持ちに答えてやれよ。」
「だって私クリス様のこと何も知らないし。」
「じゃあ逃げないで話をしろ。」
「あんなに好き好き言ってる相手にまともに話せないよ。」
「どうして?」
「…照れるじゃん。」
「フッ。お前も誑かされて振り回されるようになったんだな。少しは俺の気持ちをわかればいいよ。バーカ。」
「…本気で悩んでるのに。」
「いいじゃないか。恋愛して学園生活楽しんでこいよ。」
「他人事だと思って…」
「他人事だからな。モブは大人しく応援しているよ。」