表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/280

第46話 特別な女の子

神?

契約違反?

…入れ替わり?

目の前で起きている現象は本当に現実なのか?

自称神に魔法で黙らされて何もすることが出来ない

マリアは神様に光を当てられて神々しく光る


「やぁ。おかえり。本当のモブ令嬢。やはり君にヒロインは荷が重かったでしょう。」

マリアは急に神に殴りかかる

私と同じようにマリアの拳は神をすり抜けた

「神様のせいでヒロインの家庭は崩壊しましたよ。お陰様で苦労の多い人生でした。」

「アハハ!ごめんね!初めて世界を作った新人の神様なんだ。」

「もういい。消えて。顔も見たくない。」

「ひどいなぁ。私はクリスに今の状態を説明する義務があるからね。もう少し待ってくれるかな?」

「…クリス様がマリアを抱き抱えて廊下を歩いてる姿を見て、もうこれは入れ替わるなって察して私は自室に帰っておいたけど…。まさかクリス様がマリアを自室に連れ込んでるなんてね。ケダモノ。」

「…お前は誰だ?本物のマリアは?本当に入れ替わりなんてことが…。」

「この子が本物のマリアだよ。前のマリアは元の姿に戻った。」

「何故入れ替わりなんて…。」

「あの子が望んだから。“普通の幸せ”をね。」

「マリアの本来の姿は普通の幸せは手に入らないのか?」

「そうだね。彼女は特別な女の子だ。女の子が羨む全ての能力を持っている。」

「…俺がマリアを好きになったことが契約違反か?」

「凄い!察しがいいね!」

「状況からみてそうとしか考えられないからね…。俺がマリアを好きになったから“普通の生活”ではいられなくなった。だから契約違反というわけだな。」

「まぁそうだね。」

「マリアは誰と入れ替わった?」

「それはクリスが探してあげてよ。きっとすぐに見つけられるよ。モブだったマリアを好きになった君ならね。私はね、恋愛が好きなんだ。でもあの子は恋が嫌い。あの子は恋されることで人を狂わせてきたことを恐ろしく感じてる。恋は尊くて素晴らしいものなんだよってあの子に教えてあげてほしい。ヒロインはやっぱり好きな人と結ばれるハッピーエンドがいいでしょう?」

「俺は恋人になる運命なのか?」

「それはわからない。あの子が恋に堕ちた相手とハッピーエンドになって欲しい。この世界はその為に作られたんだ。」

「誰かは決まっていない?」

「そう。あの子が選ぶ。」

「…そうか。じゃあ誰にも渡さないように早く見つけないとな。」

「期待してるよ。そろそろ時間だ。あの子を堕とすのはとても難しいけれど頑張って。」

そう言って自称神は消えた。


「お前は知っているんだろう?入れ替わり本人だからな。誰と入れ替わりをした?」

「言うわけないじゃない。すぐに部屋に連れ込むクズ野郎に。私の大事な人を取られたくないからね。」

「…。」

「権力振りかざして言うこと聞かせるつもりだったの?本当に最低。」

「そんなつもりはない!ただ…誰にも渡したくなくて気づいたらここに連れてきていて…。」

「普通なら自室に女の子連れ込んだら一発で退学処分よ。お前が王子だから許されるだけ。本当に無意識にここに来た?自分の欲望が抑えきれなくて連れ込んだだけのくせに。このケダモノが。」

「…。」

「私の大事なあの子をお前にだけは渡したくない。帰る。」

そう言って部屋から出て行った。

俺はさっきまで可愛く大好きだったはずのマリアが中身が違うだけでこうも嫌いになれるものなんだなと感じていた。

本当に入れ替わったんだと確信できるほどに。


その後、魔王がたった一人の聖女に退治されて世界が平和になった

この話を聞いただけで察することが出来た

普通ではない

特別な女の子

聖女エラート・マナ

数日後、俺は聖女を称えるパレードで彼女の姿を見た

誰よりも輝くその笑顔

無邪気さ

明るさ

可愛らしさ

間違いなく俺が愛した女の子だ

俺だけの特別な女の子

絶対誰にも渡さない




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ