表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/281

第44話 マオ

目を覚ますと天蓋付きのキングサイズのベッドに寝ていた

どうやら王城のベッドらしい

ベッドの隣に元魔王の男の子が座って眠っていて安堵する

スザク様は私の言う通りこの子を保護してくれたようだ

…友達を殺した相手なのに

優しい人だな

護衛騎士は向いてないかもね

私達はスザク様の優しさに助けられたけど

「いたたた…。」

私の体はまだ両腕の火傷状態は治っていなかったが、包帯で手当をされていた

体も全く動かせない状態からは少し動かせるようになっていた

魔力も少し回復している

「マナ?」

「おはよう。魔王くん。」

「マナ!!よかった…。二日間眠っていて、目を覚まさなかったから…。死んじゃったらどうしようって…。」

「貴方に人殺しはさせないって約束したでしょう?」

「うん…。ありがとう…。」

「私達まだ自己紹介もしてなかったね。私はエラート・マナ。魔王くん名前は?」

「え…ないよ…。僕は生まれた時からずっと一人だ。名付けるような親なんかいないよ。」

「じゃあ私が名付けてあげよう。“マオ”くんはどう?」

「マオ。」

「そう。私がマナで貴方がマオ。二人で運命共同体みたいでいいと思わない?元魔王でもあるし。」

「うん。とても素敵だ。」

「気に入ってくれてよかった!マオは今日から私の弟ね。」

「え。」

「何よ。嫌そうな顔して。二人で生きていくんだから家族になるのは当たり前でしょう?」

「恋人になるのかと…。」

「こんな十歳ぐらいの子供に手を出すわけないでしょうが。」

「僕は手を出されても構わないけれど。」

「やめなさい!そんな破廉恥なことどこで覚えたの!」

「僕は魔王の時はこの世界のことは全て見えていたし、聞こえていたからね。遠くにいても世界の裏側の情報だって知ることが出来たんだ。」

「子供のくせに達観してるのはそのせいか…。」

「ちなみに僕は生まれて二年だから実年齢は二歳だよ。」

「赤ちゃんじゃん。」

「見た目は十歳程だけどね。」

「じゃあ私のことはママと呼んでもいいわよ。」

「嫌だよ。マナって呼ぶよ。…今は弟で構わない。」

「フフッ。じゃあこれからマオに家族愛を教えてあげないとね。」

「マナがちゃんと愛してくれないと僕はまた魔王になっちゃうからね。」

「え!?そうなの!?」

「嘘だけど。」

「心臓に悪い嘘はやめてよ…。」

「二人で一緒に生きていくって約束だからね。僕を置いていくとどうなっても知らないよ?」

「こっちのセリフだから。嫌だって泣いたって粘着してやるからね。」

「僕を捨てたら楽しく生きられるのに?」

「フフフッ。こんな可愛い男の子見捨てるなんて出来るわけないじゃーん!それに…楽に生きたくて人生生きてるんじゃないよ。楽に生きたかったら魔王退治なんかするわけないじゃん。私とマオは運命共同体。茨の道でもマオとなら楽しいと思ったから助けた。マオだってそうでしょう?私と一緒に生きたいと思ってくれたから手を取ってくれたんじゃないの?」

「マナの期待に応えられるような面白い人間じゃないかもしれないけれど…。」

「考えすぎ!家族愛ってものは無償の愛だから!理屈はなく愛するものだから。」

「そっか…。じゃあ理屈なく僕もマナを愛するよ。」

「うんうん。肝に命じておけ。今から私は王様と戦うことになるけれど、愛をもって見守ると誓いなさい!」

「えぇ…。」

「失敗しても無償の愛で許すと誓いなさい!!」

「失敗するフラグたってるじゃん…。」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ