第326話 魔族と人類の共存計画
お昼休み、生徒会の引き継ぎの為に私は生徒会室に来ていた
「マナ先輩が生徒会を引退したら寂しくなっちゃうなぁ。」
とフェイ君が言う
「私もこんなに可愛い後輩に会えなくなるなんて寂しい〜。」
「何言ってるんですか!マナ先輩は卒業したらキッカ国に留学するんでしょう?僕のことなんかほったらかしじゃないか!!」
「人を薄情者みたいに言わないでよ。私だって会えなくなるのは寂しいと思っているわ。」
「…わかっていますよ。そんなこと。でもやっぱり文句言いたくなるじゃないですか。」
「フフッ。フェイ君は可愛いなぁ!」
「知ってます!」
「アハハ!そうだ!次期生徒会副会長のフェイ君に生徒会の重大な秘密を教えてあげよう!」
「なんですか?」
「じゃーん!クロネコガールの仮面です!」
「あぁ…マナ先輩がいじめ撲滅の為に活動していたお面ですよね。」
「何故正体を知っている!?」
「学園中の人が知っていますよ。」
「2代目クロネコガールをフェイ君に伝授しよう!」
「え…絶対に嫌ですけど…」
「えぇ!!なんで!?断られるなんて思っていなかった!」
「寧ろなんで断られないと思ったの…?」
「だって誰もが憧れるヒーローだと思ってたから…」
「うーん…ダークヒーローでしたよね…?」
「な…なんで!?クロネコガールの活躍は数々の弱者を救済してきたはずなのに!?」
「加害者は元の人格が変貌する洗脳を受けていたようですからね…」
「真人間に更生したならハッピーエンドですよね!?」
「いや…こわいですよ。牢屋に入れられた方がマシですよ…あれなんで人格変わっちゃったんですか?」
「私は捕まえただけで、加害者の更生はスリー様に任せてたから私もよく知らないんだよね…スリー様のことだから大丈夫だと思うんだけど…」
「スリー様って恐ろしい人だったんですね…」
「そんなことないよ?凄く優しい人だよ。」
「マナ先輩にだけじゃないですか…?マナ先輩以外の人間には優しくないと思いますよ。」
「そうかなぁ?そうかも?」
「そんな恐ろしい人と一緒にいじめ撲滅の活動はやりたくないですね。」
「そんなぁ!スカーレット学園のいじめ問題はどうなるの!?」
「クロネコガールにはなれませんが、私なりにいじめ撲滅の活動は続けますよ。僕はマナ先輩に救われましたから。僕も弱者に寄り添えるような存在になりたいです。」
「なんて立派に成長したの…!!私感動して泣いちゃうよ!!」
「やめてよ。恥ずかしい。」
「来年度の生徒会もフェイ君がいれば安泰だね。」
「そうかな…僕はコミュニケーションを取ることがいまだにまだ苦手だから、新しく生徒会に入ったメンバーと仲良くなれるか心配だよ。」
「フェイ君は可愛いから大丈夫♡」
「可愛くても生徒会の運営には全くないですよ。」
「ありまくるよ!フェイ君の可愛さで生徒会を癒してあげることで生徒会のメンバーは活気よくなるんです!」
「そんなことで活気よくなるかな?」
「私はなったわ!!」
「マナ先輩〜!!」
「可愛い〜♡好き〜♡」
私がフェイをぎゅーーっと抱きしめるとクリスがべりっと私達を引き剥がした
「浮気するな。」
とクリスが言う
「浮気じゃありませーん。可愛い後輩とのスキンシップです!」
「好きだと言って抱きしめることはどう考えても浮気だ。」
「クリス様は心狭いなぁ。僕達のスキンシップなんて寧ろ百合なのにさぁ。」
「百合…??」
「多様性ですよ!クリス様!!」
「調子にのるなフェイ。フェイが俺の従兄弟じゃなければ不敬罪で牢屋に入れていたぞ。」
「こわいー。ねぇマナ先輩。こんな暴君のどこが好きなんですか?」
「フェイ君だって好きだったくせに…」
「そうでしたっけ?そんな遠い昔の話は忘れちゃいました!」
「ルークと順調そうでよかったわ。」
「えへへ…めちゃくちゃ幸せでーす♡」
「ルークは相変わらず外見至上主義なの?」
「そうですね。僕が1番可愛いって言ってくれます♡」
「フェイ君はさ。ずっと永遠に可愛くありたいと思う?」
「もちろんです!ずっとずっっっと可愛い僕でいたいです!!」
「不老とか興味ある?」
「うぇ…!マナ先輩!!ついに禁術に手を出したんですか!?いくらなんでも犯罪ですよ!!」
「違うわよ!!バカ!!不老になって寿命が300年ほどに伸びる生命体になることが出来るんだけど…」
「なんですかそれ…?不老には興味ありますが、僕だけ300年生きても意味ないですよ。」
「ルークも不老になって300年生きられるとしたら興味ある?」
「え…ほ…本当ですか?」
「うん。」
「そりゃあ…ずっと可愛いままでいて好きな人と長い間一緒に過ごすことが出来るなんて夢のような話ですけど…」
「うんうん!フェイ君ならそう言ってくれると思ってた!!」
「そんなこと出来るんですか?本当に?」
「あの…魔王って存在になるんだけど…」
「ちょっと!!なんで僕が悪の親玉にならなくちゃいけないんですかぁ!?人類の敵になんてなりたくないですよ!!」
「フェイ君が魔王になれば人類と魔族との共存を目指せると思うの!!」
「だ…大丈夫なんですか?魔王になったら心まで悪に染まったりしないんですか…?」
「ないない!大丈夫だから!!不老になって長寿になるだけよ!魔族として人間と仲良くしてくれたらそれだけいいんだから!!」
「僕に出来ますかね…」
「出来るよ!フェイ君なら!!」
「まぁ?ちょっと前向きに考えてあげてもいいですよ?」
「本当!!魔王になった後は全力でサポートするから!!前向きにお願いね!!」
「サポートって何するんですか?」
「魔王になったらくしゃみしただけで数十人吹き飛ばして殺しちゃうから…」
「怖すぎるよ!!何それ!!」
「魔王の力のコントロールが出来るようになったら人類の希望になれるから!一緒に頑張ろう!!」
「リスク高すぎますよ!!やっぱり嫌です!!」
「そう言わずに!どうか前向きにお願いします!!」
「やだ…僕には荷が重いよ…」
「じゃあ私が魔王になろうか?」
と話に入ってきたのはマリアちゃんだった
「マリアちゃんが?」
「うん。マナちゃんが望む未来を作れるなら私は魔王にだってなってあげるよ。」
「いや…私はフェイ君が適任だと思うから…」
「でもフェイ君は嫌がってるよ?無理やりやって出来ることじゃないわ。覚悟がないと魔王になんてなれないわよ。」
「それは…そうだけど…」
「私ならマナちゃんの為に魔王になってあげる。魔族と人類の架け橋の役目も全うするわ。」
「…いや。やっぱりフェイ君にお願いしたい。」
「どうして?私にだって出来るわ。」
「ううん。マリアちゃんは不安要素があるから頼めない。」
「何?私はマナちゃんの為になんでもやるのに?何がダメなの?」
「…マリアちゃんはこの世界を恨んでるから頼めない。」
「…。」
「…ごめんね。」
「私はこの世界が嫌いでも、マナちゃんは好きよ。」
「私が死んだ後の方が人生長くなるのよ?」
「マナちゃんが一緒に魔族になってよ。」
「…え。」
「ルークを魔族にする方法があるなら、マナちゃんが魔族になることも出来るんでしょう?クリスと別れた後は私とずっと一緒に過ごしましょう。」
「…。」
「私はマナちゃんの親友だもの。300年ずっとずっと仲良く幸せに過ごすことが出来るわ。」
「僕が魔王になるよ。」
とフェイが言う
「…何?急に。やりたくないって言ってたじゃない。」
とマリアちゃんが言う
「マナ先輩が僕が適任と言うなら信じる。愛する人と300年過ごすことが出来るのはメリットがデカすぎるからね。」
「フェイ君がよくてもルークはなんて言うかしら。フェイ君が魔王になって種族が変わっても変わらず愛してくれるかしら?」
「愛してくれるよ。僕が可愛くあり続ける限り、ルークは僕のものだ。」
「…。」
「ルークは魔族になりたくないかもしれないわよ。」
「ルークは種族なんか関係なく、僕と共に生きてくれる選択をしてくれるよ。」
「…そう。素晴らしい愛ね。」
「ありがとうございます。マリア先輩。」
少しピリピリした空気が漂っているけれど
フェイ君は魔王になることを前向きに考えてくれるようだ
マリアちゃんのことで困っていたところをフェイ君が助けてくれた
本当に頼もしい後輩に成長したな




