第318話 秘密
文化祭も無事に終わり、次はハロウィンパーティーが始まる
学年1位が生徒会長になるなんて伝統は廃れて欲しい
2学期はイベント続きで生徒会は怒涛の忙しさだ
俺達は最後のハロウィンパーティを開催するのだが
俺はずっと気になっていることがある
「マナ。今年のハロウィンパーティの衣装は何にするか決めた?」
生徒会室は今日はたまたま2人きりになったので俺はマナに聞いた
「まだ決めてないよー。」
「まだ決めてない?毎年クオリティの高い衣装を用意しているのに?1ヶ月前から注文しないと間に合わないと思うけど。」
「注文はもうしているよ。」
「注文してるのに何故衣装を知らないんだ?」
「私のファンにお願いしてるだけだから。出来上がりを待つだけなの。」
「マナのファンに?誰なんだ?毎年そいつにオーダーをしているのか!?」
「そうだよ。誰かは個人情報だから秘密ね。」
「絶対ろくなやつじゃねぇよ!今すぐに縁を切れ!!」
「どうして?毎年クオリティ高い衣装を用意してくれているわよ。」
「1年目のティンカーベルの衣装は露出が激しすぎたぞ!」
「2年目の怪盗の衣装はかっこよかったじゃない。」
「だいたいファに任せてるってなんだよ!下心しかないじゃないか!!マナに破廉恥な衣装を着せて喜ぶ変態だぞ!!」
「服飾の仕事に誇りを持っている信頼できる人だから大丈夫よ。」
「男か女かだけでも教えてくれないのか?」
「性別で人を判断するの?やめた方がいいわよ。」
「俺はマナの恋人だ。恋人が変態に手篭めにされている可能性があるなら知る権利はあるだろう?」
「…心配いらないわ。」
マナは人を欺いたりすることはしない
そう…滅多には
自分の為に人に嘘をついたり、騙したりすることはしなくても
他人の為には平気でしたりする
罪を被ったり許したり
マナは平気でそういうことをする
そして…今もそう
誰かを庇っている
これ以上は聞くなと圧をかけるようにマナは話す
マナがそんなことをするのは誰かを守ったり庇ったりする時だけだ
相手はバレるとまずい相手なのだろう
そんな危ない相手と関係を持っているのは見過ごせない
「何故秘密にする?何故庇う?相手が危ない相手だからじゃないのか?今回で関係を切った方がいい。」
「私の服を用意する契約をしているの。関係は切れないわ。」
「誰と契約したんだ?」
「それは言えない契約なの。」
「そんな契約おかしいだろう?バレるとまずいと言っているようなものじゃないか。」
「そんなやましい関係じゃないわ。ただ私の衣装を用意してくれている私のファンよ。」
「それならなおさら誰か言えるはずじゃないか?衣装を用意しているだけなら何も問題ないはずだろう?」
「…。」
「マナ。」
マナの瞳が揺れている
俺は知っている
マナは俺に見つめられると弱いことを
まっすぐ目を見て訴えると
マナは俺の推しに弱くて折れやすい
「はぁ…誰にも言わないでよね。」
「言わない。」
「イシュタル先生…」
「はぁ!?イシュタル先生!?あの変態教師め…」
俺は生徒会室を出て職員室へと行こうとすると
「ちょっと!どこ行くの!?」
とマナが俺の腕を掴み止める
「マナに変な衣装を着せるなと直談判するんだよ。」
「えぇ…じゃあ私も行くよ…」
俺達は職員室へと向かい、イシュタル先生を呼び出した
他の人が来ない空き教室で俺達は話し合う
「えっと…2人で何の用かな?」
とイシュタル先生が言う
「お前がマナのハロウィンパーティの衣装を用意していると聞いた。」
「えぇ…言っちゃったんですか?マナさん。」
「ごめん…押し切られてちゃった…」
「マナに口止めするなんて悪い教師だな。今すぐにマナと縁を切れ。」
「マナさんに私の作った衣装を着せることが私の生き甲斐なのに!」
「黙れ。変態教師。お前が1年目の時にマナにエロい衣装を着せてダンスパーティをしたこと俺は一生恨んでいるぞ。」
「あれは1回目だったから!最大限までにマナさんの魅力を引き出そうとした時にエロさは外せなかったんだ!!」
「黙れ!!変態教師!!もう二度とマナに近づくな!!」
「待ってくれ!今年の衣装を見てから決めてくれ!」
「お前のような変態が作った衣装なんてマナに着せられない!俺が特注で専属デザイナーから注文する!」
「これを見ろ!」
イシュタルがロッカーから取り出した衣装を見て驚愕した
「こ…これは!!」
「ハムスターの着ぐるみ衣装だ!いいだろう?最高だろう?これを着ているマナさんを見たいと思わないか?」
「くっ…!!」
「今回はエロさは一切入れずに、可愛らしさを全面に押し出す衣装を用意したのだよ!パーカーについているハム耳におしりはキュートにプリっと綿を詰めて可愛さを表現しているんだ!!可愛いだろう?」
「可愛い…」
「そうだろう!?この衣装を着たマナさんを見たくないのか!?」
「み…見たい!!」
「よかったよ!今回の衣装はクリス君の癖に突き刺さる衣装だったようだね!今後もご贔屓にしてくれよ!マナさんに着せたい衣装は私が作成するから!クリス君からのオーダーをお待ちしているよ!」
「この衣装の猫やうさぎバージョンも欲しい…」
「お安いご用さ!!」
くそっ…あまりの可愛い衣装に陥落してしまった
相手が教師だからマナは黙っていたのだろう
他にやましいこともなさそうだし
今後は俺好みの服をマナに着せてもらうために働いてもらおう




