表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
317/320

第317話 最後の文化祭

マナの望むことならば何でも叶えてあげたい

俺はマナの恋人であり、マナにとって1番頼れる男でありたい

マナの瞳に1番かっこよく映るのは俺でありたい

マナの全てを独占したい

マナの1番で常にありたい

マナの世界を俺でいっぱいにしたい

他の人を考える余裕がないほど

俺だけを見てくれたらいいのに


文化祭をマナと一緒に回ることになった

2人きりのデートのように文化祭を回ることを楽しみにしていたのに…

「お笑いライブに行きたい!!」

とマナが言う

お笑いライブはマナを殺そうとした恋敵のマオがステージに立って出るものだ

マオとマナを近づかせたくない

「マオがいるんだぞ?マナを殺そうとしたやつだぞ?わかっているのか?」

「行くに決まってるじゃん!マオは大事な弟だもん!」

マナが底なしのお人好しな所は一生治らないだろうなと半ば諦めている

自分を殺そうとした相手なんて普通は顔を見たくないだろうに…

自分の周りの人間が傷つけられたら大暴れするほど怒るくせに

自分にされたことは許してしまうんだから

こっちの身がもたないよ

マナが許しても俺は一生マオを許すつもりはないけどね

俺達は体育館のステージで始まるお笑いライブを見に行った

俺達は目立つので端っこの隅の方で立ち見で見ることになった

幕が上がり、お笑いライブが始まった

同じクラスのグルーとリバーとマオの3人でお笑いライブを行っていた

…正直クオリティはかなり高かった

ネタの完成度も高く、コントの演技もよかった

「アハハハハハハハハハハ!!」

マナは涙を流し、大声で笑っていた

全身の血の気が引いていき

心臓が破裂しそうになるほど痛い

嫉妬で狂ってしまいそうだ

マナがこんなに楽しそうに笑う姿を初めてみた

笑うマナが大好きなはずなのに

マナを笑わせているのは俺ではなく

恋敵であるマオだなんて

いつだったかマナが“私を笑わせてみろ”と俺とマオに言っていたときは何も出来ずに呆然と立っていただけのマオが

今ではマナをこんなにも笑顔にすることが出来るようになっているなんて

悔しい

俺には全然笑ってくれないのに

心の底から楽しそうに笑うマナは貴重なのに

俺じゃなくて

マオが笑わせていることが

嫉妬で頭がおかしくなりそうだ

お笑いライブが終わり、幕が降りるとマナは涙を流して泣き崩れた

「マナ…大丈夫?」

俺はハンカチを出してマナの涙を拭き、抱きしめる

「よかった…マオが幸せそうでよかった…」

小さく震えながらマナは言う

あぁ…もう頭がおかしくなりそう

マナに大事に思われているマオが憎くて仕方ない


マナが落ち着いたところで俺達は次の場所へと移動した

次はレックスのアイドルステージだという

今回のアイドルステージはマナは一切関わりがないらしい

レックスは俺達の為に席を設けてくれていて

今回は最前列で俺達はレックスのステージを見届ける

レックスはステージへと上がり、パフォーマンスが始まる

会場が地響きのように揺れて興奮していた

目の前のレックスに誰もが夢中になっている

「レックスー!!世界一かっこいいよー!」

とマナが声援を送っていた

…は?

かっこいいなんて俺も言われたことないのに

しかも世界一かっこいいって…俺は?

マナの瞳には俺よりもレックスの方がかっこよく映っているってこと?

俺は憎しみを込めてレックスを見る

レックスは確かにかっこよかった

ダンスもかっこいいし

歌声もかっこいいいし

笑顔もかっこよかった

むかつく

むかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつく!!!

俺よりもかっこいいと認めたくないのに!!

目の前にいるレックスは世界一かっこいい男だった

レックスのアイドルステージも終わり

嫉妬で文化祭を燃やしてしまいそうになる衝動をなんとか抑えながらマナの隣を歩く

「次はどこに行くの?」

「次はオーケストラ部のステージだよ。」

「マナも出るんだろう?」

「うん。」

ゆっくりと優しくマナは微笑みながら言う

「マオも…レックスも…私がいなくてもみんな立派に成長して幸せになっていた。私もうじうじ悩んでないで前に進みたい。かっこ悪いところは見せられない。だから…見ててね。私、頑張ってくる。」

そう言い残してマナはステージへと準備に行った

マナは俺用に席を用意してくれていてそこへと座る

オーケストラ部の演奏が始まり、オーケストラ部の部員達が演奏をする

ニックはリードヴァイオリンとしてオーケストラを引っ張り演奏していた

そして最後にマナが出てくる

オーケストラと一緒にピアノ協奏曲を弾く

ラフマニノフピアノ協奏曲第二番

文化祭の観客全てを魅了する音色だった

毎年ここでマナのピアノは聴いているが…

今年は集大成の名に相応しい圧巻の演奏だった

演奏が終わり、鳴り響く拍手とアンコール

アンコールの曲は全く知らない曲だったが

この世界にはない常識外れのかっこいい曲調だった

おそらく…マナの前世の世界の曲だろう

ピアノだけではなく、オーケストラも一緒に演奏するなんて…

衝撃的だった

このオーケストラ部は代々語り継がれるであろう伝説のステージになる

アンコールも終わりステージは終わった

マナもニックも凄かったな…

俺は…この3年間何をしていたんだろうか

マオもレックスもニックもマナもこの3年間で大きく成長しているのに

俺は?

マナに胸を張って見せれるようなものなんてない


オーケストラ部のステージ後にはミスコンが開催されて圧倒的票数を獲得してマナが優勝していた

3年連続ミスコン優勝はスカーレット学園が設立して初めての快挙のようだ

ミスコンの赤いマントを羽織り、トロフィーを掲げてマナは笑顔で声援に答えていた

後夜祭になり、1番大切な人とダンスを踊る時間になった

「踊ってくれますか?」

俺はマナに手を差し伸べてダンス誘いをする

マナは満面の笑みで

「はい。喜んで。」

と俺の手を取り、ダンスを始めた

「俺って何もないなって。」

「え?どういうこと?」

「マナを笑わせることも、夢中にさせることも…出来ないし…俺は3年間何してたんだろうな…」

「勉強してたんじゃないの?3年間ずっと学年1位じゃない。」

「それはそうだけど…俺もマナのことを夢中にさせたて笑わせたり、かっこよく見られたりしたいと思って…」

「確かにクリスはユーモアが足りないし、かっこいい振る舞いを得意としているわけじゃないけどさ。」

「う…うん。」

「クリスのこと世界で1番愛してるよ。」

「嬉しいけど…なんで?俺のどこが好きなの?」

「全部。全部好きだよ。」

心が震えるというのはこういうことなのか

その言葉は俺がマナに言っていたお決まりの台詞だった

嬉しい

胸がいっぱいになるってこういうことだったんだ

マナには一緒敵わない

俺は何度でもマナに惚れ直す

「俺も…マナの全部好きだよ。」

満足そうに笑うマナは世界一可愛かった

「でも私マナを笑わせる男は俺でありたいし、マナがかっこいいと思う男は俺だけでありたいよ。今日は嫉妬で気が狂ってしまった。」

「欲張りだなぁ。」

「当たり前だろ?」

「いいじゃん。世界一私に愛されてる男なんだから。」

「足りない。俺がマナの全部1番でありたい。」

「二兎追うものは一兎も得ずって言うじゃない?」

「無理。全部欲しい。マナの全部1番になる。」

「フフッ。バカ。」

こうして俺達の最後の文化祭は終わった

他の男に負けなくない

マナの瞳には俺がずっと映って欲しい

他に何も考えられないぐらい俺に夢中になって欲しい

俺がマナにずっと夢中なように

同じぐらい俺しか見つめられなくなって欲しい






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ