第314話 孤高のアイドル
昼休みになり、生徒会室で生徒会員のみんなで文化祭の準備を行なっていた
「仕事が多すぎますよ…めちゃくちゃな案を申請したり、期限を守らない生徒達が多すぎます!僕が舐められてるからみんな無茶苦茶な要求を押し通そうとするんだ!!うぅ…辛いよぉ…」
とフェイ君が愚痴を言っている
「どんな案を提出されているの?」
「膝枕専門カフェとか、大気圏まで行ける気球とか…」
「たしかに滅茶苦茶だね…」
「そうだろう!?そんな無茶な案が通るわけないのに!どうしてもやりたいからやらせてくれって弾かないんだ!!他にも仕事がたくさんあるのに押し問答が続いて…もう疲れたよ…」
「それでも却下してきたんだよね。凄いじゃない。」
「えへへ。僕は恋をして自己肯定感が爆上がりしたから強くなったんだ!!ノーと言える立派な成人男性さ!!」
「未成年だけどね。でも凄いね。本当に。私が出会った中で1番成長したのはフェイ君だよ。本当に心が強くなった。」
「マナ先輩はそんなに強いのにどうして自己肯定感が低いんですか?」
「どうしてだろうね…私も謎だよ。」
「恋をしたら強くなりませんでしたか?」
「うーん…私はどちらかと言うとダメ人間になっていきそうでこわいかな。」
「え!?どうしてですか!?」
「だってめちゃくちゃ甘やかしてくるんだもん。何もせずに堕落していきそう…」
「この人にもっと愛されたい!とかもっと可愛くなって褒められたい!とかないんですか?」
「毎日、浴びるほど言われてるからな…」
「まぁ僕も言われてますけどぉ!」
「フェイ君が上手いいってるのは複雑な心境にいつもなるわね…」
「マナ先輩が恋のキューピット役なのに何言ってるんですか!」
「幸せなら何よりだけどね。」
「はい!おかげさまで!それはそうと今年もやりたいんですけど!」
「何を?」
「決まってるじゃないですか!アイドルステージですよ!!」
「レックスと2人でやったアイドルステージか。」
「はい!とっても楽しかったし、僕がルークに気に入られたきっかけの思い出のステージだからね!また僕の晴れ姿を見せたいんだよ!!忙しいけどまた頑張りたいんだ!!」
「ダメね。」
「え?どうしてですか?」
「アイドルには暗黙のルールがあるのよ。」
「何ですか?」
「恋人がいる人はアイドルにはなれないのよ。」
「ええええええ!!何故ですか!?」
「人の物になっている人を推せないから。アイドルは人を平等に愛さないといけないのよ。特別な人を愛するアイドルなんて誰も応援してくれませんからね。」
「えええええ!!何ですかその意味不明な理屈は!!恋人がいても応援してくれたらいいじゃないですか!!」
「ダメよ。恋人が出来たらアイドルは卒業なの。」
「えぇ〜残念。じゃあ今年はレックスだけがやるのですか?」
「うーん…どうだろうね。」
レックスは私が振ってからほとんど会話をしたことがない
私からなれなれしく誘ったりも出来ないから
「新アイドルを誕生させるんですか?」
「全然考えてなかった。最後の文化祭だし、アイドルステージやりたいなぁ。」
「わーい!僕も楽しみにしてますね!」
昼休みが終わり、放課後にレックスと学級委員の仕事をしている時に私は聞く
「ねぇ。レックス。今年もアイドルステージやりたい?」
「もちろん。そのつもりだよ。」
「そうなの!じゃあ私が…」
「でも俺が全て準備するつもりだよ。」
「え…」
「去年はマナが俺とフェイ君をプロデュースして曲も服もダンスも決めてくれたけど、今年は全て自分でやってみたいんだ。」
「全部1人では大変だと思うけど…」
「それでも1人でやりたいんだ。」
「私と一緒にいるのが気まずいから?」
「そうじゃないよ。ただ…マナに成長した自分を見せたいから。マナの想像以上凄いパフォーマンスをして驚かせたいんだよ。」
「そっか…少し寂しいけど、レックスが1人で作り上げるアイドルステージも楽しみだわ。」
「最前列の特等席を用意するから。絶対見に来てね。」
「レックスの晴れ姿を見逃すわけないじゃない。絶対に見に行くわよ!」
「覚悟して来るんだな。俺に惚れるかもしれないぞ?」
「フフッ。そうね。心を奪われちゃうかもしれないから覚悟して行くわ。」
レックスが1人でアイドルステージを作ると言い出したのは驚いた
私の手から離れてレックスはどんなアイドルステージを作り上げるのか
楽しみだな




