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第313話 文化祭準備

波乱の修学旅行は終わり、私達はハーバランド国へと帰ってきた

モモフル国の次期国王になるシガーレッド・アレクサンダーもハーバランド国へと帰り、卒業まではスカーレット学園の生徒として過ごすようだ

卒業後にすぐにモモフル国を統治する為、休日はスリー様から王政について学ぶようだ

スカーレット学園にいる間は私の監視を相変わらず続けるようだ

“ストーカー行為なんてもうやめた方がいいんじゃないの?”

と私が言うと

“最後までマナのストーカーとしてやり遂げたいんだ”

と謎のプロ意識で反論されてしまった

私を監視対象ではなくて、普通に友達としてこれからの学園生活を過ごしたかったけれど

シガーレッド・アレクサンダーはそんなことは望んでいないようだ

卒業してから初めて私達は本当の友人になれるのかな

卒業後はなかなか会えないだろうけど…

それでも私達は大事な親友だと私はそう思っている



スカーレット学園に帰り、私達は日常を取り戻した

もうすぐ文化祭が始まるので、私達は文化祭の準備で大忙しになっている

3年生は代々出店をやる

前世の世界では食べ物の出店をやることがスタンダードだったけれど

貴族達にそんなことが出来るわけもなく

この世界の出店は手作りの物を売る

魔法道具を作って出店に出すのが通例だ

魔法道具のデザインから考案して魔法石に魔法を込めて魔法道具を作成する

世代ごとに全く違うものが売られているので中々面白い

私達も今年は魔法道具の作成をする

初めはデザインを考案して業者に頼むのだが、デザインを考えることが難しい…

クラスメイトのみんなは芸術的で綺麗なデザインだったりするのに

私は上手くデザイン出来なくてうさぎのデザインにしてしまった

私だけ小学生がデザインしたようなデザイン画を提出することになり

「フフッ。マナらしくていいんじゃない?」

とローズ様に鼻で笑われてしまった

ローズ様のデザインはコンパスの線で描いた綺麗なデザインだった

「私もローズ様みたいにもっと芸術的なものを思い浮かべられたらよかったのに…」

「子供は好きそうよ。そのうさぎ。」

「裏設定を取り入れて大人の人気も取り入れたらいいんですよ。前世のちいさくてかわいいやつみたいな。」

「パクリじゃない。」

「売れたらいいんです!」

「あの世界観はマナには引き出せないわよ。マナが描いたうさぎは可愛いだけのうさぎよ。」

「私に“可愛いだけ”は禁句ですよ!!」

「事実だから仕方ないじゃない。可愛いだけのマナさん。」

「地雷を全力で踏み抜かないでください!私だって怒りますよ!?」

「えぇ〜?誰にでも優しいマナさんが?こわ〜い!」

「私は誰にでも優しくないですよ。」

「そう?」

「クリスには厳しくしてます。」

「惚気じゃん。」

「違います!!」

「恋人の惚気を話せるようになるなんてマナも大人になったわね。」

「恋人の惚気も未だに話せないローズ様はまだ子供ってことですか?」

「私はマナと違って自分の恋愛をぺらぺらと話す軽薄な女じゃないってことよ。」

「恥ずかしいだけのくせに。」

「うるさい。」

「マリオお兄様とは順調ですか?」

「モモフル国で一緒にデートに行く予定だったのに、どこかの誰かさんが油断したせいでマリオ様がお忙しいからデート出来なかったけど。」

「私は悪くないですよ!?悪いのは私を襲った実行犯ですよ!?」

「全部の魔法を使える全能タイプなのにどうしてそんなヘマをするのかしらね…」

「ハァ〜!?私だって一生懸命頑張ったんですよ!!デート出来なかった腹いせに当たらないでください!!」

「だってすぐに元気になって、最終日にちゃっかりクリスとデートしてたじゃない!!私は出来なかったのに!!」

「まぁまぁ!モモフル国なんて1日で行ける場所なんですから!!今から学校サボって行けばいいんじゃないですか?」

「うぅ…修学旅行楽しみにしてたのにぃ!!もっと進展するかもって期待してたのに!!」

「あの…その…ごめんね?」

「マナの護衛が仕事なのはわかってるけど!!ちょっと…期待してたのに…うぅぅ…まだキスもしてないんだもん!!」

「うーん…じゃあ今日すればいいんじゃないかな?ぶちゅっと。」

「初キスなのに!デリカシーない!!最低!!綺麗な花畑に囲まれて…って思ってたのに!!」

「初キスは私としたじゃん…人のファーストキス奪っておいてなかったことにしないでよ。」

「あんなのノーカウントよ。忘れたわ。」

「えぇ?あんなに鮮烈だったのにぃ。ショックだなぁ。」

「嫌がらせでしただけだもの。ノーカウントよ。」

「恋に堕ちるぐらいかっこいいキスだったのになぁ。ローズ様が迫って唇を奪えばそれだけで世界一刺激的なキスになるのになぁ。場所なんて関係ないですよ。」

「うーん…でも向こうからして欲しいって思うんだけど…」

「絶対無理ですよ。あいつ絶対むっつりですから。マリオお兄様から迫ることを待っていたらお婆ちゃんになっちゃいますよ。」

「がっついて下品に思われないかな?」

「全然!思われないですよ!!さらに虜になること間違いないです!!」

「本当かな…?」

「男はみんなエロい女が好きだと誰かが言ってましたから!!」

「誰に聞いたのよそんな偏見…余計に信用出来なくなってきちゃった…」

「大丈夫!!私を信じて!!」

「…マナはどこでキスした?」

「え!?」

「思い出のキスの場所は?」

「えっと…水龍の上でかな…」

「ほら!やっぱり特別な場所じゃない!!私だって素敵な場所で素敵な雰囲気でキスしたいの!!」

「スカーレット学園にそんな場所あるの?」

「だ・か・ら!!モモフル国で思い出のキスをしたかったの!!このバカ!!」

「えっと…水龍呼んであげようか?」

「キスしたいから来てくれって言うの?」

「まぁ…」

「バカじゃないの?水龍様を何だと思ってんの?舐めてんの?」

「やっぱりダメか…」

「じゃあ貸しということで!私に協力してマリオお兄様と旅行出来るようにしてよ!!」

「私は悪くないのに…」

「なによ!聖女のくせに!恋人の仲を取り持つぐらいしてよね!ケチ!!」

「恋愛関係は拗らせる天才でしたから…」

「使えないわね!」

「わかりましたよ!旅行の手伝いしますから!!」

「ふふーん。わかればいいのよ!じゃあ楽しみにしてるからよろしくね〜♡」

とローズ様は去ってしまった

恋人同士が仲良く旅行に行く場所なんて私が知るわけないのに…



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