表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
309/321

第309話 もう一度

他人を羨んでも仕方ない

今出来ないことを考えても仕方ない

私は考えることは得意じゃないし

人の上に立って指導するような人格性もないけれど

それでも自分の人生を否定するほど堕落していたわけじゃない

まだまだ人として成長してなくても

それでも胸を張って生きていけるように努力だけは続けてきたんだ

諦めずにもう一度自分の人生について考えてみよう

人の顔色を気にして生きるのではなく

自分の意思で人生の幸せについて考えてみよう

何も選んでも後悔するかもしれないけれど

それでも自分で決めることにきっと意味があるのだから


シガーレッド・アレクサンダーは傍観者であり、新聞部として公平性を大事にしていたのに

元気がない私の為に喝を入れてくれるなんて驚いた

シガーレッド・アレクサンダーのおかげで吹っ切れることが出来た

「ピアノが弾きたいです。」

とクリスに私は言う

「ここはマナを殺そうとした敵国だよ。ピアノを弾くなんて危険だ。」

「だってもう私を殺そうとした敵は全員捕えたのでしょう?なら大丈夫だよ。」

「捕えたのは国の中枢と魔女アーリアの一派だけだ。他にもマナを狙う刺客がたくさんいるに違いない。」

「ごめんね。クリス。今どうしても弾きたいんだ。」

「…何故?」

「もう一度前を向いて動けるように必要だから。」

クリスはしぶじぶピアノを弾ける場所を探してくれて私達はそこへと移動した

森の中にある舞台で雰囲気がとても良く綺麗で美しい場所だった

私は舞台に上がりピアノを触る

ポーンと音を響かせた

調律が綺麗に整えられており大事にされているピアノだとわかる

「この森のように美しい音色を出すんだね。」

私はピアノの椅子に座り大きく深呼吸をする

森の空気はとても澄んでいて心が洗われた

なんとなく弾き語りをしたい気分だったので

私はピアノを弾きながら歌う

「小さいころは神様がいて」

「不思議に夢をかなえてくれた」

「やさしい気持ちで目覚めた朝は」

「大人になっても奇跡はおこるよ」

「カーテンを開いて静かな木漏れ陽の」

「やさしさに包まれたならきっと」

「目に映る全てのことはメッセージ」

私は弾き語りを終えて椅子から立ち上がる

観客はクリスとエド様とレナ様とシガーレッド・アレクサンダーだけだったけど

みんな立ち上がってスタンディングオベーションで私を讃えてくれた

私はお辞儀をしてお礼をした

「どうだ?前を向いて歩けるようになったか?」

とクリスに聞かれる

「はい。おかげさまで。ありがとうございます。クリス。我儘を聞いてくれてありがとう。」

「俺は…マナに助けてとお願いされたのにも関わらず、回復させることも出来なければ元気づけることさえ出来なかったから。…これぐらいの願いを叶えることしか出来なくてごめん。」

悲しげにクリスが言うので私はクリスに寄り添って答える

「そんなことない。クリスがいつも側にいてくれたから頑張れた。私を守る為にたくさん頑張ってくれてありがとう。」

「悔しい。マナを苦しみから救って回復させるのもマナの笑顔を取り戻させることも俺がしたかった。マナを守ると言ったのに役不足すぎて悔しいよ。」

「ずっと側にいる役目はクリスにお願いするから。それでいいでしょう?」

「じゃあキッカ国に留学はやめて俺とずっと一緒にいると決めたんだな?」

「いや。それとこれとは別だけど。」

「ずっと側にいるって言ったくせに!嘘つき!」

「アハハ!ごめん。ごめん。まだ迷ってるの。ちゃんと考えて決めるから。待ってて欲しい。」

「俺を選んで貰えるように頑張るよ。」

「私のピアノどうだった?」

「…凄いよかったよ。」

「やめるのはもったいないと思わない?」

「王妃になってもやめなくていい。趣味で続けることはできる。」

「でもさ。大きなステージで弾くピアノはもっともっと心を震わせるような感動を与えられるんだよ。ここまで努力して上手くなったのに趣味にするのはもったいないと思わない?」

「そうだとしても俺から離れる選択をしてほしくないよ。毎日マナに会えないと寂しくて生きていけない。」

「それは大変ね。」

「そうだよ。だから俺を選んで。」

「寂しくて死なないように会いに行けるようにするからさ。」

「キッカ国は船旅で3日もかかるのに?」

「すぐに会えるチートアイテムが手に入るかもしれないから。」

「どこに売ってるんだ?」

「売ってないよ。神様特製の手作り。」

「そんなことが出来るのか?」

「神様だからね。願いを叶えてくれるんだよ。」

私は森の方へスタスタと歩いていく

「どこにいくんだ?」

「森の龍が呼んでるから会いに行く。」

「勝手に1人で行こうとするな!」

森の奥地に進んでいくと龍の姿が見えた

「マナ様。私の声を聞いて会いに来てくれてありがとう。」

龍の体からは血が流れていて怪我をしていた

「どうして怪我したの?」

「怪我ではありません。内臓が悪くなり血が流れてしまったのです。」

私は龍に触れて白魔法で龍の内臓を回復させた

「どうかな。もう痛くない?」

「ありがとう。マナ様。」

「どうして内臓が悪くなったの?」

「この土地が荒れて私の身体も悪くなっていきました。自然豊かな場所でなくては私は生きていけない。別の場所へ移動しないと死んでしまうとはわかっていましたが…長年住み着いたこの森を捨てることは出来ずにここで朽ち果てることにしたのです。マナ様が森を復活してくれたおかげでもう少し長く生きられそうです。ありがとうございます。」

「この森が好きなんですね。」

「はい。緑を戻して頂きありがとうございました。」

「私がやったことは応急処置でしかないの。ごめんね。モモフル国は今後新しい王様と共にまた緑豊かな場所へと戻していくから。」

「本当ですか?」

「こちらがモモフル国の新しい王様シガーレッド・アレクサンダーです。私の唯一無二の友人です。シガーレッド・アレクサンダーならきっとモモフル国を復活させてくれます。」

「シガーレッド・アレクサンダー。モモフル国にまた緑が戻るように…よろしくお願いします。」

森の龍が頭を下げてシガーレッド・アレクサンダーにお願いをする

「はい。必ず緑豊かな国へと戻してみせます。」

「私が協力できることはするから。いつでも呼んでくれ。」

「ありがとうございます。また森の龍が安全に暮らす国へと変えてみせます。マナ様もご用がある時はいつでも呼んでください。私を治してくださったお礼がしたいです。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ