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第305話 目覚め

「マナ!!!」

目を覚ますと私の手を握って泣きそうになりながら心配しているクリスがいた

「…クリス。」

「よかった!!本当によかった…!!無事でよかった…!!」

涙声になりながらクリスは言う

「クリスが助けてくれたおかげだよ。ありがとう。」

「俺は…何も…今回も役立たずで…」

「そんなことない。苦しくて死んじゃうかもしれないって時に絶対に助けてやるって言ってくれて嬉しかった。ありがとう。」

「マナ…守れなくてごめん。」

「何言ってるの。守ってくれたじゃない。あんなに苦しかったのに今全然平気だもん。これって白魔法の力でしょう?クリスがスリー様呼んでくれたの?」

「いや…違うんだ。スリーは呼んだが、まだモモフル国に入国していない。修学旅行のメンバーに白魔法石の適任者がいたから治すことが出来たんだ。」

「え?そうなの?誰が私を治してくれたの?」

「私だよ!マナ!!」

と部屋の隅にいたイシュタル先生が言う

「…え?冗談でしょう?」

「残念ながら本当だ。」

「白魔法の適任者…?極悪人だけど…?」

「ひどいなぁ!マナ!白精霊達はどうやら容姿がいい人間を好んで力を貸すようで私の顔を気に入ってくれたみたいなんだ!おかげでマナを治すことが出来てよかったよ!!」

「えぇ…」

白精霊は純粋で優しくて容姿がいい人間を好むことは知っていたけれど…

確かに今のイシュタル先生は純粋だし、攻略対象者なだけあって容姿もいい

優しいのは…ちょっとよくわからないけれど

それでもイシュタルは白精霊に選ばれたんだ

正直ローズ様とかレックスが適任者だと思ってた

「私を助けて頂きありがとうございました。イシュタル先生。」

何はともわれイシュタル先生に助けられたことは事実だから感謝を伝える

「マナが倒れた時はいつでも呼んでくれ!白精霊達には好かれているから私が治してあげるよ!」

白精霊達と仲良くなってる

波長があったのだろうか

このまま白精霊はイシュタル先生に懐いて聖女の称号もあげてしまいたい

「心強いです。ありがとうございます。」

「俺からも礼を言う。ありがとう。」

「!?」

私もイシュタル先生も驚く

私じゃなくて他の誰かに感謝を伝えるなんて初めて見た…

「い…いえ…私がたまたま適任者だっただけで…」

「それでも…誠実にイシュタル先生が生きてきたから選ばれたんだ。俺は…純粋でもないし、優しくもないからマナを助けられなかった。」

「私も誠実には生きてきていませんが…」

「その謙虚なところも白精霊は気に入っているのだろうな。」

「あの…その…お役に立ててよかったです…」

クリスの焦燥な態度にイシュタル先生が何故か萎縮している

「みんな私を助けてくれてありがとう。」

「マナ。この国は危ない。マナをまた狙って殺そうとするかもしれない。今すぐバーバランド国へと帰ろう。」

「うーん…森に龍がいて私に助けを求めているから行きたいんだけど…」

「ダメだ。危険すぎる。森なんて地形を把握しているモモフル国の人間の方が有利だ。待ち伏せされてまた殺されるぞ。」

「でも…イシュタル先生もいるし大丈夫じゃない?しまた白魔法石で回復出来るんだし…」

「今度は即死するかもしれないんだぞ!?」

「私の護衛騎士は優秀だし、即死するようなことはないわよ。生き残りさえすれば助かるんだし…」

「ダメだ!!危険すぎる!!」

「でも…私は聖女だから。森の龍は私にしか助けられない。私の使命だと思うの。ほっとけないよ。」

「国ぐるみでマナを狙っている可能性だってある!危険なことはさせられない!」

「私に注射器を打った人はどうなったの?」

「死んだよ。」

「…そう。単独犯ではないわよねきっと。」

「今、エドとレナがマナを狙ったやつらについて調査している。」

「2人が調査しているなら百人力ね。」

「マナを狙った奴らは全員罪を背負わせる。絶対にだ。」

「うん…」


「失礼します。」

ガチャっと扉をあげてエド様とレナ様と…知らない女性が部屋に入ってきた

「おい…誰だその女は。信用ならないやつをマナがいる部屋に入れるな。」

とクリスが言う

「申し訳ございません。この女性は聖獣フェニックスです。私が子供の頃から仲良くしていたのでマナ様に危害を加えるようなことはしません。安心してください。」

「あの伝説のフェニックス!?その女が?」

「初めまして。クリス様。いかにも妾はフェニックスじゃ。」

「会えて光栄です。フェニックス様。」

「よいよい!妾はエド様が名付けたチビという素敵な名前がある!!愛称はチーじゃ!チーと呼んでくれ!!」

「チ…チビと名付けられたのですか…?」

「そうじゃ!」

「いや…あの…私もさっきフェニックスだと知ったのです!!チーは10年間ずっと私が可愛がっていた小鳥だったんです!!」

とエド様が必死に弁明をしている

「ではチー様と呼ばせて頂きます。」

「ふむ。」

「エド。マナを狙った犯人はわかったのか?」

「はい。マナ様を狙った犯人は魔女アーリナでした。魔女アーリナは宗教団体の主であり、心酔している信者のロイドがアーリナの命令で襲ったと思われます。」

「モモフル国は関係ないのか?」

「今回の件は無関係です。しかし…荒れた大地を定期的にマナ様に浄化させようと企んではいたようです。モモフル国が国民から税金を巻き上げたせいで精霊達から見放されて大地が枯れたくせに…面の皮が厚いやつらです。」

「酷い国だな。国民は国の宝なのに。変な宗教団体もほっておくからこんなことになるんだ。」

「仰るとおりです。」

「魔女アーリナは何故マナを襲ったんだ?」

「聖女になろうとしたようです。マナ様を捕らえて心臓を入れ替えれば聖女になれると信じているそうです。聖女になったら白魔法で永遠の不老を手に入れて美貌が失われないようしたかったようですね。」

「そんなくだらない理由でマナは襲われたのか。」

「はい。」

「今すぐ魔女アーリナを捕らえて罰するぞ。」

「いや…魔女アーリナが企てたことは証拠がありません。他国で証拠もないのに捕らえることは難しいかと。」

「ふざけるな。マナを襲ったやつだぞ?野放しにして幸せに暮らすなんて絶対に許さない。」

「…。」

「自白させればいい。今すぐに魔女アーリナの元へ行くぞ。」

クリスが魔女アーリナの元へと行こうとするので私はクリスの服の袖を掴んで止める

「待って。クリス。」

「マナ…何故止める?マナを襲った奴らは絶対に許さないからな。」

「それはわかってる…でも証拠もない今、魔女アーリナを捕らえたら国際問題になるんじゃない?」

「マナを襲った奴らなんて全員死んでしまえばいいんだ!!」

「うん…。でももう少し情報集めてからにしようよ。私まだ不安だからクリスが側にいて欲しいな。」

「…そうだよな。こんな国すぐに出ていってハーバランド国へ帰ろう!!」

「えっと…まだ観光したいし…」

「こんな国を!?正気か!?」

「だって…クリスと一緒に花畑とか行きたかったし…」

「…。」

「また一緒に出店行って思い出のお土産買ったりしたいし…」

「で…でも!!まだ危険だから…!!」

「エド様とレナ様が解決してくれるよ。それまで少し落ち着いて私とクリスは待っていよう。平和になったら2人で森にデートに行こう。ね?いいでしょう?」

「…そうだな。俺はマナの心のケアをするからエドとレナが魔女アーリナとモモフル国の問題をなんとかしてこい。」

「え…私の仕事は情報収集だけですが…」

「エドは情報収集だけだが、レナは政治問題もなんとか出来るだろう?」

「わかりましたよ。マナ様を襲った奴らは私も許せませんから。明日スリー様がモモフル国に入国するならおそらく何とか出来るでしょう。」

とレナ様が答える

「頼んだ。俺はマナを守っているから。任せたぞ。」

「はい。マナ様をお願いしますね。クリス。」

レナ様かっこいい…

政治も魔女アーリナの問題も全て請け負うなんて…

やっぱり王女様は凄い

私なんて…政治なんてわからないし

浄化するだけの一時的な問題しか解決出来ない

こんな素敵な女性がハーバランド国の王妃になれば国は安泰なんだろうな

やだな

私、嫉妬してる

こんな気持ち今抱くなんて失礼すぎるのに

本当に最低だ




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