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第3話 さよなら愛されヒロイン

「但し!条件があります!」

 自称神が高らかに声を上げる

 「なんですか条件って」

 「①ヒロインが世界を救うこと」

 「②ヒロインは誰かと恋愛をして結婚をし、幸せに暮らすこと」

 「③モブ令嬢は攻略対象に愛されないこと」

 以上が入れ替え条件のルールです。

 以外と緩い条件で私な拍子抜けをする。私の条件は攻略対象に愛されないことだけだ。モブはモブらしく大人しく過ごせば大丈夫そう。

 「ヒロイン以外が世界を救うとどうなりますか」

 葉月ちゃんが質問をする。

 「ヒロインは本来あの世界では精霊に愛されていて一人だけ白魔法が使える設定なんだ。君以外のたとえばモブ令嬢を気に入ってしまって白魔法を使うことになれば物語が破綻する。その場合はゲームオーバー。魂を本来の体に戻すよ。」

「精霊はどんな人を愛するのでしょうか。」

「たぶん純粋で可愛くて単純でバカっぽい魂だよ。」

 やばい…葉月ちゃんは純粋で可愛いけど、理論派で成績優秀なのに…なんでバカで単純が好きなんだ…精霊の好みってよくんからない。

 そして私がどちゃクソ好みにハマってしまっている。なんで私はバカで単純なんだ…

 「つまり私は単純な性格になる必要があって、華ちゃんは知的な性格になる必要があるってことですよね。」

 「まぁそうだね。精霊が誰を一番に愛するかが決まるから。」

 私が知的キャラに転向出来るだろうか。不安すぎるけど、葉月ちゃんは私の為に変わってくれるんだから頑張らなきゃ…

 「②の条件ですが、これは攻略対象以外でも魂の交換はなく、誰とでも恋愛をしてもいいという条件であっていますか。」

 「そのとおり。ヒロインは愛されていれば誰と恋愛をしてもいい。」

 「③の条件は逆に攻略対象以外としか恋愛してはいけない。これは何故ですか。」

 「この条件にしないとモブ令嬢の愛され物語に変わってしまうからね。」

 「変わってしまうと何かまずいことになるのですか?世界は救っている状態でモブ令嬢だけ恋愛を制限される理由がよくわからないです。世界に影響ほないと思いますが。」

 「大ありだよ。だってあの世界はヒロインの為の世界。ヒロインが世界の中心なんだ。ヒロイン以外が愛されて世界の中心になるとね。私でもどうなるかわからない。たぶんだけど滅ぶと思うよ。」

 「何故ですか。」

 「ヒロインが誰よりも特別で世界の中心だからだよ。」

 「もしヒロインが不慮の事故で亡くなったりしたらどうなりますか。」

 「たぶんだけど滅ぶと思うよ。」

 「何故ですか。」

 「あの世界の精霊達が怒ると思うから。あの世界の精霊は自然界の全てを操ることが出来るからね。」

 「それはヒロインを精霊が愛しているからですか。」

 「そうだね。」

 「あの世界は精霊の力がとても重要なんだ。だから精霊の力の最高峰である白魔法を使えるヒロインが特別なんだよ。」

 「私に条件はないの…?」

 原田さんが質問する。

 「ないよ。君は悪役令嬢だから一番自由だとも言えるね。この世界を救っても滅んでも攻略対象と恋愛しても国外追放されても君は君のままだ。何をしても許されるよ。まぁ君は元々入れ替わりなんてしないし。自由に君の新しい人生を切り開けるよ。おめでとう。」

 私は確認で質問する。

 「私は攻略対象以外となら恋愛してもいいんですよね?大人しく過ごせば大丈夫なんだよね?」

 「そうだね。でもさっき言ったとおり前世より知的になって貰わないと困るかな。精霊が華ちゃんに集まってしまうからね。」

 勉強しろということか。バカでは精霊に愛されるから…。

 「このゲームって何歳から入学するの?中学校?高校?」

 「ゲームの舞台は高校だよ!」

 じゃあ十六歳。今の私の年齢になるまでは葉月ちゃんと原田さんに会えないのか…

 「質問タイム終了でーーーーす!!皆さんそれでは早速新しい新世界へと転生させましょう!

天界からしっかり見守ってるからね!僕を楽しませる素晴らしき世界にしてください!葉月ちゃんはヒロイン適正ギリギリラインの劣等生ヒロインだけど、ゲームの内容を全部覚えているのならきっと物語の進め方もわかるだろうしなんとかなるんじゃない?」

 葉月ちゃんに対して失礼すぎない?この自称神。

 「じゃあ早速始めますかー♪」

 えっまだ心の準備が…と思っている間もなく目も開けられないぐらい眩しい光と共に体が消失していく

 体が光の粒となり消えていく。あぁ佐々木華の人生はこれで終わるんだな…

 眩しい光で葉月ちゃんと原田さんの姿はもう見えない。でも叫んでみる

 「葉月ちゃん!私頑張るから!本当にありがとう!葉月ちゃんの幸せ祈ってる!」

 「原田さん!貴方は私のこと嫌いだと思うけど!私は原田さんのハッキリと言う性格好きだった!だから今度は友達になれたら嬉しいです!」

 大声で叫んだ。届いただろうか。微かに葉月ちゃんと原田さんの声がするけどわからなかった。次は全く別の姿だけどきっとわかるはず。また会える日まで…元気でね。

 

 

 

 

 

 無事転生完了したなー。華ちゃんマジで最後までヒロインしてたなー笑

 ノリで魂入れ替えちゃったけど、多分無理だろうなー。逆に悪いことしちゃったかも。

 だって…

 華ちゃんは誰もよりも特別な魂。ヒロインの鏡。華ちゃんが愛されないなんてありえないからね。

 

 

 

 

 

見慣れない天井。明らかに洋風でゴージャスすぎる絵が描かれている。沢山の人からの祝福の声。ぼんやりと思った。赤ちゃんから転生するんだ。しかも前世の記憶もある状態で。

こうして私のモブ令嬢としての人生が始まった。

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