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第29話 シスコンとブラコン

「ひゃあああああ!!」

「バカ!大きい声出すんじゃねぇ!早く窓開けろ。」

私は慌てて窓を開けてマリオお兄様を部屋に入れる。お兄様は風魔法で私の部屋のベランダまで飛んで来たようだ、

「何してるんですか。お兄様…。女子寮に不法侵入するなんてバレたら退学だし、アーネルド家だってどうなるか…。」

「お前がすぐに女子寮に帰るから悪いんだろうが。」

「荷物片付けたりしないといけないし、そりゃ帰りますよ…。それに新入生はすぐに帰宅だけど、在学生は授業があるはずですよ。授業終わるまで待ってるわけないじゃないじゃないですか…。授業はどうしたんですか。」

「サボりだ。」

「…さすがにシスコンすぎて私でも引いてますよ。」

「シスコンじゃねぇ!!だいたい入学したら作戦会議をするからすぐに俺のところに来いと言ったのに、お前が勝手に女子寮に帰るからこんな犯罪まがいのことをせざるを得なくなったんだぞ!」

「犯罪まがいじゃなくて犯罪ですよ。誰がどうみてもアウトです。」

「誰のせいでこんなことをしたと思ってるんだ!」

「さすがに私のせいにされては困りますよ。普通に授業中だと思ったので先に帰っただけじゃないですか。明日でもよかったでしょう?」

「初日からお前はなにをしでかすかわからないからだろが!」

「入学式とクラスの自己紹介をしただけですよ?まっすぐ寮に帰れてるのなら何もないに決まってるじゃないですか。」

「ここが恋愛ゲームの世界なら入学初日に出会うイベントがあるだろうが!」

「私はモブ令嬢だからそんなものはないです。」

「魂がヒロインだから何かあるかもしれないだろう!?」

「つまり誰かと出会ったかもしれないから心配で来てくれたんですね?」

「心配じゃない!確認しに来ただけだ!」

「素直じゃないなぁ相変わらず。」

「黙れ!」

「今日は何事もなく平和に過ごせましたよ。明日はお兄様の授業が終わるまで学園で待ちますから。もう帰ってください。」

「何故そんなに急かす?今から作戦会議をした方が明日からの生活も不安になることなく過ごせるだろう?」

「お兄様がここにいることがバレたらアーネルド家はおしまいですよ?早く見つからないうちに出ていってください。」

「わかった…。お前はもう今日部屋から出るなよ?大人しく荷物整理しろよ?」

「え?今からヒロインに会いに行くけど。」

「ハア?」

「いいですよね。」

「ダメに決まってるだろう…。ヒロインと仲良くすることは自ずと攻略対象との接触も増えるぞ?」

「もちろん学園では話しかけないようにするよ。でも女子寮で内緒のお話をするのは構わないでしょう?前世では友達だったし、今回入れ替わりがなかったら私達も出会うことはなかったんだから。十四年ぶりにお話とお礼を言いに行くぐらいはいいでしょう?」

「じゃあ俺もついていく。」

「話聞いてました?女子寮でしか話せないんですよ?」

「バレなければ問題ないだろう。」

「私とヒロインとお兄様の三人で?ヒロインのお部屋で話をするんですか?」

「そうだ。」

「…。」

私は窓を思いっきり開けて風魔法でお兄様を強制的に外へ追い出そうとする。

お兄様も風魔法で抵抗をして私の部屋に留まろうとしている。

「女子の部屋に入り込もうとするな!変態!!!」

「誰が変態だ!!お前の為に…」

「うるさい!シスコン!!とっとと彼女でも作っていい加減妹離れしろ!モテまくってるくせに誰とも付き合おうとしないのは妹を溺愛してるからだって噂されていい迷惑なんですけど!?」

「そんなんじゃねえよ!気持ち悪いこと言うな!!お前の方がブラコンのくせに!いつもお兄様は世界で一番かっこいい♡とか言ってるくせに!」

「いつもは世界一かっこいいけど今日のお兄様はうざすぎる!早く帰ってよ!!女子寮に忍び込む変態なんてお兄様しかいないから!攻略対象がこんなとこまで来るわけないのに心配しすぎ!ヒロインと内緒で話すぐらい大丈夫だから!!はよ帰れ!!」

「くそが!明日覚えとけよ!」

小物のような捨て台詞を言って風魔法でやっと帰ってくれた。

いよいよ恋愛ゲームが始まって攻略対象と学園生活を共にすることになるからお兄様も気が張っていたのだろうけど、まさか女子寮に侵入するなんて…ここまで過保護だとは思わなかった。

結構騒いでしまったけど大丈夫だっただろうか。

私は誰にも見られないようこっそりと部屋から出て、今作のヒロインの部屋へと向かう。

トントンとノックをして久しぶりに前世の名前を口にする。

「佐々木華です。開けてくれますか?」



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