第289話 第3回恋愛相談会
「第3回恋愛相談会〜!!」
お昼休みになり私はニックに連れられて食堂の個室に来た
テンション高めのカイと煽てるように拍手をするミメットがそこにいた
恋愛相談をしたくて私がニックにお願いをしてまた集まって貰った
私は恋のキューピットとして3組のカップルを成立しなければいけないのでその相談をするつもりだった
平和な恋愛相談をするつもりだったのに…
どうしてこんなことになってしまったのだろうか
クリスの婚約者であるレナ様が転入してきたことにより
私のメンタルはボロボロだった
クリスとレナ様があまりにもお似合いで
品格の違いを見せつけられて
病んでしまって抜け殻のようになってしまっていた
「ふむふむ。これはかなりの重症ですね。全部の魔法が使えて白魔法も習得している偉大な聖女様も恋愛の前ではただの人ってことですかね!アハハハ!!!」
鋭利な言葉のナイフを容赦なくカイは投げつけてくる
「どうせ私は恋愛初心者の雑魚ですよ…」
涙目になりか細い声で私は答える
「大丈夫ですよ!その為に俺達がいるんですから!俺達がいればマナ様もすぐに恋愛マスターですよ!!」
「勝てる気がしないんだけど…」
「負けそうなんですか?恋のライバル登場ですか!?」
「クリスの新しい婚約者が転入してきたの。隣国の王女様のレナ様。クリスとは幼馴染でとても仲がいいのよ…」
「えぇ〜?心配することないと思いますけど。クリス様はマナ様にぞっこんLOVEですから!!」
「一応恋人にはなれたけど…」
「えっ!!そうなんですか!?遂に!!恋を実らせることが出来るなんて応援してきた俺達も感慨深いです!!おめでとうございます!!」
「既に破局の危機だけどね…」
「付き合ってどれぐらいなんですか?」
「1ヶ月ぐらい…」
「すごいスピード感だ!!付き合ってから破局までジェットコースターのようだ!!」
「急降下が激しくて潰れそうです。」
「まぁまぁ!落ち着いてください!!ほら!今日はマナ様が大好きなオムライスもありますよ!!食べて元気出して再び立ち上がるんです!!」
「うん…ありがとうカイ。」
「俺がオムライスに元気注入のケチャップを描いてみせましょう!!」
「え?」
カイは私のオムライスにケチャップで絵を描き始めた
絵心は全くなく謎の生き物を描いている
「なんですか…?これは…?」
「じゃーーーーん!!出来上がりです!!俺の特製オムライスのブタさんです!!」
「何故ブタなの?」
「特に意味はありません!!」
「…。」
「ここらからが本番ですよ!どうぞマナ様もご一緒に!!萌え萌えブタさんパワーーーーーーーー!!」
両手でハートマークを作りメイド喫茶のメイドのようにカイは振る舞う
「…カイが可愛い男のメイドさんをやってくれたからちょっと元気出たよ。ありがとう。ここのメイド喫茶は繁盛するよ。カイ君ご指名してチップあげちゃおうかな。」
「やったーー!チップはいらないので王城のコネが欲しいです!王城で騎士団員として働きたいです!」
「私、ガードン王には嫌われてるからそういうのは無理。」
「な…何故!?なんで嫌われてるんですか!?」
「王様の忠告を無視し続けたからかな。でもさぁ…クリスと恋人になった途端にいかにもお似合いの婚約者を転入させるなんて…意地悪すぎると思いませんか!?残り少ない学園生活ぐらい青春の恋愛を堪能させてくれたっていいじゃないですか!?」
「恋愛を堪能して青春すればいいじゃないですか。」
「無理だよ…!将来結婚する2人の間に入って仲を掻き乱すようなことしたくないわよ!!」
「クリス様はレナ様と結婚されるのですか?」
「そうよ。」
「マナ様と結婚しないんですか?」
「しないわよ。」
「どうしてですか?2人は愛し合っているのに。」
「私に王妃になる覚悟がないから。」
「あぁ…なるほど。じゃあ大人しく遊びの女は引き下がるしかないですね。」
「辛い…ガードン王許せない…ミケお爺ちゃんに呪いの儀式教えて貰って呪ってやるんだから…」
「そんなことしているから嫌われているのでは?」
「一生右折しか出来ない体にしてやるんだからぁ!!」
「なんて嫌な呪いなんだ…」
「卒業したらキッカ国でピアニストになるんだからそれまでの間ぐらい夢のような甘いひと時を過ごしたっていいじゃない!あの王様本当に悪魔だわ!」
「結婚する気がなくて息子と遊びで付き合っている女なんて引き離したい親心はわかりますよ。」
「卒業後は返してあげるんだから良心的じゃないですか!?」
「全然良心的じゃないですよ。悪い女に騙されているから本命の女と今すぐにくっついて欲しいって思いますよ。」
「うるさーーい!!恋愛事に正論を振りかざさないで!!ちょっと慰めてくれたっていいじゃない!!私が100%悪いことなんてわかってるんです!」
「遊びじゃなくて本気で付き合うしかないですよ。クリス様と結婚して王妃になる覚悟決めないと。」
「無理無理無理!!私に人の上に立つ資格なんてないし。」
「全部の魔法が使えるスーパー聖女様のくせに何言ってるんですか。マナ様が王妃になれば国民は大喜びしますよ。人類の道標になってるじゃないですか。」
「私を道標にしたらこの国は滅ぶわよ。」
「そんなことないですって!マナ様は立派じゃないですか!!」
「レナ様の方が立派な人間ですけどね。」
「可愛さでは負けなしですよ!」
「結局私は外見に頼るしかない無能なんだ…」
「何言ってるんですか!素敵な才能を活かすことは何も間違ってないですよ!」
「うう…私はどうしたらいいの…?」
「そんなの簡単に取り返せますよ!」
「どうするの…?」
「クリス様に“私と結婚してください!”って言えば正真正銘の本命彼女です!!」
「む…無理…」
「ええい!この際無能な王妃でもいいです!愛し合う2人が結ばれるべきですよ!だから取り返すんです!!」
「私と結婚してください以外で取り返す方法はないの?」
「うーん…ガードン王を呪い殺すしかないですかね。」
「もうちょっと円満に!!」
「無理です!覚悟決めて王妃になると宣言してクリス様を返して貰ってください!!」
「やだー!!!」
恋のキューピット作戦の話へ全く出来ずに
私の愚痴話で昼休みが終わり、恋愛相談会も終わってしまった




