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第269話 お誘い

お久しぶりです。フェイです。

僕の近況ははっきりいって絶好調です。

クラスメイトと話すことはなかったのに、僕から話しかけることを続けていると、仲良くなることが出来ました。

美術部の部員のジャン君とは親友になれた

寮生活ではほとんどジャンと過ごしている

そして何より順調なのは恋人のルークとの関係だ

学園生活の合間に密会したり

長期休日は学園外に出かけてデートをしたり

順風満帆な生活をしている

それもこれ全てマナ先輩のおかげ

クラスメイトやジャンと仲良くなるように応援してくれたり、

恋人のルークを紹介してくれた

自分に自信が持てずに下ばかり向いていて

盲目的にクリス様しか見えていなかったあの頃とはもう違う

マナ先輩が僕を変えてくれたし、救ってくれた

だから…本当に感謝していて

困っているなら助けてあげたいと思ってるんだけど…


課外授業が終わり、もうすぐ夏休みになろうとしていた

夏休みになれば、ルークとたくさんデートが出来るから楽しみだ

「ねぇ。フェイ君。ルークと2人でデートとかした?」

今は昼休みで、生徒会の仕事中だ

マナ先輩と一緒に作業している

「はい!街にお出かけしたり、演劇を見に行ったり、乗馬したり…たくさんお出かけしましたよ!」

「ラブラブだねぇ。」

「おかげさまで!特に乗馬デートはよかったですぅ〜。白馬の王子様って本当にいるんだって思いました!ルークが白馬に乗って森を案内してくれて…かっこよかったなぁ〜。」

「そう…」

「もしかして…羨ましいと思ってます?」

「え!?そ…そんなことは…」

「どうしてマナ先輩は僕とルークのデートのことを聞いたんですか?」

「仲良くやってるのかなって…」

「もしかして…夏休みデートするのに参考にしようとしてます?」

「な…!なんでわかるの!?」

「可愛いですね。マナ先輩。」

「可愛くないもん!」

「好きな人と楽しいデートがしたくて聞いたんですよね?可愛い〜。」

「もう!からかわないでよ!!」

照れて顔が真っ赤になりながらマナ先輩は言う

マナ先輩の照れた顔はかなりレアだ

びっくりするぐらい可愛い

僕はルーク一筋だけど

思わず心が揺れる程可愛かった

可愛いの暴力だ

「おすすめするのは乗馬デートですよ♡マナ先輩ゆっくり過ごすの好きじゃないですか。森で乗馬で散歩楽しかったです〜。」

「乗馬かぁ…でも私あまり経験がないんだよね。大丈夫かなぁ?」

「大丈夫ですよぉ。クリス様は乗り慣れてますから!リードして貰えば大丈夫ですって!」

「な…なんでクリスなの!?」

「え…だって…クリス様が本命じゃないんですか?」

「そ…そうだけど…何でわかったの?」

「クリス様の膝の上に乗ってよく生徒会室でイチャイチャしてるじゃないですか。生徒会をお忍びの密会扱いしてますよね?」

「あれは勝手にクリスが乗せてくるから!」

「嫌がらせそぶりもせずにそのままイチャイチャしてるじゃないですか。生徒会は2人の愛の巣じゃないんですから。目のやり場に困りますから程々にしてくださいね。」

「そんなに露骨だった…?」

「はい。」

「うわ…恥ずかしい…」

「いいじゃないですか!恥ずかしいことたくさんしましょうよ!青春謳歌していきましょうよ!」

「恥ずかしいこと!?そんなことしないわよ!私達は健全です!!」

「そんなのわかってますよ…エロいこと考えてます?意外と頭がお花畑ですね。マナ先輩。」

「恥ずかしいことなんて紛らわしいこと言うからでしょう!?」

「まぁまぁいいじゃないですか!クリス様をデートに誘うんでしょう?乗馬デートおすすめしますよ!」

「なんか…ちょっと…ハードル高くない?乗馬したいなんて誘うとか…」

「大丈夫ですって!!クリス様なんてマナ先輩にぞっこんなんですから!喜んでくれますよ!!」



「随分と楽しそうに話しているね。」

クリス様の仕事は終わったのか僕とマナ先輩の間に割り込んできた

一応、クリス様に聞こえないように小声で話していたから僕達の会話は聞こえていないと思うけど…

「フェイ君とお話しするの楽しいから。」

「いつも2人は内緒話をするよね。妬けるなぁ。」

「秘密だもん。」

「まだ仕事がかなり残ってるじゃないか。お喋りに夢中になりすぎじゃないのか?」

「クリス様が早すぎるんです。私達もちゃんと仕事してますから。」

「早く終わらせてよ。マナとイチャイチャ出来ないじゃん。」

「生徒室はイチャイチャする場所じゃないから!」

「え?だって教室ではマナは恥ずかしがり屋だから距離を置かれちゃうけど…生徒会室では近くにいても怒らないから…」

「生徒会室もダメにするから!!」

「そんな!!ひどい!!」


「マナ先輩!恥ずかしがらずにほらっ誘ってみてくださいよ!」

僕は小声でマナ先輩に言う

「え…でも…」

「楽しいデートがしたいのでしょう!?ほら早く!!」


「目の前で堂々と内緒話をするな。」

「えっと…クリス…あの…その…夏休みどこか遊びに行かない?」

「行く!!!」

「乗馬とか…どうかな…?」

「いい!!最高だよ!!」

「じゃあ…夏休みになったら一緒に行こう。」

「デートだよな?」

「え?」

「デートのお誘いだよな?」

「…はい。」

「よっしゃあああああああああああ!!」


「よかったですね。マナ先輩。」

「…うん。」

マナ先輩が化け物だなんてこの学園の噂はどうかしてる

全て魔法が使えて白魔法も使えるから

普通の人とは違うから

そんな理由だけで孤立しているんだから

ただの恋に不器用な普通の女の子なのに


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