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第258話 孤高

私がはっきりとマオを敵視していることを意思表示する

マオが怒ってこのままドラゴンになり世界崩壊する可能性だってある

それでも…私は自分の本音を伝えることにした

マオを好きになるつもりはなく

私は好きな人と恋人になるつもりだ

マオがこの世界を崩壊しようとするなら

私は全力で阻止をする

たとえマオを殺すことになったとしても

これが私の答えだ

マオを救いたい私のエゴで

この世界の人間を絶滅させるわけにはいかない


「フフフッ。わかったよ。ごめんね。いきなりキスなんかして。ちゃんとマナに好きになって貰ってからじゃないとね。」

とマオが言う

「牢屋に入りなよ。無礼者。」

「そんな所に入ったら暴走して城を壊しちゃうかも。聖女様の器のデカさで許してよ。ね?マナが頼めば牢屋に入らなくて済むんだから。マナが囲っている変態教師とかね。」

「…今日は初犯だから見逃してあげる。2度目はないわよ。」

「ありがとう。マナ。」


「この男が噂のマオ君か?」

とクリスが言う

クリスには修学旅行の時、天界でマオのことを説明している

「うん。」

「初めまして。マオ君。」

意外にもクリスは丁寧にマオに挨拶をする

私が無理やりキスされていた所も見ていたのに

もっと怒って暴走すると思ったのに

1年生の時は私がレックスと観覧車に乗っただけで観覧車を燃やして暴走していたのに

クリスの成長ぶりに感銘を受けていた

「初めまして。クリス様。お噂は通りのイケメンですね。」

「マオ君には敵わないさ。」

「そんな謙虚でいいんですか?僕は遠慮なくマナを奪いますよ?」

「マナの大事な弟は俺にとっても大事な弟になるからね。」

「そんなの大昔の話ですよ。今は弟なんかじゃない。貴方の恋敵ですよ。」

「うーん。それは困るなぁ。諦めてくれない?」

「無理ですよ。たとえ世界が崩壊してもこの想いは絶対に諦めないよ。」

「そうか…なら戦うことになるね。」

「クリス様が諦めてくれたら平和に解決しますよ?」

「ごめんね。絶対に譲る気はないよ。」

「僕もです。」


イシュタル先生が教室に入り、私達は席に着く

「特例で新入生が3学年に入学することになった。前に出て自己紹介どうぞ。」

イシュタル先生がそう言うとマオは前へと歩いていき

黒板の前で自己紹介を始めた

「初めまして。マオです。平民出身ですが、全部の魔法が使えるようになったので、特例でスカーレット学園へ入学することが出来ました。よろしくお願いします。」

全部の魔法が使えると聞いてクラスは騒然とする

火、水、風、土、雷、全ての魔法が使える事例は今のところミケお爺ちゃんしかいない

クラスが騒然となる様子を見てマオは言う

「そんなに驚くことじゃないさ。マナだって全部の魔法が使えるんだから。」

とマオが言った瞬間にクラスの空気がピリッとする

「あぁ…内緒にしていたんだっけ?」

「私はただ…力を隠して敵にバレないようにしていただけで…」

「僕にバレているんだからもう明かしてもいいだろう?マナは天才で、全部の魔法が使えると。」

「そんなこと…」

クラスがざわざわとする

「マナ様も全部の魔法が使えるの?」

「えー。さすがだね。俺達とはやっぱり住む世界が違うや。」

「なんで秘密にしてたの?」

「さぁ。知らない。」

「白魔法が使えるだけでもすごいのに、全部の魔法が使えるなんてもう化け物みたいだね。」

クラスメイトのみんなが話す

「お前ら底辺のレベルと違うんだよ。俺とマナは特別な人間だ。わかったか?」

とマオは言った

ざわついていたクラスメイト達は一瞬で静まり返る

「わ…私はミケお爺ちゃんに修行して貰えたからたまたま全部の魔法が使えるようになっただけだし…」

「ハハ!!マナ!!そんな言い訳並べたって無駄だよ!俺達は選ばれた特別な人種で、こいつらとは比べ物にならないほど優秀だってことがさ!!」

「そんなことない!私もみんなも変わらない!全部の魔法が使える程度で私達はなにも変わらないよ。」

「可愛くて、優秀で、何もかも手にしているマナに言われても説得力ないよ。無象無象とマナが同じなわけないだろう?いつまで底辺に合わせているつもり?マナは違うんだよ。普通の人間とは全く違う。そうだろう?」

「…。」

「アハハ!見ろ!クラスメイトの視線を!マナが全部の魔法を使えると知ってマナを恐れているよ!アハハ!大きすぎる力を持っていると忌み嫌われるからね!嫉妬、妬み、そんな感情が渦巻いているのがわかるよ!可哀想なマナ。世界を平和にする為に努力しているだけなのに。結果嫌われることになるなんてね!!こんなバカな奴らは相手にしないでいいよ。俺とマナだけ。それだけでいいんだ。マナを理解出来るのは僕だけだ。マナの孤独を僕だけは一緒に寄り添ってあげれる。」


「マナがいつ孤独になったんだ?俺がずっとそばにいるのに。」

とクリスが言う

「クリス様とマナは釣り合わないんだよ。クリス様がマナに寄り添ってもマナは孤独のままだ。マナは特別で、マナの孤独をわかってあげられるのは僕だけだ。」

「うるせぇ!!マナの孤独なんてわからねぇよ!!俺はマナが好きだ!大好きだ!!だから誰にも渡したくない!それだけだ!!」

「自己中なやつだな…マナを幸せに出来るのは僕だけだから諦めろよ。」

「マナを幸せに出来るかはわからないが、俺は幸せだ!!マナと一緒にいれば俺は幸せになれる!!」


「フフッ…アハハハハ!!」

私はクリスのめちゃくちゃな叫びに思わず笑ってしまう

「マオ。私は幸せは自分の力で勝ち取る。マオの力はいらないよ。顔も良くて、才能もあって、おまけに運もいい。マオに頼らなくたって自力で幸せを掴めるわ。だって私は世界最強の聖女様だからね。」


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