表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
257/279

第257話 恋戦争

朝の支度を終えて、私はスカーレット学園へ向かう

いつも通り、早朝の秘密部屋でイシュタル先生と会う為に

「会いたかったよ!ルナああ!!」

イシュタル先生が泣いて喜びを伝えてくる

「お久しぶりです。イシュタル先生。」

「私は春休みの間にマナに似合う衣装を求めて海外へ行ったんだ。」

「なにやってるんですか…」

「そして!手に入れた服がこれだ!!」

「これは…着物ですね。」

「知っているのか!?」

「前世の世界では国の象徴の服でしたから。」

「いやぁ…この服を手に入れる為に苦労したよ…海外行くだけでも出費が凄いのに…着物の値段が私の年収ぐらいの値段がしたんだ。とても買えなくて…」

「え?どうやって買ったの?まさか借金したの?」

「いや…運良くオークションに参加することが出来て大金を手に入れたんだ。」

「大金を手に出来るような宝物なんて持ってたの?」

「うん。マナの秘蔵写真を売ったんだ。」

「…は?」

「特に値段がついたのは水着写真だよ。1枚だけで豪邸を買える値段で売れたよ。」

「なに勝手に私の写真売り捌いてるんですか!!」

「私達の愛の結晶だったのに…ごめんね。」

「気持ち悪い言い方しないでくださいよ!この秘密部屋で何が行われているのか秘密にする為に写真は外に漏洩するなって言ったのに!私の力だけでは庇えなくなってくるかもしれませんよ!牢屋行きになりますよ!?」

「こんな時でも私の心配をしてくれるマジ天使すぎる…」

「私怒ってるんですからね!!」

「わかったよ…愛の結晶はもう2度と売らない。約束するよ。合計10枚ぐらい売ったから一生働かなくてもいいぐらい稼げたしね。安心して。本当のお宝の秘蔵写真は1枚も売ってないからさ!」

「10枚も売ったくせに…」

「必要資金はたんまり手に入ったからね。お金持ちの変態には感謝だよ。」

「変態同士で経済回すな!」

「そんな雑談している時間ないんだよ!着物は着るなに時間がかかるんだ!」

「着せれるの?かなり複雑で私着れないけど。」

「購入した時に着付け教室も講習したからね。かなり難しくて苦戦したけれど今は完璧さ!」

「イシュタル先生は何を目指しているの…?」

「もちろん最高に輝くマナを目指しているのさ!」

私はイシュタル先生に着付けて貰って着物を着る

複雑な着付けにも関わらず要領よくイシュタル先生は着付けをしていき私は着物に着替えた

「す…素晴らしい…綺麗だ…」

イシュタル先生は大粒の涙を流して感動している

「こんなに豪華な着物着たの初めて。」

「毎日着せたいぐらい似合ってるよ…」

「ありがとう。」

私はくるっと振り返る

「見返り美人って言うんだよ。どう?」

「神アングルだよ…見返り美人を考えた人は天才だ…」

イシュタル先生は夢中で写真を撮っている

資産が増えたのかいつものチェキカメラではなく一眼レフのカメラに変わっている

「髪型もセットしたかったな…また今度リベンジしよう…」

「うなじをみせるといいらしいね。」

「はぁ…もう今日はサボってこのまま着物を堪能しようよ…」

「何言ってんの。大事な始業式なのに。」

「マナの着物姿のほうが国宝級に保護すべき大事なことなのに…」

「バカなこと言ってないでほら脱がしてよ!」

「え?」

「脱がして。」

震える手でイシュタルは着物の紐をしゅるしゅると解いて脱がせていく

「あ…あ…えっちすぎるよ…聖域を汚していくようで…興奮しちゃうよ…」

「気持ち悪いから黙って脱がせてよ。」

どんどん着物の紐を解いていき、私の下着が顕になった時に

イシュタル先生は鼻血を出して倒れた

「…この人本当に人生楽しんでるな…」

私は制服に着替えてからイシュタル先生に白魔法をかけて起こしてあげた

「はっ!幻…?」

「本物の聖女様のマナちゃんですよ?イシュタル先生。」

「ハァ…ハァ…また着物着ようね…マナ…」

涎を垂らして興奮しながらイシュタル先生は言う

「着物は好きだけどイシュタル先生は嫌い。」


私は隠し部屋を出て、クラスへと向かう

3年生になったので初めて入るクラスだ

「マナ。」

私は懐かしいその声に振り返る

いつも初めに声をかけるのはクリスだけど

今日は違う

私がかつて魔王から人間にして

大事な弟として一緒に暮らして

私に恋をして家出をした

「マオ。」

1年間しか経ってないのに身長は大きく伸びて180センチぐらいになっていた

体つきもしっかりとしていて立派な男性だ

かつての可愛らしい少年の姿は見る陰もない

いや…顔は少し面影があるかな

「会いたかったよ。マナ。」

そう言いながら私の手を引き体を引き寄せて

キスをしてきた


パァン!


と私はマオの顔に平手打ちをする

マオは驚いた顔をして私を見る

「いきなりキスをしてくる男は大嫌いなの。」

レイがマオを拘束しようと振れると

「あちっ!」

マオに触れただけで大火傷をしていた

私はすぐさま白魔法でレイの火傷を治す

「この国では聖女に無理やりキスするような不埒な輩は牢屋行きなのよ?知らないわけないわよね。」

「フフッ。やだなぁ。僕達は恋人になるんだから問題ないだろう?」

「私は他に好きな人がいるの。マオとは恋人にはならないわ。」

強い意志を持って私はマオに言う

「僕よりそいつが大事なの?」

「…。」

「ほら。答えられない。マナは結局僕が1番大事なんだ。だから最終的に僕を選ぶよ。マナならね。」

「いつの私の話をしているの?マオが変わったように私だってこの1年で変わったの。」

「恋に溺れたのかな?僕を殺して世界平和にするつもり?」

「マオが帰ってくるって言うから待ってあげたのよ。かっこいい男になって帰ってくるって言うから。」

「かっこよくなっただろう?背も伸びて筋肉もついた。もう少年じゃない。」

「私が外見で評価するわけないでしょう?かっこいい男になるって言うから期待して待ってたのにいきなりキスするクズ男に成り下がってるなんてがっかりだわ。」

「強引な男が好きなくせに。」

「私の何を見てそう思ったの?そんなんで私を堕とせると思わないで。」

「マナは流されているだけだよ。その男に。本当は好きでもなんでもないんだ。僕の方がマナのことをわかってる。マナに相応しいのは僕だ。」

「相応しいって何?私は好きな人と一緒になるそれだけだよ。」

「それならいいんだ。マナの1番好きな人は僕なんだから。」

「違うわよ。」

私は冷たく言い放つ

「外見が変わったぐらいで私が惚れると思わないで。マオを男として見るなら印象は最悪だからね。私を惚れさせる気が本当にあるの?そんなんじゃ絶対私は好きにならないよ。」

私は宣戦布告をする

「難攻不落の最強ヒロイン舐めんなよ。」

さぁ恋の戦争の始まりだ




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ