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第255話 2年生最後の夜

2年生の終業式を終えて春休みに入った

今年も桜並木が綺麗だ

春休みは朝から晩まで魔法の修行をしていた

特に強制されたわけではない

ただ力をつけないと不安だから

聖杯と共に魔法を使うことで使える魔力量が増えた

魔法量が増えて制御することが難しかったけれど

少しずつ上達して成長出来る感覚が楽しくて夢中になった

魔法の修行に明け暮れて春休みを過ごし

2年生最後の夜になった

「今日も最高に可愛いね。華ちゃん。」

寝ようとベッドに入ろうとした時、

実体でアルテミスが現れた

「毎年来るんだね。」

「1年の総括としてね!」

「総括かぁ…激動の2年生だったね。マオは家出して魔王になっちゃうし。」

「それに何より!初恋の年だよ!長年の夢だった華ちゃんが恋する姿を見れて感無量だよ…」

「恋愛難しすぎて詰んでるけどね。」

「恋愛初心者の上手くいかなくてドギマギしている華ちゃんを見れるなんて…最高。この間のバレンタインは天界でイチャイチャする為にわざわざ水龍を呼ぶなんて… すっかり恋する乙女の仲間入りだね。」

「恥ずかしいからそういうことあんまり言わないでよ。」

「照れてる華ちゃん世界一可愛い推せる。」

「うっさい!バカ!!」

「恋愛は楽しい?」

「難しい。平等に愛せないから。気持ちに優劣がついちゃうから。もう…恋をしたら元の平等主義の私に戻れない。」

「恋をしなければよかった?」

「…ううん。そんなことない。恋をして、人を愛してよかった。」

「これは私の見解だけど…華ちゃんは恋をして初めて普通の女の子なれたんだよ。等身大の普通の恋する女の子。モブ令嬢なんかじゃなくても…聖女だって普通に恋愛して悩んで成長する。華ちゃんはずっとずっと特別な女の子だった。けれど…やっと普通の女の子になれたんだよ。」

「普通の女の子は世界の命運背負わないけどね。」

「アハハハハハハ!!」

「私に世界の命運を背負わせた張本人には笑われたくないわね。」

「ごめんごめん!でも…きっと大丈夫さ!なんたって恋する乙女は最強なんだから!ハッピーエンドに決まってるさ!」

「そんな戯言はいいから…私がマオに余裕で勝てるぐらいの力を頂戴よ。」

「そんな力を与えられるならとっくにそうしてるよ。」

「もっとチート性能上げて欲しいんだけど。」

「聖女になって初日で魔王を倒したくせに…十分すぎるよ。」

「初日は魔王も力が弱かったからたまたま成功しただけだもん…今はもう完全体よ。スリー様からまともに戦えば勝率は2割だって言われたわよ。なんとかして。」

「聖杯を持てばパワーアップしたじゃないか。これ以上は無理だよ。」

「神様のくせに万能じゃないなぁ…」

「チートすぎても面白くないでしょう?」

「面白くなくていいからチートがよかった。」

「明日いよいよマオ君が転入生としてスカーレット学園の特進クラスに入学するね。」

「…そうだね。」

「最近の華ちゃんはいつも不安そうだったから心配だよ。」

「誰のせいだと思ってんだ!!」

「恋愛は失敗して当たり前なんだからさ。失敗して強くなるんだよ。あまり難しいことは考えずに素直な気持ちをマオ君に伝えるといいよ。」

「傷つけちゃうよ。」

「いいんだよ。恋愛なんてそんなもんさ。華ちゃんは1人しかいないんだ。誰か傷つくのは当たり前だ。」

「1番大切な人なのに…」

「傷つけることが悪じゃない。傷ついた後に、もう一度立ち上がれる強さを教えることの方が大事だろう?」

「そうだね…アルテミスの言う通りだ。」

傷つけることは悪じゃない

自分の気持ちをありのまま伝えて

傷つけたっていいんだ

辛い気持ちを力に変えて

成長していくんだから

負の感情は悪だと

そんな固定概念がダメなんだ

嫉妬や

憎しみや

劣等感

そんな負の感情こそ

私達の活力になることだってあるのだから

負の感情に押し潰されないように

心を強く持って生きていければ

それでいい

マオなら大丈夫

マオほど心が強い人なんていない

魔王のくせに

この世界の素晴らしさを私に説いた

たった1人の孤独になり

世界から迫害される存在だったのに

そんなこと出来るのは

心が誰よりも強い証拠



マオとの勝負の対面は明日

「ありがとう。アルテミス。おかげさまで少し心が落ち着いたよ。」

「華ちゃんの役に立てて光栄だよ。」

「明日はマオに素直な気持ちをぶつけてみるよ。」

「華ちゃん頑張ってね!」

「任せて!!」




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