第246話 魔法の秘密
私とスリー様はアーシャ国を存分に楽しんだので、魔塔に帰ってきた
「ミケお爺ちゃーーーん!!ただいま!!」
「もう帰ってきたのか。静かな生活を快適に過ごしていたのに。」
「またまた〜。そんなツンデレしちゃって!!寂しかったでしょう?」
「全然。全く。ちっとも。」
「寂しいこと言わないでくださいよぉ。」
「まぁ…お前の手料理が食べれなかったのは少し不便だったかな…」
「え…な…何それ…めっちゃキュンとしたんだけど…デレの破壊力凄すぎるんだけど…枯れ専に転身しちゃうよ…」
「何をわけのわからないことを言っとる。食事の用意がめんどくさかっただけだ。」
「もーぅ。そんな可愛いこと言ってくれるなら今日はミケお爺ちゃんの大好物の肉じゃが作ってあげる♡」
「な…何故知っている!?」
「やだなぁ!2年も一緒に住んでいるんだからそれぐらいわかりますよぉ。」
「儂は好きだなんて一言も言ったことないが…」
「表情でわかりますよぉ。」
「エスパーかお前は!気持ちわりぃ!」
「嫌いな食べ物はトマトです。」
「なっ…何故!?1回も食卓に上がったことないのにわかるんだ!!」
「だってこんなに畑があって野菜を育てているのにトマトだけないんだもん。簡単にわかるよ。」
「あ…」
「ちなみに私は好きなので時々お弁当にトマト入れて食べてましたよ。知らなかったでしょう?」
「知らなかった…」
「もうー!本当に魔法以外はポンコツなんだから!」
「人間なんて面倒だからいいんだよ。」
「あ!そうだ!魔法の新発見があったんですよ!」
「何?」
「私達って精霊を使って魔法を使うじゃないですか。自然豊かで精霊が多い場所は魔力が上がるんですよ!」
「…本当か?」
「あ!ほら!知らなかった!スリー様!こんな所で引き篭もってるから初歩的なこと知らないですよ!この魔法オタクが!!」
「…本当に知らなかったんですか?」
「…知らなかった。この国からほとんど出てないからな…」
「この国というかこの魔塔からほぼ出てないじゃないですか。」
「同じことだろう!?」
「アーシャ国は雪国だから氷とか雪の魔法が使いやすいんですよ。」
「精霊が動きやすいのか…」
「調べに現地行きますか?」
「いや…儂はいいや。スリーに行かせて調べて貰う。」
「少しは運動したらどうです?」
「こんなジジイを働かせるな。もう引退してもいい歳だぞ。趣味で魔法研究しているだけのジジイだと思え。」
「世界一の魔術師のくせに。まだまだ現役でしょう?」
「もうスリーにその称号も献上するよ。」
「何で私じゃないんですか!私だって全種類の魔法が使えるのに!!」
「お前に魔法研究を継がせるのは絶対に嫌だから。」
「何でですか!?私は1番弟子で優秀でしょう!?」
「儂が死んだら魔法研究なんて興味ないこと絶対しなそうだから。」
「…まぁ。そうですね。興味はないです…。」
「儂の命の研究室を埃まみれにして放置されたくないからな。」
「そうですね!スリー様が適任です!私にはとても出来ません!!」
「今勝手に任命されても困ります…」
「いいじゃないか。お前の家の男爵家なんて捨ててこの魔塔を守ってくれよ。」
「まぁ…この魔塔は好きなので。研究室を守るぐらいなら貢献しますよ。」
「やっぱり頼れるのはマナよりもスリーだな。安心して成仏出来るよ。」
「スリー様は優秀なのにこんな錆びれた魔塔の管理なんかにさせたら可哀想ですよ。この国を乗っ取れるぐらいに優秀なんだから。」
「マナは魔塔を何だと思ってるんだ!この国の1番の宝だぞ!!」
「1番はちょっと図々しいですよ。7番目ぐらいじゃないですか?」
「中途半端な価値をつけるな!!」
「あのー…そろそろ仕事に戻っていいでしょうか?」
「ちょっと待ってスリー様!白魔法の魔力が上がりそうな場所をミケお爺ちゃんに聞いてからにして!」
「白魔法の魔力が上がりそうな場所?」
「そうです!白精霊がたくさんいそうな場所ってどこですかね?」
「それはまぁ…ここじゃないか?」
「え?魔塔ですか?」
「魔塔というか…聖杯がいる所だろうな。」
「ええ…?アルテミスにそんな力ありますかね?」
「あんな変な神様でも一応この世界の神様だ。聖杯を持った状態で白魔法を使えば魔力が上がるんじゃないのか?」
私は自室にある聖杯を取りに行く
「やぁ!華ちゃん!!私をずっと置いていくなんてひどいじゃないか!寂しかったよ!」
「アルテミス。私の白魔法の魔力を上げることって出来るの?」
「目の前で華ちゃんが頑張ってたらねぇ。そりゃあ私も黙って見てるだけなんて出来ないから頑張っちゃうよぉ!!」
私はアルテミスの聖杯を持ってミケお爺ちゃんとスリー様がいる魔塔前の魔法練習場へと向かう
私は雑にポケットに聖杯を入れた
「あの…一応この世界の神様だからね?」
とスリー様に言われる
「いいの。いいの。じゃあこの魔法石に白魔法を込めるね。」
私はいつものように魔法石に白魔法を入れる
パァッと強い光を放ち
いつもの5倍程の魔力を感じる
「え…!ちょっと!!何これ!!アルテミス!!やりすぎ!!」
魔法石は魔力に耐えきれず破壊されてしまい
魔法石の破片が吹き飛ぶ
「きゃあ!!!」
「マナ!!」
「マナ!!大丈夫か!?」
「へ…平気。びっくりした…少し魔法を使っただけなのにあんな魔力が上がるなんて…」
「わ…私なんかやっちゃいました?えへへ…」
とアルテミスが言う
なろう系の主人公みたいな決め台詞言って満足そうに笑っている
ちょっと腹立つ
「魔力上がりすぎて使いこなせない…」
「ふん。軟弱だな。もっと特訓しないとな。」
「お手柔らかにお願いします…」
「バカ言ってんじゃねえよ。死ぬ気でやれ。」