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第233話 世界一かっこいい男

シャイニングツインスターズのアイドルステージの熱気が冷めないままミスコンが開かれた

今年はフェイ君がミスコンに選ばれた

圧倒的なビジュアルの良さは男も女も関係ない

フェイ君は一躍時の人になった

ミスコンのスピーチを堂々とするフェイ君は

内気で人と関わることが苦手だった姿はなく

強く正しく美しかった


メインイベントを全てこなし、残すは後夜祭のみになった

キャンプファイヤーの周りで好きな人とダンスを踊る

昨年はマオと一緒に踊った

あの頃は自分が一生恋なんてしなくて

マオと一緒に生きていけるって心の底から信じてた

もしも恋人が出来ても

マオを傷つけるような選択は絶対にしないと思ってたのに

マオを傷つけて

離れて暮らすことになるなんてね

人生思うようにはいかないな

誰と踊っても昨年のマオを思い出して

辛い気持ちになりそうで

相手の人にも失礼になるから

今年は屋上から1人で後夜祭を見守っていた

「あ…ミメットとカイが踊ってる…ローズ様とマリオお兄様も踊ってる…」

私が認知している2大カップルは幸せそうにフォークダンスを踊っている

私が普通のモブなら

アーネルド・マリアなら

今頃好きな人とフォークダンスを踊って

普通の幸せを手にしていただろうか

世界の運命を背負うこともなく

小さな幸せを噛み締めていただろうか

…たらればを言っても仕方がない

私は世界最強の聖女で

世界最強のヒロインの

エラート・マナなんだから

燃え尽き症候群なのか

昨年のことを思い出してなのか

幸せそうなカップルを妬んでいるからなのか

気持ちがセンチメンタルになってきてしまった

特に意味もなく涙が溢れる


「エラート・マナ!!!」

キャンプファイヤーの周りで大声で私の名前を叫ぶ声がしたので覗き込む

「俺と一緒にダンスを踊ってくれませんか!!」

大声で叫んで私を呼ぶレックスの姿がそこにはいた

らしくない熱血漢な姿に思わず笑みがこぼれた

レックスはブレないなぁ

いつでもどこでも世界一かっこいいんだから

主人公ムーブすぎるよ

私は屋上から飛び降りる

風魔法でフワッとレックスの前で着地をする

「熱烈なお誘いありがとう。」

「今日の主役に恥をかかせるようなことをマナはしないと思ったからね。」

「…フフッ。そんな同情でここに来たんじゃないわよ。熱烈なお誘いに心動かされて私が踊りたいと思ったから来たの。」

「惚れた?」

「惚れてはないけど。」

「残念。」

「でも…世界一かっこいいなとは思ってるよ。」

私の答えに満足したのかレックスは跪き、私に手をさしだす

「俺を選んでくれてありがとう。マナ。」

私はレックスの手を取りフォークダンスダンスをする

「ダンスも完璧でかっこいいね。レックス。」

「マナもダンス上手いね。さすが伝説のアイドル。」

「レックスも伝説になったじゃない。」

「まだまだだよ。マナには敵わない。」

「世界一かっこよかったよ。レックス。」

レックスは満足そうに微笑んで言う

「ありがとう。マナ。マナを少しでも夢中にさせることが出来たことが俺の人生の財産だ。」

「大袈裟だなぁ。」

「大袈裟じゃない。本当だよ。俺は…アイドルになる為に特訓した日々も本番のアイドルステージも、今こうやってダンスしたことも…俺の人生の大きな財産だ。」

「私もずっとずっと忘れないよ。練習した日々も今日のことも。」

レックスは不敵に笑ってアイドルオーラを出して言う

「俺にもっと夢中になるようにしてやるから。覚悟してろよ。」

私は不敵に笑い、レックスに負けないアイドルオーラで言う

「私に勝とうなんて100万年早いわよ。私は人を惑わす天才だからね。」

「勉強になるなぁ。」

「トップアイドルでもめざすつもり?」

「俺がいつも目指しているのはマナの1番だよ。」

勉強も出来て

運動も出来て

自分に自信があって

顔もかっこよくて

性格も優しくて

キザで

女の子が考える理想の彼氏No. 1はレックスだろう

世界で一番かっこいい

レックスに口説かれて惚れない女は

私だけだろう


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