第219話 マチャマチャ島到着
1日の船旅を終えて私達は南国リゾートマチャマチャ島へと到着した
マチャマチャ島の海はとても澄んでいて
肉眼でも海の中の様子がよく見えた
海藻や珊瑚、魚も見える
こんなに澄んだ海を見ることは初めてで大はしゃぎをしてしまう
「すごいすごいすごーーーーい!!こんなに綺麗な海初めて見たよ!!」
「本当に綺麗ね。前世はここまで綺麗な海は近くになかったからね。」
とローズ様が言う
「海が青というか透明だよ!!海の神秘が見えるよ!」
「綺麗な色の魚が多いわね。熱帯魚かしら?」
「明日やるスキューバーダイビングが楽しみすぎるよぉ!!」
「今日は到着したばかりだから宿で過ごすだけだもんね。」
私達は宿へと移動する
さすがはハーバランド国の貴族しか通えないスカーレット学園の修学旅行の宿といか
用意されていた部屋はどの部屋もVIP部屋のように広かった
人数分のふかふかベッドに
海の眺めが最高に綺麗なテラス
お風呂は部屋に露天風呂があり、海を眺めながら入ることが出来る
私の班のローズ様とミメットと一緒に私は同室だ
「どっひゃーー!!すごーーーい!!こんな豪華な部屋初めてー!!」
「そうなの?私の家はよく旅行に行ってたから豪華なホテルも何回か来たことあるわよ。」
とローズ様が言う
「私も家族が旅行が好きなので豪華ホテルはよく来てます。」
とミメットが言う
「え!?そうなの!?」
私はアーネルド・マリアの時、旅行どころか外への外出もあまりさせてもらえなかった
貴族のお嬢様はみんな箱入り娘だと思っていたのに
私の勘違いだったようだ
「マナ様はもう金も権力も手にしているんだからこれからはたくさん旅行出来るんじゃないですか?」
とミメットが言う
「うーん…それが意外とお金ってすぐなくなるのね。やっぱり稼がないと将来は不安だわ。」
「意外と保守派ですよね。マナ様。」
「そうでもないわよ。将来はピアニストになろうとしてるし。」
「え!?やっぱりそうなんですか!?ピアノコンクールで優勝してましたし…このまま辞めたらもったいないですもんね。」
「せっかくここまで弾けるようにニックが育ててくれたからね。卒業後はキッカ国に留学してピアノを学ぶ予定だよ。」
「じゃあニックを恋人にするってこと?」
「いや。ニックの告白は断ったけど。」
「どうゆうこと!?」
「ニックは関係なく留学するってことだけど。」
「ちょっと待って…じゃあニック以外の本命の恋人も一緒にキッカ国に留学するってこと?」
とローズ様が言う
「まだ恋も知らないのにそんなことわかるわけないじゃん。」
「そんなこと先に決めていいの?せっかく恋人になる人と離れ離れになる可能性が高いのに。」
「私の夢を応援してくれない男なんか選ばないからいいのよ。」
「…マナのそういうところが羨ましくもあるし嫌いなところでもある。恋人がマナに尽くして当然だと思ってる傲慢さが腹立つのよね。」
「恋人相手に私は絶対に甘やかさないわよ。浮気なんて絶対に許さない。私のこと大事にしない人になんの価値があるの?」
「それは振られた後も未練がましく縋っていた私への嫌味?」
「嫌味のつもりはないけれど…理解出来ないって感じかな。そんな酷い男を未練に思う情があることに。」
「すぐに感情は切り替えられないわよ。」
「浮気なんてされたら一瞬で冷めると思うけど。」
「山﨑先輩は浮気じゃなくて心うつりしたから別れて欲しいって言われたんだから!!誠実で優しい人だったわよ!!」
「うん…まぁ…私は普通にクズ男だと思うけどね。」
「まぁ…結果はそうだけど…マナに惚れる前までは本当にいい人だったんだから。」
「今の彼氏がとってもかっこいいからもう関係ないよね。」
「彼氏って…!!婚約者よ!!」
「同じじゃん。」
「マリオ様は誠実でいい人だよ。本当に。私にはもったいないぐらい。」
「何言ってるの。マリオお兄様がローズ様に不釣り合いなぐらい冴えない男だから。ローズ様もっと身分良くてかっこいい男なんて選び放題だっただろうに…」
「まぁ…決め手はマナのことを恋愛対象として絶対見ないだろうなって思ったから。」
「…。」
「またマナに負けて惨めな思いをするなんて嫌だったから。」
「ローズ様に私が勝てる要素ないですけどね。」
「ハッ!本当に煽り性能高すぎて笑える。」
「あの…何の話かわかりませんが修学旅行中なので仲良くしましょうよ…。」
とミメットが止めに入った
「そうだね。ごめん。」
と私が言う
「私も悪かったわ。」
とローズ様も言った
「仲直り出来てよかったです。」
とミメットが安心したかのように言う
「ローズ様。マリオお兄様がローズ様のこと大事にしなかったらぶん殴っていいですからね!」
「そうね。緊急事態の時、私よりもマナを守っても”仕事”だからと名目があるからね。世界唯一の聖女様を守らないといけないからね。」
「ローズ様よりも仕事とか私を優先したら絶対に許さないでよ!!」
「何言ってんの。マナを守らないと職務放棄よ?」
「ローズ様を泣かせるようなことするなら世界崩壊したって構わない。ローズ様が悲しむ世界に意味はないから。」
「そんなこと私は望んでない。」
「私は望んでいる。この世で1番幸せになって欲しい人No. 1のローズ様を泣かすようなことをするならこんな世界壊れたって構わない。この世で1番大事なのは私じゃなくてローズ様だから。覚えておけよ。」
私は陰で護衛しているであろう
マリオお兄様に言う
「なんで私にそんな優しくするの?前世でいじめていたのに?」
「大好きな推しだから。推しに幸せになって欲しいと思うのは当たり前でしょう?」