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第217話 修学旅行の班

体育祭は無事に終わり

次の日からは修学旅行の準備が始まる

2年生の2学期は怒涛のイベント続きで忙しい

私達が行くのは南国リゾートのマチャマチャ島だ

私とレックスが学級委員として修学旅行の班決めを進行する

「それでは好きな人と班を組んでください。」

とレックスが言う

何回聞いてもこのフレーズが苦手だ

自ら好きな人を選ぶという行為が苦手すぎる

先生が適当に決めたり

くじ引きで決めたりする方が私は好きだ

でも大半はそうではない

みんな仲の良い友達と一緒に修学旅行を楽しみたいに決まっている

「マナ。もちろん俺と一緒の班だよな?」

そう言って声を掛けてくるのはクリスだ

「…いいよ。」

「え!?本当に!?」

「うん。本当に。」

「やったーーーー!!!」

やったーって…そんなのこと言うキャラじゃないのに…フフッ

…これからどうなるかわからないから

だからせめて修学旅行だけでも好きな人との思い出が欲しいとそう思ってしまったんだ

「マナ。私も同じ班に入れてくれる?」

そう声を掛けてくれたのはローズ様だった

「私もご一緒でいいでしょうか。」

とミメットも言ってくれた

「もちろんだよ。クリスも一緒だけどいいかな?」

「なんで一緒なのよ。追い出しましょうよ。」

とローズ様に言われる

「まぁまぁ…。あんまりクリスと行事一緒にいてあげれなかったからさ。今回ぐらいはいいかなって。」

「はいはい。お得意の平等主義者のマナ様ね。」

「棘のある言い方するなぁ。」

「それで?あと1人は誰にするの?」

「え?私が決めるの?」

「そうよ。」

「そんなこと私には…」

「マナは受け身になりすぎ。自分から行動しないとダメだよ。」

「えぇ…そんな難しい任務を与えないでくださいよ。」

「マナが選んだ男ならクリスだって納得するだろうし。」

「誰を選んでも絶対文句言うじゃないですか。」

「それもそうか。いいから早く選びな!」

私は教室を見渡す

私が班のもう1人の男の人を選ぶという話題は注文の的だった

「…シガーレッド・アレクサンダーがいいな。」

私は新聞部のシガーレッドアレクサンダーを選んだ

「フフフッ。俺を選んでくれると思っていましたよ。マナ様。」

とシガーレッド・アレクサンダーは言う

「おい!!こいつは前の課外活動でもマナと一緒の班だったじゃないか!!特別に優遇されすぎだろう!!不公平だ!差別だ!!」

「だって…一緒にいて落ち着く人ってシガーレッド・アレクサンダーぐらいだし。」

「俺だって落ち着きのある男だ!!」

「現在進行形で騒がしい男だよ。」

「だってアレクサンダーを選ぶから!こいつはダメだ!マナのストーカー野郎だ!!」

「私のストーキング行為はガードン王からの勅命だからね。逆らえないわよ。」

「何だその話は!?初めて聞いたぞ!!」

「言ってないからね。」

「何故言わないんだ!!」

「クリスに報告する義務なんてないからね。」

私達の班はクリスとアレクサンダーとローズ様とミメットになった

「マナ様に選ばれるなんてとても光栄です。マチャマチャ島で一緒に楽しく遊びましょうね。」

「うん。よろしくね。シガーレッド・アレクサンダー。」

「よろしくするな!離れろ!離れろ!」

とクリスが騒ぐ

「マナってマチャマチャ島で過ごす服は決まってるの?」

とローズ様に聞かれる

「制服じゃないの?」

「基本制服だけれど、寝巻きや水着は用意して行くのよ。」

「水着は用意してるよ。」

「へぇ。オシャレとか無頓着だと思っていたのにもう決めているなんて意外ね。」

「私が選んだんじゃないから。」

「え?」

「は?」

「嘘でしょう…?」

とローズ様とクリスとミメットに言われる

「マナが選んだんじゃない?誰かから貰った水着ってこと?」

「そうだよ。」

「…修学旅行にこの水着を着て欲しいって?」

「うん。」

「誰に?」

「え?」

「誰に貰ったの?その水着。」

あ…

ここまで言われて私の言っている異常性に初めて気がつく

人から貰った水着を着るなんて

普通に考えたらおかしすぎる

貰った相手はもちろんイシュタル先生なんだけど

当然言えるわけがなく

私の目は泳ぐ

「べ…べつに誰でもよくない?」

「誰でもいいなら言えばいいじゃない。何故隠そうとするの?」

「隠してるわけじゃないけどさ…」

「じゃあ言いなよ。誰なの?」

「えっと…ちょっとエッチなお兄さんというか…」

「は?」

「でも健全な関係なんだよ?」

「マナに水着を買って着せようとしてるのに?」

「可愛い水着だったから。」

「今すぐ捨てろ。そんなもの。」

「ええ…もったいないよ。」

「絶対危ないから。その男と2度と関わらない方がいいわよ。というか名前は?誰なの!?」

そこにいる私達の担任の先生イシュタル・ヤクモです

私の体操服を盗んだ変態教師です

「契約で言えないの。ごめんね。」

「契約!?なにそれ!?マナ!?」

「健全な関係だから。」

「嘘つけ!!」

その後もローズ様とクリスにしつこく問い出されたがなんとか逃げてオーケストラ部の練習へと音楽室へと駆け込んだ

「マナ。」

「ニック!はぁああああああ。もう疲れたよ。早く練習始めよう。」

「誰なの?」

「え?」

「マナに水着をあげた人だよ。誰なの?」

ここにも私に問いただす人がいて疲労感が上がる

めんどくさいなぁ…

「私が飼育している変態です。この世の禁忌なのでもう触れないでね。」

とニックに嘘のような本当の話をした

「…趣味の悪いペットですね。」

「飼えば情が湧くものですから。」

「捨てればいいじゃないですか。」

「飼い主が責任を持って看取るまでそばにいてあげないとね。」





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