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第215話 女装

あっという間に月日は過ぎて体育祭当日になった

体育祭で私の体操服が盗まれた事件は

私の心を深く傷つけた事件として

学園全体が私のことを気遣ってくれて配慮をしてくれていた

チアガールは男子がやることになったり

私の出る競技はリレーのみだ

そんなに気遣ってくれなくても私は体操服を盗んだ犯人のイシュタル先生とは和解しているので大丈夫なんだけどね

学園全体が私を気遣っているのに対して事件を起こしたイシュタル先生はデリカシーのカケラもなく

“体育祭でチアガールが着れなくなったから私がマナ専用のチアガールの服を用意したよ!!”

と言って私は今日の朝にチアガール姿にさせられていた

私の体操服を盗むなんて大胆なことをした犯罪者の面の皮の厚さに少し感心してしまうほどだ

図々しすぎる

反省しているのかこの変態教師


「別に休んでも良かったのに。体育祭なんてそんなに重要なイベントじゃないわよ。」

そう言ってくれるのはローズ様だ

私と同じで今回の体育祭はリレーしか参加しない

私の側にずっといれるように配慮してくれたようだ

「白魔法があるから体調不良で休めないのが難点よね。」

「今日ぐらいサボっても怒られないわよ。」

「リレーだけだし。大丈夫だよ。」

「マナの口癖が“大丈夫”なのが嫌い。しんどいときはしんどいってちゃんと言いなさいよ。」

「みんなが思ってるほど私は体育祭にトラウマはないわよ。それに今日は楽しみにしてきたのよ?」

「楽しみに?リレーを?」

「違うわよ。女装チアガールを。」

「男がチアガールになって何が楽しいの?」

「わかってないなぁ。男がチアガールをやることで新しい発見があるかもしれないわよ?普段パッとしない子が女装をすると化けるぐらいに可愛くなるとか!!」

「うん…まぁマナが思ったよりも元気そうで楽しそうでよかったわ。」

いよいよ応援団の時間になった

「マナ先輩!!どうですか?似合っていますか?」

フェイ君がチアガールに着替えて1番最初に私駆け寄って見せてくれた

「うん。世界一可愛いよ。フェイ君。」

「えへへ!!」

照れながらフェイ君は笑う

かわいい

「僕の親友のジャンは僕が仕上げたんだ!」

そう言いながらフェイ君はジャン君の手を引っ張って連れてきた

「どうですか?世界一可愛いですか?」

とジャン君が私に聞く

ジャン君はフェイ君が仕上げた最高傑作なだけあって

めちゃくちゃ可愛かった

髪はピンク髪のツインテールほウィッグをしていて

メイクもばっちりだ

「世界一可愛い。とても似合ってるよ。」

「あー!!僕に世界一可愛いって言ったのに!マナ先輩のバカ!!」

「どっちも世界一可愛いよ。同率1位だから。」

「たしかに?僕がジャンを仕上げたからとってもとっても可愛いのはわかるけど、まだまだ僕には敵わないよ!!」

「フフッ。女装するのは楽しいね。マナ先輩を俺が誑かせるようになるなんて思わなかったな。」

「あー!ダメだからね!マナ先輩は僕のだからー!!」

フェイ君とジャン君の可愛い小競り合いを聞いてるだけで可愛過ぎて昇天しそうになった

世界一可愛い空間で息が出来ることに感謝

「あれ?いないなぁ…」

「誰を探しているのですか?」

「クリスもチアガールになってるはずなんだけど。」

「あぁ。恥ずかしいみたいですね。マナ先輩の後ろに隠れていますよ。ほらっ!僕が仕上げてめちゃくちゃ可愛くなってるクリス様を見てもらいなよ!!」

そう言って私の後ろに隠れていたクリスが出てきた

長髪の金髪ウィッグをつけていて

ローズ様のような美人系のメイクをしていた

やばい好みどストライクすぎる

私と目が合った瞬間に顔を真っ赤にして照れていた

「は…恥ずかしいからあんまり見ないで…」

こんなに照れているクリスを初めてみた

可愛い

可愛すぎる

「え…惚れちゃうぐらい可愛いのに…」

「え。」

「え?」

「マナは…ローズが1番好きとか言うし、フェイも特別扱いだし、やっぱり可愛い子が好きなのか?」

「え…うん。まぁ可愛い子は好きだよ。」

「俺も毎日フェイのように女装すれば好きになってくれるか!?」

「…プッ。アハハハハ!!やだなぁ。外見なんて私にとってはあまり関係ないわよ!クリスはそのままでいいの!」

「笑った…。」

「え?」

「俺の前ではあまり笑ってくれないから。俺はマナの全てが好きだけど、それでも俺が惚れた元凶の笑顔のマナが1番好きなのに。俺にはユーモアセンスがないのか俺に笑いかけてくれることなんて少ない。…他の人の前ではニコニコ笑うのに。だから…今笑ってくれて嬉しい。」

私はクリスの顔をもちもち触る

「私に笑ってほしいならその仏頂面をどうにかした方がいいわよ。笑顔はうつるものだからね。」

私がそう言うと

屈託のない純粋無垢な笑顔でクリスは笑った

心臓が飛び出るかと思った

不意打ちでそんな笑顔をみせるなんてずるい

「マナが笑って喜んでくれるならチアガール姿になれてよかった。フェイやジャンと比べるとゴツいから似合わなくてガッカリされるかと思ったけれど…こんなに笑顔で笑ってくれるなら勇気を出してやってよかったよ。」

「クリスも世界一可愛いよ!頑張って!!」

そう言ってクリス達を送り出した

3人とも可愛くて美人なチアガールに

生徒達は大盛り上がりだ

チアガールの演舞は本格的なもので

フェイ君はクリスに投げられて宙を舞っていた

大きな拍手と大きな歓声が鳴り止まず

応援団の演舞は大成功で終えた





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