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第212話 牢屋生活

「貴様がマナの誘拐を先導したにも関わらず、何故かマナに気に入られて生かされていると噂のルーク君か。」

バーバランド国に着いてすぐに俺はバーバランド城へと騎士団に連行され、この国の王様ハーバランド・ガードン王に現在詰められている

「…俺はマナ様を誘拐しようなんてこれっぽっちも思っていませんでした。仲良くなる計画なんて上手くいくと思わないじゃないですか。」

「実際上手くいってマナを危険な目に合わせたのだろう?」

「それは……そうですが。事前に全て俺の知っている情報は話しましたよ。俺はマナ様側に寝返って誘拐犯を殲滅させたんです。俺はマナ様に敵意なんてありません。」

「敵意があるとか好意があるとか関係ない。貴様はマナを危険な目に合わせた。それだけで重罪だ。」

「マナ様の合意の上でした!全て伝えた上で作戦に乗ったのはマナ様です!!俺が話をした後に誘拐犯と関わらない方がいいと俺はちゃんと説得しました!!」

「言い訳はいい。貴様のせいでマナが危険な目に遭った。それは紛れもない事実だ。本来ならここで斬首刑にするべきだが…厄介なことにマナと友人になり、マナからこの男を捕えるだけで罰を与えるなと指示を受けている。」

「俺は牢屋行きですか…?」

「こんなどうしようもない最低最悪な男を生かす為に食事を用意するのも嫌だが、マナの望みを無視するわけにはいかない。」

「いつ解放されるんでしょうか…」

「俺としてはすぐに解放してマナの知らない場所でこっそり暗殺したいけどな。」

「暫く牢屋で過ごします。」

「マナはどうしてこんな男を助けようとするのか理解に苦しむ。マナは変態を飼う趣味でもあるのか。」

「俺のような人間にも平等に愛を与えてくれましたよ。マナ様には感謝しています。」

「当たり前だ。マナの殺さないで欲しいという指示がなければ今頃お前は屍になっているからな。ちなみにお前が連れてきた誘拐犯共は全員処刑済みだ。お前の彼女も死んだよ。」

「そうですか。」

「愛する彼女が殺されたのに表情1つ変えないんだな。」

「もう愛していませんから。醜い女に興味ないんですよね。俺。」

「…狂ってるよ。お前。」

「それでもいいんです。マナ様はそれでも愛してくれますから。」

「マナは外見で判断するやつを世界で1番嫌っているはずだが。」

「嫌いな人にも平等に愛を与えてくれるんですよ。マナ様は世界最強の聖女様ですからね。」

「意味不明だな。」

「俺もそう思います。」

「…マナが牢屋から出せと言うまでは貴様は牢屋生活だ。

「…わかりました。」

俺は騎士団に牢屋に入れられて牢屋生活が始まった

硬いベッド

最低限の食事

シャワーが与えられ

それ以外は何もすることがなかった

毎日同じことの繰り返し

何もしない時間というのは

思っているよりも苦痛だった

そんな生活を1週間続いたある日

「やっほー!久しぶり!ルーク!」

この世界で1番美しい女神

私の救世主

マナ様が現れた

「うわああああああああああああああんん!!マナ様ああああああああ!!相変わらずお美しい!!会いたかったですうううう!!1週間もほったらかしにするなんてひどいですうううう!!」

「ごめん。ごめん。私も色々あって外に出れなくてさ。今日やっと会いにくることが出来たの。元気そうでよかった。」

「全然元気じゃないですよ!今すぐ牢屋から出してください!!こんな牢屋生活続けていたら気が狂います!!」

「うぅーん…まともな社会復帰が見込めるまで出したくないんだけどなぁ…」

「できますよ!俺は女関係はだらしなかったですが仕事は真面目にしていましたから!!問題ないです!」

「いや…女関係だらしなかったからこんなことになっちゃったんだよ?そこを問題視してない時点でちょっとまだ牢屋から出すのは時期尚早だと思うけど。」

「男は女に騙されて生きていくものですから!」

「何その偏見…」

「価値観を変えろと言われましても急には無理ですよ!犯罪に手を染めない程度にしますから!牢屋から出してください!」

「うーん…じゃあスカーレット学園のの庭師として働く?」

「え…い…いいんですか?大出世ですけど…」

「寝て起きるだけの生活なんて病んじゃうからね。社会復帰には働かせないと。それに私が監視できる範囲で働いてほしいし。」

「やります!働かせてください!」

「学園で働く条件は1つ。」

「何ですか?」

「私が紹介する相手以外とは付き合わないこと。遊びもダメ。女友達もダメ。」

「えええええ!?厳しすぎないですか?俺は何も目標に毎日頑張ればいいんですか!?」

「今の約束を守れるならこれあげる。」

マナ様の手には写真があったので手に取って見てみると

「うわああああああああああああああああああ!!!」

「うるさい!!!」

マナ様が猫耳メイド姿で上目遣い猫ポーズをしている

超絶可愛い写真を渡された

「な…なんですか!!この犯罪級に可愛い写真は!!」

「条件を飲むなら…」

「飲みます!!」

この写真は棺桶に入れて一緒に燃やしてもらう

一生俺の宝物だ

「この写真を見つめるだけで毎日の仕事が頑張れます…本当にありがとうございます…」

「気に入ってくれてよかった。」

しかしこの写真は何故あるのだろうか

マナ様にコスプレ趣味でもあるのだろうか

「マナ様ってコスプレの趣味があるんですか?」

「ないけど。」

「こんなクオリティ高いメイド服を持っているのに?」

「私の服じゃないし。」

「誰の服なんですか?」

「内緒。」

「まさか…盗んで…」

「違うわよ!!バカ!!!とにかく私からガードン王にルークがここで働けるように頼んであげるから!女に惑わされることなく真面目に仕事してよね!!」

「はい!マナ様に助けてもらったこの命!!恩返しできるまでルークは頑張ります!!」

マナ様の指示通り俺は牢屋から出てスカーレット学園の用務員室へと案内されて

明日から庭師としてスカーレット学園で働くことになった

女遊びが出来ないのは残念だが

「フフッ。本当に可愛い…」

俺はマナ様から貰ったメイド服のマナ様を見る

外見至上主義の俺にとってこの写真は

最大級のご褒美だ

「欲を言えば俺は美人系の方が好きだから、今度眼鏡教師姿とかやって写真撮ってくれないかな…」

真面目に仕事をすれば

マナ様の条件を守れば

マナ様は俺の要望に答えてくれるだろう

マナ様はそういう人だ

俺のような平々凡々な

生きてても死んでても関係ない

モブ人間にも

平等に愛してくれるんだから



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