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第204話 軽口雑談

誘拐犯達を全員気絶させたところで私は膝から崩れ落ちる

「ハァ…ハァ…」

体の力が抜けていく

立っていることも出来ない

魔力枯渇による反動で高熱が出て倒れてしまった

苦しい…

時間にすれば5分ぐらいしか戦っていないのに

こんなことで倒れてしまうなんて

まだまだ力不足だ

こんな状態ではとてもじゃないけれど

マオには敵わない

「マナ!!」

「マナ様!!」

護衛騎士のマリオお兄様とレイが倒れた私の元へと急いで駆け寄ってきてレイが私を抱き抱える

「大丈夫…これぐらいならスノーから貰った薬ですぐ回復出来るから…」

春休み中何度も倒れた時に飲んでいた薬を持って来ている

「早く!!飲んでください!!」

レイが私の口に薬を入れる

水で流し込んで薬を飲んだ

「このまま少し休めば回復するから。」

「無茶しないでくださいと言ったのに!!」

「薬飲んだら大丈夫ぐらいにセーブ出来たじゃん。」

「倒れるまでやらないでください!!」

「うるさいなぁ…全員制圧出来たんだから褒められてもいいはずなのに。」

「マナ様の体調が最優先と言ったはずです!取り逃がしてもまた時間をかけて捕えればいいだけですから!!」

「手間が省けたじゃん。」

「もっとご自身の体を労ってください!毎回死にかけギリギリまで魔力を使うといつか本当に死にますよ!!今回は医者のスリー様もいないから絶対に力を使いすぎるなとあれほど言ったのに!!」

「わかってるわよ。だから無事に終わったでしょう?」

「高熱で倒れているじゃないですか!!」

「説教はあと…もう寝かせて…」

「俺が必ず魔王を止めてみせますから!だから…今は…よく寝ましょう…」

私はレイに抱き抱えられたまま眠りについた



目を覚ますと宿のベッドにいた

熱はほとんど引いており微熱程度まで回復していた

「目が覚めたか。気分はどうだ?」

マリオお兄様が側で見守ってくれていたようだ

「もうすっかり元気ですよ。スリー様の薬のおかげですね。」

マリオお兄様は私のおでこに手を当てて熱があるか確認する

「まだ少し熱があるみたいだ。今日は1日休みなさい。」

「はーい。」

「食事はたべられそうか?」

「スープがいいな。」

「わかった。用意させる。」

「お兄様の手作りがいいな。」

「…俺が料理下手くそなこと知ってるくせに。」

「愛情があるスープが元気になるの。」

「まずいスープで回復出来るわけないだろう?」

「1番回復出来るのになぁ。食べたいなぁ。」

「プロに任せた方が絶対いいのに。」

「だめ?」

「仰せのままに。ご主人様。」

「フフッ。昔からなんだかんだ我儘聞いてくれるよね。優しいんだから。」

「お前がしつこいだけだろ。こっちが折れるしかないんだよ。」

「女の子はちょっと我儘なぐらいが可愛いもんなんだよ?」

「ルナはちょっとどころじゃない。めちゃくちゃ我儘だ。それを持ち前の可愛さで誤魔化して許されているのが本当に心配だ。」

「ローズ様は?マリオお兄様に我儘言わないの?」

「え。」

私は婚約者のローズ様の話題を振ると明らかに動揺し始めた

「ローズ様はいつも従順だよ。我儘なんて言われたことないね。」

「えぇ〜?なんかちょっと寂しいよね?」

「…俺の話はもういいじゃないか。」

照れてる

マリオお兄様は家の為の政略結婚をしそうだったし

婚約者なんて雑に扱いそうだったのに

政略結婚でも

こんなにメロメロになるなんて

さすがローズ様だな

あんなに可愛くてかっこいい女の子他にないもん

「我儘言わせるほどまだ心の距離が近くないのよ!!マリオお兄様は口下手なのを理由にしてローズ様に甘えすぎなのではないですか?もっと!マリオお兄様からアプローチしてあげないと!!」

「うるせぇ!!恋人もいないやつが一丁前にアドバイスするな!!俺のことはほっとけ!!」

「ほっとけるか!!私の最推しのローズ様を寝取りやがって…幸せにしないと呪ってやるんだから!マリオお兄様なまんて女心がわからなくてそのうちローズ様泣かせることになるわよ!!」

「なっ…余計なお世話だ!!俺はローズを大事にしている!お前に説教される筋合いはない!!」

「もっと言葉で愛を伝えるといいわよ〜。」

「お前にだけは恋愛を教わりたくない。」

マリオお兄様と軽口を叩いているうちに

体調はすっかり良くなってきた

マリオお兄様は私の為に野菜スープを作ってくれた

驚くほど味が薄くて相変わらず料理は下手だったけれど

久しぶりのマリオお兄様の手料理に心は大満足だ

「あったかい…ありがとうマリオお兄様。」

「美味しくないだろう?」

「うん。でも私はこの味が好き。」

「…早く元気になれよ。」

「ありがとう。マリオお兄様。」

「全部1人で抱え込もうとするな。俺とレイで魔法を止めれるように修行するから。ルナは何も心配しないで笑って見守っている間に終わらせるよ。だから…無茶はしないで。俺はルナが倒れる姿なんて2度とみたくない。」

「助けてくれると信じてるから倒れてるのよ?」

「ふざけんな。」

「冗談よ。」

「本音のくせに。」

「アハハ!」

「笑い事じゃねぇ!!もっと自分を大事にしろ!お願いだから!!」

「私より大事なことが世の中にありすぎるからなぁ。」

「ないよ。マナより大事なことなんてこの世にはない。だって…この世界の神様はマナの為にこの世界を作ったんだ。」

「私の為の世界ならもっと融通きかせてくれてもいいのに。とりあえず魔力の量を上げてくれないとすぐ倒れるからねぇ。」

「それは…まぁたしかにそうかもしれないね。」

「神様ってケチだよね。」

「お前ぐらいだよ。神様に悪態つくの。」


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