第194話 入れ替わり-マナside3-
昼休みになり、私は生徒会室へと移動する
「こんにちは〜。」
「うわっ!フェイ君!?」
生徒会長のマール様が先に来ていた
「どうしたのですか?そんなに驚いて。」
「当たり前だよ!フェイ君いつもと全然キャラが違うじゃん!フェイ君どうしちゃったの?マナのまねしてる?」
「…挨拶しただけですけど。」
「ファイ君はそんなアホっぽい挨拶なんてしなかった!マナに憧れてそんなことをしているなら今すぐにやめた方がいい!マナは顔面は可愛いが性格は魔性だ!中身の人格は大勢の人間を虜にして狂わせる魔性の女だ!絶対にマネしてはいけない!」
真剣な眼差しでフェイの変貌に力説をされた
意図せずあマール様からの私の評価が知れてしまった
マール先輩私のことそんな風に思っていたなんて…
知りたくない事実が浮き彫りになってしまった
「わかってますよ。僕はマナ先輩が好きですけれど、マナ先輩になりたいわけじゃないですから。」
「憧れだけにしといた方がいいよ!」
満面の笑顔でマール様は言う
目の前で堂々と酷評されて苦笑いすることしかできなかった
「マナ。」
クリスが後ろから抱きついてきた
「あれ?もうバレてるの?」
「すぐにわかるよ。どんな姿をしていてもマナはマナだ。」
「フェイ君は?」
「もうすぐ来ると思うよ。俺は走ってきたから。」
「どうして?」
「わかってるくせに。マナに1秒でも早く会いたかったからだよ。」
「フフッ。言わせたかったの。ごめんね?」
「満足した?」
「まぁね。」
「え?何?マナってどういうこと?フェイ君だよね?」
マール様が状況がわからずパニックになっている
「私がフェイに見えますか?マール様?」
私はマール様の目をみて揶揄うように言う
「…本当に?マナなの…?」
「はい!人を惑わす魔性の女のマナでーーーす!」
「ひっ…!!ちっ違うんだ!!あのっ…ごめんなさいいいいいい!!殺さないで!!!」
「そんなことで殺すわけないじゃない。私のことなんだと思ってるのよ…。」
「ううう…!!俺の尊敬するスリー様まで骨抜きになるほど虜にさせる魔性の女だと思っています!!スリー様は言ってました!マナを怒らせたら命を刈り取られるって!!」
「あぁ…まぁ…私が怒ることなんて滅多にないから大丈夫ですよ?」
「やっぱり怒らせたら殺すつもりなんだ!しっ死にたくないよぉ!!」
「私は基本的に大事な人を酷い目に遭わせたりする人に対してしか怒りませんから。マール様はフェイ君を大事にしてくれていたら私が怒ることはないです。フェイ君に酷い事したらぶっ殺します。」
ぴくっとクリスが反応した
まさかとは思うけど…フェイ君になにかしたのか?
フェイ君のこと大事にしていたはずなのに…
「肝に銘じます。」
マール様が言った
ガチャと扉が空き、私の姿のフェイ君が生徒会室へと入ってきた
私達はサンドイッチを食べながら今日の報告をお互いにする
フェイ君は苦労しているらしいけど
私はとても楽しい
早くこのサンドイッチを食べ終えて小説の続きが読みたい〜
フェイ君は友達と恋人が欲しいと言うのでエールを送ってあげた
フェイ君めちゃくちゃいい子だから絶対大丈夫なのになぁ
差別主義者のクソ野郎の声が世間の声の全てだと思い込んでるからなぁ
差別するやつなんて少ないのに
大抵みんな気にしてないのに
クズほど大袈裟に騒ぐからなぁ
滅べばいいのに
フェイ君を励まして見送り
私も教室へ戻る前にクリスに言う
「ねぇ。今日フェイ君に何かした?」
「え?な…なんで?」
「さっきフェイ君に酷いことしたらぶっ殺すって話した時に動揺してたから。」
「…ちょっとだけ。」
「は?何したの?」
「下着の色を聞いただけ…」
私はクリスの顎にアッパーを入れた
「死ね!!!ゴミ!!!」
フェイ君の体ではあまり力が出ないので
あまり痛くなかったらしく平然と立っていた
「ごめんなさい。2度としません。許してください。」
「大好きな人にそんなことされて…可哀想なフェイ君。死に晒せ!!ゴミ!!」
「マナの下着を見たって言うからどうしても知りたかったんだ!!」
「それぐらい何よ!!私なんてフェイ君のちんこ見たわよ!!」
「何してるんだ!!変態!!」
「シャワー浴びただけだもん!!」
「朝からシャワー浴びる必要なんてないだろ!!変態!!」
「髪を整えるのに必要だったんですぅ!!」
「2度と入れ替わるな!!」
「嫌よ!!こんなに楽しいのに!!」
「俺と入れ替われ!!」
「嫌な予感しかしないから絶対に嫌!!」