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第174話 諦めないよ

朝食を一緒に作るレックスといつもの雑談をする

「もうすぐまた課外活動だね。」

「二年生は水族館に行くんだよね。楽しみだなぁ。」

「マナは初めて?」

「前世ぶりだね。」

「前世の世界はこっちの世界と同じような感じなの?」

「いや。全然違う。魔法なんかないし、貴族社会じゃない。前世の世界は民主主義だったから。」

「へぇ。そんな世界でも遊園地もあるし、水族館もあるの?」

「前世の世界の方が娯楽は充実してたよ。スマホとかあるし。」

「スマホ?なにそれ。」

「小さい板みたいな物で何でも出来ちゃうの。」

「火が出たり、風を巻き起こしたりするのか?」

「フフッ。違う違う。遠くの人と話したり、色々な情報を調べたり、映画とかも見れたり、本も読めたりするんだよ。」

「そんなことが出来るの!?凄い!!」

「前世は科学の力が発達していたからね。この世界は魔法があるから科学力の発達はまだまだこれからって感じだよね。カメラとかラジオは一応あるけど。」

「マナが作れないの?スマホ。」

「私には理解できない科学技術だから無理だね。」

「えぇ…残念…」

「前世の頃、私は水族館が好きでね。全国の色々な水族館に行ったなぁ。シャチがいたり、クラゲが有名だったり、色々な水族館があったんだよ。」

「いいなぁ。マナと一緒にデートしたいな。」

「私が魚に夢中になりすぎてつまんないかもしれないよ?」

「構わないよ。そんなマナを隣で見れることが幸せだから。」

「相変わらずキザだねぇ。」

「マナこそそろそろ俺を好きになってもいいのに。」

「私は心に決めた人がいるので、レックスとは付き合えません。ごめんなさい。」

「…え?」

「ごめんね。」

「誰?」

「それは言えないけど。」

「どうして?」

「世界平和の為に。」

「攻略対象者じゃないってこと?」

「黙秘します。」

「…ふーん。そいつが好きだけど付き合ったりは出来ない状況ってことか。」

「黙秘します。」

「一回フラれたぐらいで諦めないよ?俺は。」

「えぇ…困る…」

「どこの誰だか知らないが俺の方が絶対にマナのことが好きだし、マナを幸せに出来るからな。」

「別に私は好かれてなくても、幸せになれなくてもその人を選んだと思いますよ。」

「…マナからそんな言葉が出るなんてね。本当に好きなんだ。そいつが。フェイか?」

「大好きですよ。誰かは言えません。」

「世界平和にならないんだろう?」

「…。」

「じゃあ絶対に俺に惚れさせるから。」

「無理だよ。私はその人しか愛せない。諦めて。」

「そんなわけない。初恋で感情が昂ってるだけだ。恋は熱しやすく冷めやすいものなんだよ。」

「じゃあ今私への気持ちを冷ませてください。」

「俺のマナへの愛は死ぬまで冷めないよ。」

「私もです。諦めてください。」

「じゃあ学園を卒業するまで。その間だけで俺に惚れさせる。卒業してもマナの気持ちが変わらなかったら諦めよう。」

「…今諦めた方が身を滅ぼすことにならないと思うけど。」

「俺はもうマナの虜さ。もうとっくにこの身もこの心も捧げてしまっている。今さら浅い傷で済ませようなんてそんな次元ではないよ。」

「こんなに素敵な人なのに私なんかに誑かされちゃって可哀想。」

「いつかは俺を選ぶよ。だから問題ない。」

「そう…この世界で私が唯一救えないのはもしかしたらレックスかもしれないね。」

「マナに恋をした俺が不幸せになると言っているのか?みくびるな。マナの思う気持ちを否定するな。この感情を俺は誇りに思っている。誰よりも俺は幸せだ。」

「そうだね。私の価値観で勝手なこと言ってごめんね。」

「マナは俺の心配なんてしなくていい。俺が勝手に頑張って惚れさせる。それだけだ。俺が不幸になるとか考えるな。」

「ありがとう。レックスは本当にはかっこいいね。」

「惚れたか?」

「…フフッ。私かっこ悪い人が好きなの。ごめんね。」

「マナは逆張りすぎるよ!!かっこいい人間の方が絶対いいぞ!!」

「人の欠点を愛してこそ本当の愛だと思いませんか?」

「マナの浮気性なところを愛せと?無理だよ。」

「アハハ!!私は一生人を惑わせて生きていくだろうからねー!!」

「少しは自重しろ!!」

「自重しても惑わせていたからもういいやって。」

「目を合わせるだけて人の心を奪うからな。」

「そうそう…。あれ?それ前世の話じゃない?誰から聞いたの?」

「アーネルド・マリア。」

「佐々木華は恐ろしい女だったからね。」

「今もだろ?エラート・マナ。」

「ちょっとはマシになったと思うんだけどなぁ…」

「クリスがくっついてるからだろう?誰も寄り付かないのは。」

「そうかもしれない。」

「課外活動もクリスがくっついてきて大変だろうから俺が同じ班になるよ。」

「今回はレックスじゃない人と一緒の班になろうと思ってるから。ごめんね。」

「ええ…フラれた男を労ってくれよ。」

「気まずいじゃない。」

「そんなことを気にするな!!俺はマナと一緒がいいんだ!!」

「私が誘って断られたら同じ班になろう。」

「誰を誘うんだ?」

「シガーレッド・アレクサンダー。」

新聞部の部員で私の監視を任されている男だ


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