第171話 第二回恋愛相談
「第二回恋愛相談回〜!!」
私は再びニックに昼食呼び出されて
第二回恋愛相談回に参加している
前回とメンバーは同じく
カイ、ミメット、ニック、私だ
「また呼んで頂けるなんて光栄です!ニック様!」
マナが最近元気がない様子だから。少し気晴らしになるかなと思って。」
私のことを元気づけようとニックはしてくれているのか
本当に有難いなぁ
マオのこともだけれども
今日はローズ様とマリオお兄様のカップル誕生に大ダメージを受けたので
傷心の私には本当に嬉しい恋愛相談回だ
「マナ様その後どうですか?ラブラブの恋人は出来そうですか?」
カイが話を降ってきた
「全然。ちっとも。」
「あらら。これは前回よりも重症になっていませんか?何があったんですか?」
「別に。何も。強いて言うなら円満に別れさせるやり方とかを教えて欲しいですね。」
「どっしぇぇぇぇぇ!!!まさかの横恋慕狙いですか!?不倫とか辞めてくださいよ!!」
「そんなんじゃないわよ。私はただ私の推しのローズ様が憎き男の手にかかってしまったことを憂いているの。」
「ローズ様はそいつに酷いことをされているんですか?」
「いいえ。とても大切にされていて幸せそうにしているわ。」
「…諦めましょう。幸せな恋人同士を引き裂くなんてこの世で一番やってはいけない悪行ですよ。」
「くそ!!どうして!!私じゃダメなんだ!!」
私は思わず机に台パンをする
「仕方ないですよ。ローズ様は諦めて新しい恋をしましょう?」
「この気持ちをすぐに消すことなんて出来ないよ!!」
「マナ様はいい男なんて選び放題じゃないですか。」
「やぁだぁ!!男なんてどうせ女を卑下しているんだから!!佐々木華がモテていたのは可愛いからだけじゃない!!大人しくて、なんでも言うことを聞きそうで従順そうな女だからなんだよ!!あと体がエロいからだよ!!」
「佐々木華って誰ですか?」
「痴漢される女は可愛い女でも、スタイルがいい女でもない!!佐々木華みたいな反抗しなそうで!!大人しくて!!何をされても我慢して震えることしかできなさそうな!!気の弱い女が狙われるんだよ!!」
「だから佐々木華って誰なんですか!?マナ様!!」
「とにかく私がいいたいのは!!男なんて嫌い!!嫌い!!嫌い!!嫌い!!!」
「うーん…。ニック様からマナ様の状態が良くないかもしれないと聞いていたけれど…予想以上ですね…」
「今の私は金もあるし、権力もあるから私のことを簡単に性的搾取しようとする男がいないのは最高よね。世の中やっぱり金と権力よ。」
「目にハイライトがなくなってますよ?闇堕ちしちゃってませんか?」
「私のことを愛する男が嫌い。私のことを支配して手懐けようとしている極悪人なんだから。」
「すごい偏見だあ…。」
「真理でしょう?」
「マナ様。貴方を愛してくれる男は極悪人ではありません。それに…男が嫌いだと言っていましたが、差別的な考えはよくないですよ?過去に酷い体験があったのかもしれませんが、それはその人が極悪人だっただけです。男の人も女の人もいい人がいて、悪い人がいます。だから、マナ様のことが好きな人が全員極悪人ではありません。いい人も悪い人もいます。そうでしょう?」
「そうだね。私が悪い。差別的なのも良くない。わかってる。でもいやらしい目で見ないで欲しい。私のことをちゃんと見てほしい。」
「好きな女をいやらしい目で見るのは当たり前ですよ。」
「性欲なんてこの世からなくなれば、この世は平和なのに。」
「何を言っているんだい?この世にエロがあるからこそこの世は平和なんだよ?人類皆変態なんだ。世界一の聖女様もお綺麗になるのは辞めてドロドロのぐちゃぐちゃの恋愛を!快楽を知ればそれこそ世界平和だよ!!」
「ドロドロの横恋慕を…」
「それはダメ!!」
「冗談です。」
流石に幸せな二人を引き裂くようなことはしない
ただただむかつく
それだけだ
「新しい恋の始め方を教えてください。」
これはマオに必要なことだから
「うーん…やっぱりドラマチックに出会うことじゃないですかね?」
「ほう。どうやって?」
「エプロン姿のミメットに俺はビビッときたわけですから…自分の性癖に刺さるような出会いがあればいけるんじゃないでしょうか。」
「性癖刺さる…」
マオの性癖ってなんだ?
私のどこが好きなのか
そういえば全く知らない
「マナ様は可愛くてかっこいい人が好きなんですよね?」
「そうだね…」
「じゃあニック様には悪いけれど、フェイ君はピッタリじゃないか!おめでとう!新しい恋の爆誕だね!!」
「うーん…今恋をすると世界崩壊するから。」
「え?」
「魔王様が見てるからね。」