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第165話 秘密の恋

私はクリスの膝の上に乗りながら話す

「ひっぐ…ひっぐ…それでね…マオは出て行っちゃってね…」

「ずっと一緒にいたかったのに…」

「マオより大事な人なんてこの世にいないのに…」

「寂しくて…悲しくて…会いたいよぉ…」


クリスは私をドンっと突き飛ばして私はクリスの膝の上から床に転がり落ちた


「いたい!!何すんのよ!!」


「なんで俺が他の男を愛おしそうに話す話を聞いて慰めないといけないんだよ。」


「クリスが悲しむ顔してるルナはほっとけないって言ったんじゃんか!!」


「他の男の話なんて聞きたくない。」


「クリスが強引に聞き出したくせに!!突き飛ばすなんて酷くない?」


「だってむかついたから。」


「めちゃくちゃ言うじゃん!!」


本当になんで私はこんな男が好きなんだろう

最低野郎なのに



「別にマナのことが嫌いで家を出たわけじゃないから、ほっとけば帰ってくるだろう?」


「一年で帰ってくるって言ってた…」


「一年なんてあっという間だよ。」


「それはそうかもしれないけど…ううぅ…でも寂しいいいいいいい!!!」


「俺がずっと側にいるから。泣かないで。」


「ううぅ…本当に?」


「…うん。」


「約束だよ?絶対私と一緒に居てくれるって。」


「マナが嫌がっても側にいるから。」


「それは困るけど。」


私は床から立ち上がる


「そろそろ教室戻ろうか。」


「えぇ…このまま一限目サボろうよ。」


「なんで?」


「もっと二人きりでいたいから。」


「人を押して床に転がせておいてよくそんなことが言えるね。」


「マナが他の男の話をするからだろうが。」


「クリスが元気ない理由を聞くから答えただけでしょう!?」


クリスは私をもう一度抱き寄せる


「わかった。俺が悪かったから。」


ポンポンと私の頭を撫でる

クリスに抱き寄せられたので私はもう一度膝の上に乗る


「…元気が出るまでだから。」


「一生落ち込んでいてもいいかもね。」


「バカ言ってんじゃないわよ。」


そう悪態をつきながら私はクリスの胸に頭を預ける


「一限目始まるよ?マナ。」


…元気でるまで。」


この恋は隠し通さないといけない

バレてしまったらマオが暴走して世界崩壊させることになる

暴走したマオを止められる術はない

マオに

アルテミスに

そして何より私のことを全て見抜いてくるクリスに

この恋心を悟られるわけにはいけない

少なくとも一年間は

マオが帰ってくるまでは

私はちゃんと待たないといけないから


「大事な人と分かり合えない時ってどうしたらいいと思う?」


「そんなのは簡単さ。」


「どうするの?」


「諦めないことさ。分かり合えるまで。」


「…ハハッ。そうだね。そうかも。」


そうだ。諦めるのはまだ早い

全員が納得するルートがあるかもしれない

夢物語かもしれないけれど

それでも諦めたらダメだ

私は世界最強の聖女

救うのだけは得意なんだから


「ありがとう。クリス。」


私はクリスをドンっと突き飛ばして床に転がす


「いたっ!何すんだよ!」


「元気出たから。サービスタイムはおしまいで〜す。」


「一生悩んでろ!!」



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