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第159話 世界一可愛い後輩

後輩の男の娘がめっちゃ可愛かった

「めちゃくちゃ可愛いいいいいいいい!!!!」

「お名前何て言うのかなぁ?」

「部活は?どこに入るの?」

「生徒会に興味ある?私もクリスも今年は生徒会にいるから入らない?新一年生に書記やって貰う予定なんだけど貴方なら大歓迎だよ!!!」

私は興奮して早口でたくさん質問を目の前の男の娘に投げかける

「え…えっと…」

目の前の男の娘はもじもじしてクリスの制服の裾をギュッと掴んで後ろに隠れてしまった

「あれ?照れちゃったのかなぁ??大丈夫だよ?お姉さん怖くないからねぇ〜。恥ずかしがらずにこっちに来てごらん?」

「ぼ…僕…!!!マナ先輩なんて大嫌いですから!!馴れ馴れしく話しかけないでください!!」

「ん?そうなの??でも私は貴方のこと大好きだよ♡」

「やだ!!やだもん!!嫌いだもん!!!」

「可愛いいいいいいいいいい!!!」

私はクリスに頬をむにむにとつねりながら言う

「初対面でいきなり口説くな。なんだよ。大好きって。」

「だって大好きだもん。可愛い。」

「外見で評価されることを死ぬほど嫌うくせにマナは外見重視なのか?」

「可愛いは正義だよね。」

「その言葉死ぬ程嫌いなくせに…矛盾だらけだなマナは。」

「ほら。自己紹介しとけ。」

男の娘はクリスに促されて自己紹介をしてくれた

「シャーロット・フェイです。クリス様の従兄弟です。幼い頃からクリス様には可愛がって貰ってました。」

「フェイ君。名前も可愛いね。私はエラート・マナです。一応聖女です。これから仲良く出来たら嬉しいな。」

「絶対!!嫌!!クリス様を誑かす悪女は大嫌い!!!」

「あーん。クリスのせいで嫌われた〜。クリスのことが好きなの?私の方が絶対いいよ?乗り換えよ?」

「クリス様は…こんな僕でも…受け入れてくれて…好きな格好しても笑ったりしないから…」

「私もフェイの個性を大歓迎してるよ!!寧ろ私の方が猛烈に受け入れていると自負しているよ!!だって!!可愛いは正義だからね!!!」

「僕…可愛い…?」

上目遣いで涙目になりながらフェイは聞いてきた

「世界一番可愛いよ。フェイ。」

私はまっすぐ真摯に答えた

この世界の神様の最高傑作だ

死ぬ程可愛い

性癖にブッ刺さっている


クリスは私のおでこにデコピンをしてきた

「いたっ!」

「…俺にはそんな風に褒めてくれたことなんて一度もないのに。」

「だって可愛くないじゃん。」

「…童顔だと言われたことがある。」

「フッ!何言ってんのよ!可愛さで張り合っても勝ち目ないよ?」

「だって…フェイばっかりずるい。」

「クリスの良さはフェイ君がとってもとーーーーっても良く知ってるんだからいいじゃない。」

「俺はマナに好かれたいの。」

「私だってフェイに好かれたいわ。」

「三角関係だな。」

「見事に矢印が噛み合ってないわね。」


「ぼ…僕は絶対負けないから!!クリス様は僕のものだから!!!」

「だってさ。めっちゃ可愛いね。私に頂戴よ。」

「フェイ。マナに失礼なことを言うのはやめなさい。俺が…勝手に好きになったんだ。マナは悪くない。でもマナは危険な女だからもう関わるな。わかったか?」

「なんでよ!!とても善良な聖女様なのに!?」

「マナの瞳に吸い込まれて惑わされたら終わりだ。沼から抜けられなくなるぞ。」

「人を妖怪みたいに言わないでよ!!!」

「ぼ…僕…もう手遅れかもしれない!!助けて!!クリス様!!」

「どうした?何が手遅れなんだ?」

「僕…可愛いって言われて…褒められて…う…嬉しいって思っちゃって…!!!僕…こんな風に褒めれたことなかったから……どうしようクリス様!!僕も惑わされちゃったのかなぁ!!こわいよぉ!!!」

「それはまずい!!早くここから離れろ!!今日のことは忘れるんだ!!!」

「何言ってんの!!大丈夫だよ?フェイ君!!何もこわいことなんてないからね!!たくさんたくさん褒めてからあげるよ。私はフェイ君のことずっとずっっっと大好きだからね!だからこっちにおいで?ね??」

「マナ先輩…僕…色んな人に僕は変だって…言われて…」

「全然!!変じゃないよ!!めっちゃ可愛いよ!!そんな奴らの言葉気にしないで!!」

「う…うぅ…マナ先輩……」

「危険だ!!フェイ!!耳をかすな!!沼にハマって抜けられなくなるぞ!!早く離れろ!!!」

「うわあああああああああああああああんんん!!」

フェイ君は泣きながら去ってしまった

「クリスのせいで逃げられちゃった。あとちょっと押せば堕ちてくれるかな。」

「やめろ!!フェイなんかより俺の方がマナを幸せにできるだろうが!!俺だけ見てればいいんだよ!!マナは!!」

「え?何言ってんの?可愛い男の娘と一緒に過ごすだけで私は幸せになれるからさ。フェイ君の方が私を幸せに出来るに決まってんじゃん。」

「…そんなことさせないからな。」

「可愛い後輩ができて嬉しい〜♡」




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