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第150話 愛の告白

私はイシュタル先生のあまりの気持ち悪さに思わず逃げ出してしまった

契約違反だと言われたらどうしよう

隠し部屋からすぐに追って出てこないので

許されたと思い、教室へと向かう

この時間は委員会で仕事がある人間以外は登校する時間ではないのに教室にはもう既に人がいた

「今日は二人きりで話したいことがあったから朝早く来て靴箱でマナを待とうと思ったらさ。まさかマナの方が早く来てるなんてね。こんな早くに何か用があったの?マナ。」

教室にはクリスがいた

靴箱で会わなくてよかった

隠し部屋のことを一番知られたら厄介そうだから

「今日はたまたま早起き出来ただけだよ。」

「まっすぐ教室には来なかったね。どこで何をしていたの?」

「トイレ行ってただけ。」

「遅すぎない?」

「乙女にトイレが遅いなんて言うのひどいなぁ。」

「怪しい…。」

「そんなことより。二人で話がしたいんでしょう?じゃあ二人きりで話せる場所に移動しよう。」

私はむりやり話題を変える

毎朝張り込みされては困る

「…。」

「どうしたの?視聴覚室とかにする?誰も来なそうだし。」

「マナさ…男に二人きりになりたいって言われてついていくなんて危ないよ?」

「クリスが言ったくせに。」

「俺以外はダメだからね。」

「はいはい。」

実はさっき男女二人きり密室で裸エプロンにさせられそうになって逃げ出したところだよ

二人きりの危険性は身をもって経験済みだ

私達は視聴覚室に移動した

「マナ。今日は何の日か知ってる?」

「勿論。バレンタインデーでしょう?」

「そう。愛する人に告白する日だから。」

クリスは私の前に膝をつき手を取る

御伽噺の王子様のように

「マナの全部が好き。愛してるよ。」

そう言って私の手の甲にキスをする

あまりにも真剣な眼差しに耐え切れなくて目を逸らしてしまう

「…知ってる。」

「顔真っ赤だよ?」

「こんなことされたら誰でもなりますよ。」

「本当に?誰でも?」

「誰でも!!」

「マナが顔真っ赤にして照れてる所なんて見たことないよ?」

「…。」

「俺以外の前で。」

「こんなことするのクリスだけだからだよ。」

「ハハハッ。俺が一番口説くのが上手いってことか?」

「強引なだけでしょ。」

「ちゃんと触るときは許可を取っている。強引にしてない。」

「それでもまだ強引だよ。」

「嫌じゃないくせに。」

「…。」

「黙るのは卑怯じゃないか?」

「嫌ではありません。」

クリスは嬉しそうにニコッと笑った

「ねぇ。今日は愛の告白をする日だよ。マナも俺に告白してよ。」

「私はまだ恋人を作らないので。告白は出来ません。」

「じゃあ俺の好きなところ教えてよ。」

「………………全部好きって言ってくれるとこ。」

恥ずかしくて死にそうだ

私は目を合わせることが出来ずに

ずっと目を逸らしていた

「何回でも言うよ。マナの全部が好きだってね。」

「それはどうもありがとう…。」

「ねぇ。キスしていい?」

「ダメ。」

「どうしてもダメ?ねぇ。こっち見てよ。ルナ。」

私は顎をぐいっとされて無理矢理視線を合わせられる

「お願い。ルナ。」

悲しそうな

寂しそうな

捨てられた子犬のような

そんな瞳で見ないで欲しい

私は意志が弱いから

すぐに流されてしまうから

「お…おでこになら…」

私がそう言うとクリスは私のおでこにキスをする

「ねぇ。ほっぺには?ダメ?」

「ダメ…」

「口じゃないよ?おでこと変わらないよ?」

「じゃあ…ほっぺなら…」

私がそう言うとクリスは私の頬にキスをした

「ねぇ。キスしていい?」

「お願い。マナ。」

頭ではわかってる

こんなことに流されちゃダメだって

絶対やめなきゃいけないのに

物欲しそうな目でおねだりするのはずるい

強い意志を持ってノーと言わないと

止まってくれない

「ダ…ダメ…」

「お願い。マナ。」

「あ…あの…」

「全部好き。全部好きだよ。マナ。お願い。」

「う…う…うわああああああああああああ!!!」

私は王様から貰った魔法石でクリスに電撃を喰らわせる

クリスは電撃を喰らって気絶をして倒れてしまった

「ど…どうしよ…。」

白魔法で回復させるべきか?

今すぐ回復されたまたあの激甘攻撃をされることになる

絶対無理だ

あんなの恥ずかしくて死ぬ

「マナ様…。いくらなんでも電撃を喰らわせるのは可哀想ですよ…。ちゃんと口ではっきりお断りすればよかったじゃないですか…。」

陰から見守っていたレイが出てくる

「それが出来なかったからこうなったんじゃない…」

「悪い男に騙されやすすぎて俺は心配ですよ…こういう男はマナ様のお人よしな所につけこんでくるんですから気をつけてください。」

「別に騙されてるわけじゃ…」

「じゃあ流されすぎですよ。」

「うっ…」

「クリス様はスザク様が保健室連れて行きますから。ほっといていいですよ。」

「スザク様も見てたんですか?」

「スザク様はクリス様の護衛ですからね。」

「恥ずかしい…。」

「もっと強く!!ダメ!!!と言うんですよ!!!」

「わかりましたよ…。」

「この男は狼だ!!危険だ!!!許しません!!!」

「時代遅れの頑固親父みたいなこと言ってる…」

「マナ様を守る為に言ってるんだ!!」

「誰を好きになるなんて私の勝手でしょう?」

「なっ…あんなすぐに手を出す狼男がいいと言ってるのか!?」

「そんなこと言ってないけどさ…」

「マナ様が…うぅぅ…悪い男に騙されて…」

「騙されてないもん!!ちょっとかっこいいから流されちゃっただけだもん!!!」

「それを騙されてるって言うんだよ!!このバカお嬢様!!!」

「うるさーーーーい!!!世の中の女子全員逆らえないから!!あんなことされたら!!!」

「難攻不落のヒロイン謳ってるくせにちょろすぎません?マナ様。」

「ぐいぐい押されると弱い…」

「ちょろすぎ。」

「うるさい!!!」

クリスはスザク様が保健室に連れて行ってくれた

私は授業が始まる前に教室へと戻る







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