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第145話 目覚め

マナがマオくんの浄化を始まるとみるみる体が燃えていった

そんな状態のマナを見るのに耐えかねて護衛騎士のレイがマオくんを殺そうと炎のドラゴンを召喚する

マオくんを守るように魔導師のミケが水のドラゴンを召喚してレイに応戦した

「邪魔をするな!!!マナを守る義務が私にはある!!」

「マナはまだ諦めずに浄化している!!」

「このままではマナが死んでしまう!!」

「大丈夫だ!!マナは元気になれば白魔法で回復出来るんだから!!」

「その前に死ぬって言ってんだよ!!くそじじい!!」

「マオを殺したらそれこそマナは暴れるぞ!?」

「それでも構わない!マナ様の命が私の最優先だ!!」

言い争いをしながら二人は激しい魔法バトルを繰り広げていたが

マナとマオくんの耳には全く届いていないようだった


自己犠牲の化身

世界最強の聖女

体が燃え盛ろうとマナの顔は穏やかだった

こんなこと何も問題ないと言わんばかりに


一時間程で浄化してマオくんは元に戻った

少年の姿に戻ったマオくんは

ごめんなさい…ごめんなさい…と何度も呟き泣いていた

倒れたマナは焼死体のようだった

辛うじて息はあるものの

いつ死んでもおかしくなかった


医者のスノーが治療を行ってなんとか峠を越えたらしい

私はマナに会いに行く

たくさんの管に繋がれて包帯がぐるぐるに巻かれたマナがそこにはいた

どうしてこんなことになってしまったのだろう

私のことなんてほっておけば

こんなことにはならなかったのに…

これが授業をサボった罰なのか

あまりにも代償が大きすぎるよ神様


それから二日間俺は寝つくことも出来ずにマナの側のソファでぼーっと過ごしていた

医者のスノーが部屋に入ってきた

「そろそろいいよ。マナ。」

スノーがそう言うとマナは白魔法で全身治療して以前と変わらない美しい姿に戻った

「ありがとうございました。スノー。スノーのおかげで命拾いできました。」

「…もう二度と呼ばないでって言ったのにね。」

「えへへ…すみません…。」

「あれほど自分を大事にしろと言ったのに。」

「マオを見捨てるわけにはいかないですから。」

「…。」

「そうでしょう?」


「マナ…。もう大丈夫なの?」

「スリー様。えへへ。カッコ悪いところ見せちゃいましたね。スリー様のヒーローでいたかったのになぁ。」

「いや…マナは世界最強の聖女だよ。」

不敵な笑みを浮かべてマナは笑う

「ありがとう。」


バンッと扉が開く

「マナ!!!」

「マナ様!!!」

魔導師のミケと護衛騎士のレイが入ってきた

二人ともマナに抱きつく

「馬鹿野郎!!連絡もなく出かけるからこんなことになるんだ!!」

「マナ様!!ご無事で良かった…。俺もう…し、死んじゃったらどうしようって…。」

「マナ様は世界最強の聖女ですから。不可能なんてないんですよ。」

「調子にのるな!!二度と魔塔から離れようとするなよ!!」

「死んでもおかしくない程重症だったんですよ!?」

「うん。ごめんね。二人とも心配かけて。」


「マナ…。」

マオくんが部屋に入る

「マオ…。ごめんね。また死にかけちゃって。びっくりしたよね。」

「うわあああああああああああああん!!ごめんなさああああああああああい!!」

「マオは悪くないから。泣かないで。」

「うっうっうっ。」

「ごめん。ごめんね。傷つけてごめん。」

「不安になっちゃったら…力が暴走しちゃって…いつのまにかドラゴンになっちゃって…」

「もういいの。マオ…また人間に戻ってくれてありがとう。」


マナは私を青春謳歌させるためだけに

秘密の魔法を使って

大事な弟を置いて

私と遊んでくれた

くだらない雪遊びの為に

このまま二人で過ごせたらいいのにと話して

…そりゃそうだよな

現実はマナの背負うものが大きすぎる

少しでも私の力で負担を減らせればと思っていたが

今回のことで痛感した

私は力不足で

ミケとレイの魔法バトルなんて入っていけない程レベルが高かったし

スノーのように治療ができるわけでもない

ただただ無力な自分を痛感しながら

眺めることしかできなかった

あのとき…

私も愛している結婚しようと答えられていたら

この世は平和になり

マナは幸せ暮らすことが出来ただろうか

そんなことはあとの祭り

俺は臆病で言えなかったし

マナも言わなかった


私がこれから出来ることは

闇の神様を探すことだけ

マナの幸せの為に





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