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第138話 世界で一番自己中心的

次の日。今度はお昼にお父様が尋ねてきた。

私は二人きりで話をするようにして

自室で待機する

一時間程経っただろうか

私はお母様に呼び出されてお母様とお父様とリビングで話す

「私達、また二人で一緒に暮らすことにしたわ。」

「マナ。今まで迷惑かけて悪かった。これからは父親としてマナを支えていけるように頑張るよ。」

「…。」

「マナ?」

「やっぱりすぐには認められないよな…。」

「私達は離れていても愛し合っていたの。その気持ちに嘘偽りはないから。だからお願い。マナ。」

「十六年もの間辛い思いも寂しい思いもさせて悪かった!!」


なんというか…

正直信じられないと言う気持ち

恋は盲目という言葉はお母様の為にあるのではないだろうか

信じることが得意で

疑うことが苦手で

どんな罪でも許してしまう

大きな愛があれば

この先どんな困難も乗り越えられる自信があるのだろう

なんというか

私のお母様って感じする

似ている

世間の言葉なんて気にしなくて

理性的な判断が出来なくて

ただ自分の感情の赴くままに行動する

王様が私の我儘に頭を抱えている気持ちが

今とてもよくわかる

愛する二人が幸せなら

夫婦間の問題が解決しているなら

他人がとやかく言うべきではない

納得出来なくても

夫婦の間で解決しているのだから

だから…

だから…?

だからなんだよ

そんなの関係ない

認められるわけないじゃん

私はエラート・マナ

正真正銘の貴方達の娘であり

貴方達に似て

誰よりも傲慢で

誰よりも感情的で

誰よりも自己中心的な

クズ人間だ


「こんな酷いことがまかりとおるのが恋ならこの世に恋なんていらないと思います。」

「…。」

「…。」

「十六年も離れてて愛する気持ちは変わらない?そんなの美談に聞こえる人いないわよ。十六年も経ったらそれはもう別人だから。」

「どうして認めてくれないの?前のマナならきっと…」

「うるせぇーーー!!私がエラート・マナ!!正真正銘のエラート・マナ!!前のマナ?知るかよそんなの。今のマナはこっちなの!!諦めな!!」

「マナなら!!私の娘なら応援してよ!!」

「出来るか!!バカ!!はいそうですか。おめでとうなんて言えるか!!そんなに愛しているなら十六年もほったらかしにするなんておかしいだろうが!!」

「…。」

「俺が臆病者だったんだ!!キャサリンは悪くない!!」

「当たり前だ!!このクソ親父!!私達のことなんて忘れて生きていたくせに!!私が聖女として世間から認められたから思い出したかのように来ただけのくせに!!」

「そんなんじゃない!!本当に俺は!!愛しているんだ!!」

「信用できるか!!このダメ親父!!クソ親父!!ハゲ親父!!」

「ハ…ハゲてはない!!!」

「とにかく!!このエラート家の敷居を跨ぐのならそれなりの誠意を見せろ!!」

「誠意…?」

「百万円貯めてこい。」

「そんな大金…。」

「子供のマナは一年で用意したわよ?」

「…。」

「それぐらいしてもらわないとね。」

「そんなの…時間の無駄だ!せっかく愛し合う二人が一緒に暮らせるようになったのに…!!あんまりだよ!!」

「うるせぇ!!だったら十六年もほっとくな!!ハゲ!!」

「ハゲてはいない!!」

「この世は私中心に回ってるんだよ!!私より自己中心的になるなんて百万年早いわ!!出直せえええ!!!」


そう言って私は自称お父様を追い出した

「マナ…お父様は悪い人ではないのよ。許してあげて。」

「何言ってんの?十六年も家族を放置するなんて極悪人だよ。百万持ってきたら話合いさせてやるんだから良心的だよ。」

「…。」

「恋なんて不確かなものを信じてはいけない。理不尽なことを繰り返して許して許して許して許して許して許していたら化け物が出来上がるのよ。」

「…。」

「許してはいけないのよ。ちゃんと罰を与えないと。これはお母様のこれからの人生を守る為でもあるんだから。口先に騙されてはダメ。愛しているなら百万ぐらい用意してもらう。それぐらいの誠意は見せてもらわないと信用したらダメ。私が学園に戻っても絶対に許したらダメだからね。」

「…わかった。」



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