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第133話 修羅場

私はクリスに手を引っ張られて歩く

「どこ行くの?」

急にピタッとクリスが足を止める

「あいつから引き剥がしたかっただけ。何であいつと踊ったの?」

「イシュタル先生のことあいつって言わないの。仮面してたから誰かわかんなかったよ。一番初めに誘って来てくれた人と踊ろうと決めてただけ。」

「あいつ絶対マナだって気づいてたよ。」

「えー?金髪ウィッグもしてるしわかんなかったんじゃない?」

「あいつは危険だ。近づくな。」

変態教師だからね

今の状況クリスにバレたら

イシュタル先生絶対殺されるだろうな

「はいはい。」

「その衣装どうした?」

「ティンカーベルだよ。可愛いでしょう?」

「…可愛い。」

「えへへ。ありがとう。」

「誰が選んだんだ?その衣装。」

「え?自分でだけど?」

「嘘をつくな。」

「嘘じゃないよ。可愛いからティンカーベルにしただけだよ。」

「嘘つけ。マナは可愛い格好を自ら進んでやるわけない。」

「…。」

「自分の可愛さを全面に押し出すことをしない。アイドルだってそうだ。マリアに頼まれたからやっただけで自分からあんなことしない。」

「アイドルで味しめて可愛い衣装を着たくなったのよ。」

「嘘つけ。可愛い服なら他にもたくさんある。ティンカーベルは絶対マナの趣味の衣装じゃない。誰かがマナを騙してこんなにエロい服を着せたんだ。」

「べっ…別にエロくないもん!!」

「凄いよね。清楚さも感じて品もあって可愛くもありそれでいてめちゃくちゃえっちだ。」

「さすがに背中開けすぎたかな…。」

「で?誰に着せられたの?」

「神のお告げです。」

「アルテミスか?どスケベな神様だな。二度とアルテミスの言うことを聞くな。」

「わかったわよ。」

じーっと私をクリスは見つめる

「キスしていい?」

「ダメ。」

「抱きしめるならいい?」

「ダメ。」

「手を繋いで。」

「いいよ。」

私はギュッとクリスと手を繋ぐ

以前は勝手に抱きついてきていたのに

今は触れる時聞いてくれるようになった

「クリスのさ。何でも思ったこと素直に言えるところ私好き。」

「あーーーーー。煽るのやめてくれない?触るの我慢出来なくなっちゃうから。」

嬉しそうに苦悩する姿に思わず笑ってしまった


「マナ。」

レックスが私を呼ぶ

静かな怒りを感じる

「レックスどうしたの?」

おそらく嫉妬しているのだろう

あまり刺激しないように

いつも通り接する

「手。俺も繋ごう。」

「え…」

「クリスが良くて俺がダメな理由ある?」

「そんなことないよ…」

私は右手はクリスと手を繋ぎ

左手はラックと手を繋ぐ

何この状況

「レックスはもういいマナのこと加減諦めたら?マナが仮面してウィッグつけるだけで見つけることも出来ない雑魚が、マナの恋人になろうだなんておこがましい。黒髪のウィッグをつけた仮装の女子に騙されて踊ってたの俺は見てたからな。」

「マナはイシュタル先生と踊ってただろう?クリスだって気づいてなかったんじゃないか?」

「俺は気づいていたよ。先を越されただけ。俺は誰とも踊っていない。」

「後からならどうとでも言えるからな。」

「…なんだと?」

不穏な雰囲気に気圧される

「あ…あの…仲良くしよ?」

私は二人にそう言うと

二人とも私を睨みつけた

「仲良く?マナを奪おうとするこいつと?」

「クリス様から喧嘩を吹っ掛けたんですよ?仲良くなんて出来ません。」

「…。」


どうしよう。いくら数々のモテ伝説がある私でも目の前で私で争わないで!!な状況になるなんて初めてだし

基本的に陰キャな私が

上手く解決できるほど人間関係を円滑に進めることなんて難しすぎる


「うわっ!!」

私は急にお姫様抱っこされる

「ニック!?」

ニックが私のことをお姫様抱っこした

「足。怪我してる。」

「あ…。」

慣れないハイヒールを履いていたので靴擦れで私の足から血が出ていた

「保健室行くよ。」

「俺も行く!」

「俺も!!」

クリスとレックスがいうが

「大丈夫だから!!ほら!!行こ!!ニック!!」

私はニックに抱き抱えられ保健室へと向かう


保健室に着き私はベッドに座る

ニックは絆創膏を持って来て

私の足からハイヒールを脱がして

足に絆創膏を貼ってくれた

怪我の治療をしているだけなのに

何故だろう

少しドキドキしてしまう

「ありがとう。ニック。」

私がお礼を言うと

ニックはドサっと私をベッドに押し倒した

余りの急展開に頭が追いつかない

「あ…あの…ニック?」

「ダメじゃないか。マナ。こんな男を誘惑する服を着て。保健室に自分の好きな男と二人きりになるなんて。」

「な…なにもしないよね?」

「男は狼なんだよ?」

「や…」

こわい。ニックが近付いてきて私は思わず目を瞑る

ニックは私のおでこにキスをした

「ほら。襲われちゃった。」

「…。」

「俺が紳士でよかったね。そんな衣装着てこんなところに連れ込まれたらもっと警戒しないとダメだよ?」

「ごめんなさい。ニック。私こわいって思っちゃった。」

「怖がらせるようにしたからね。こっちこそごめんね。怖がらせて。」

「ニックは優しいからそんなことしないのにね。ごめん。」

「何言ってるんだ?するよ?俺は。」

「え。」

「マナと恋人になったら毎日押し倒すよ?覚悟してね。」




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