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第126話 占いの館

野外演奏会を大盛況で終えることが出来た

私は再び特進クラスに戻り、執事喫茶のキッチンへと行く

「材料も無くなって売り切れになったからもうキッチンは入らなくていいんだって。」

私が戻るとミメットが教えてくれた

クッキーとケーキは完売

コーヒー紅茶のドリンクのみの販売になっているらしい

「やったー!じゃあ文化祭一緒に回ろうよ!」

「ごめんなさい。私、彼氏が出来たからマナ様とは文化祭回れないです。」

「…え。…は!?か、彼氏!?いつのまに!?」

「今日です。」

「今日!?」

「先程告白されたので付き合いました。」

「えぇーーー!!おめでとうー!!ずっと好きだった人なの?」

「いや。特に何も知らないです。さっきの告白が初めて話しました。」

「だ…大丈夫なの!?それ!?」

「人を騙すようなタイプの人間ではなさそうでしたけどね。そんなに心配しなくても嫌なら別れたらいいだけなので。

今時の若い子はみんなこんな感じで付き合うのか!?

私が重く考えすぎなところもあるけれど

「そ…そっか…今日は恋人と仲良くデートするんだね。頑張ってね。」

「フフッ。ありがとうございます。」

少し照れて笑いながらミメットは言う

可愛い

ミメットが去ってしまい

私はぼっちになってしまった

いつもクリスがくっついてきて話しているので

私に仲の良いクラスメイトなんているはずもなく

クリス、レックス、ニックの三人は執事喫茶の接客をしているので

私は孤立してしまった

さすがに一人で文化祭を回るほどメンタルは強くない

私のアイドルステージまでまだ一時間半程時間があるので

どうしようと困っていると

「一人?暇なの?」

ローズ様が話しかけてくれた

「ローズ様…私と文化祭回りませんか…?」

ダメ元で私はローズ様を誘う

「いいわよ。」

「…え?」

「一緒に回りましょう。」



めちゃくちゃ優しくて感動している 

そしてまさかの文化祭デートをローズ様と出来るなんて嬉しすぎる

私達は屋台でりんご飴を食べたり

ヨーヨーすくいをしたり

メイド喫茶に入ったりして

めちゃくちゃ楽しんだ

「行きたい場所があるの。」

ローズ様がそう言って連れて行ってくれた場所は

新聞部がやっている占いの館だった

「ここ?」

「そう。凄い当たるんだって。」

「えぇ…本当に?」

「占いとか信じないタイプなの?意外ね。」

「そうじゃなくてここの部長を信用してない。」

「知り合いなの?」

「ちょっした因縁があるだけよ。気にしないで。人気なんだね。ちょっと並んで入ろうか。」

私達は十五分程並んで占いの館に入った

「これはこれは。マナ様とローズ様。ようこそ占いの館へ。どうぞお掛けください。」

「失礼します。」

「二人のお悩みはお見通しです。恋愛ですね。恋愛に悩んでいると顔に書いています。」

「凄い!なんでわかったの!?」

「…。」

ローズ様はノリノリだ

「マナ様。貴方は男性不信ですね。」

「…。」

「男に可愛いと言われると信用ならないとか。」

「…はい。」

「女は信じるのに?」

「…。」

「マナ様はみんな平等に愛するのを信条にされているのに男性差別をしていますね?」

「そんなつもりは…。」

「明らかに優遇してますよね?ローズ様を。」

「…。」

「ローズ様を特別に優遇することをやめてください。そうすればマナ様の恋は成就するでしょう。」

「私は誰かに恋できますか?」

「出来ますよ。マナ様が望むなら。この世界はマナ様を中心に回っていますから。」

「私、こわいんです。誰かを選んだら選ばれなかった人達はどうなるんだろうって。」

「振られてもみんな幸せになりますよ。」

「嘘だ…。」

「嘘じゃないです。振られてもみんな幸せになれます。マナ様に恋をした人達は貴方の幸せな笑顔一つで満足させられますから。マナ様が笑顔でいる限り。この世界は安泰です。」

「嫉妬や妬みがあるんじゃないですか?」

「全ての人類を惚れさせたらそんなことは起こらない。」

「そんなこと…。」

「出来ますよ。貴方はこの世界最強のヒロイン。魔王もローズ様も攻略した貴方は最強だ。他の人間なんかイチコロさ。」

「私はに惚れた人達はみんな幸せになれる?本当に?」

「なりますよ。貴方の笑顔が世界を救う。」


「私の恋愛は?」

ローズ様が言う

「ローズ様の恋愛も成就します。」

「え!?本当に!?」

「はい。」

「マナが邪魔じゃない?」

「いいえ。マナ様を恋人にしようなんて考える人はそれこそ攻略対象しかいないです。国の王子が堂々と口説いている相手と恋人になろうなんて普通考えないですよ。』

「た、確かに!?」

「今日の文化祭でカップルは十三組出来ています。マナ様は魅力的ですが、恋人になりたいなんてほとんどの人間は思わない。だからローズ様の恋愛は成就します。」

「やったーー!!よかったーー!!!」

「今でも好きですか?“山﨑先輩”が。」

「…は?」

「佐々木華に恋をして、振った原田愛美の元恋人ですよ。今でもまだ好きですか?」

「…。」

「そんな前世の話…」

私が話を変えようと話すが

「いいの。マナ。答えてあげるから。」

「…。」


「好きなわけないじゃない。あんな男。佐々木華に、エラート・マナに恋をしている男が私はこの世で一番大嫌いなのよ。」


何故かはわからないけれど

涙が込み上げる

あんなに大好きだった彼氏だったけれど

もう過去のことになったんだなって

強くなって

美しくなって

生まれ変わったんだ

私が佐々木華ではないように

ローズ様ももう原田愛美ではないのだ


「…何でマナが泣くのよ。バカね。」

「わかんないけど…わかんないけど…涙止まんないよ…。」


「ごめんね。意地悪なこと聞いちゃったね。まぁ安心してよ。君達の恋愛は上手くいってハッピーエンドだ。君達が友情である限りね。」


「…?」


「友達以上に君達がなるなら。それはバッドエンド。この世界の崩壊だよ。気をつけて。」




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