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第125話 野外演奏会

オーケストラ部は野外ステージで演奏をする

文化祭は学園外のお客さんもいる為

野外ステージには千人程人が集まっていていた

文化祭のステージとは思えないほど始まる前から盛り上がりを見せていた

「なんかめちゃくちゃ人がいる…。」

「吹奏楽部門で金賞を取ったし、俺もコンクール優勝したからね。それに…世界最強の聖女様の初演奏は話題性バッチリだよ。」

「でも無料ライブだから。初舞台を気楽に出来て嬉しい。」

「この人数の前で気楽に出来るなんて凄いね…。」

「だってマニアな音楽家数人よりミーハーな有象無象の前の方が気楽に出来るじゃない。」

「もう少しオブラートに包んで言った方がいいんじゃないかな…。」

「いいじゃない。楽しみましょう!!」


そして私達オーケストラ部は野外ステージへと上がる


一曲目は私のピアノ協奏曲だ

一番新参の未熟者なので前座をする

モーツァルトピアノ協奏曲第21番 ハ長調 K.467

ゆっくりとしたピアノの協奏曲であり

私は技術面が低いが

音を表現することは得意な為この曲を選んだ

癒される美しいメロディは

音を一つ一つ輝かせる

オーケストラ部員の素晴らしい演奏に支えられらいることを感じながら

私は音を奏でる

未熟な私をずっと支えてくれた仲間に感謝の気持ちを込めて

私は演奏した


たくさんの拍手を貰い、私は無事に前座の役割を終えた


二曲目は吹奏楽部門の演奏だ

アルヴァマー序曲 / J.バーンズ

私はこの曲で木琴を担当する

初めての打楽器担当なのでこの曲の方が緊張する

そんな心配をよそに

みんなの力強い演奏は

私の背中を押して貰えて

楽しく奏でることができた

文化祭らしい盛り上がる楽曲だ


三曲目は真打ち登場

我がオーケストラ部の絶対的エースが演奏する

チャイコフスキー『ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35』第一楽章

ニックの超絶技巧が映える楽曲だ

弦楽器メインの楽曲の為、私は舞台袖で待機する

超絶技巧にも関わらず

安心して聴ける

ニックの精密な一音一音が綺麗に響く

ニックの音楽は誰よりも美しく繊細だ

野外ステージの雰囲気は全てニックが飲み込んでいく

心地よく安定した演奏は

全員のお客の心を鷲掴みにした


演奏が終わり鳴り止まない拍手

ステージが震えるぐらい客の熱気が溢れている


アンコール楽曲は私とニックの二人で

葉加瀬太郎『情熱大陸』

練習期間死ぬかと思った程弾かされた

でも今日は楽しむだけ

ニックの美しいプロのヴァイオンの音色に負けない

かっこいいメロディラインを気分よく弾けるのは

私の得意分野だ

お互いの意地をぶつけ合い私達は演奏した


演奏が終わり

拍手が響き渡る

私が席を立ち、お辞儀をしようとすると

ニックが私を強く抱きしめてきた



「世界で一番愛してる!!俺のパートナーになってくれ!!!」



私はステージ上で盛大な愛の告白をされて

混乱してしまう

何て答えるのが正解なのか

全然わからない!!!



「わ、私は…!!ローズ様一筋なんですううううう!!!」


私がそう叫ぶとお客さんがウケてくれた

よかった…めちゃくちゃいい演奏の後にヒエヒエの空気にさせるわけにはいかなったから…


「絶対に俺を選ばせる!一緒にキッカ国へ留学に行くからな!!覚悟しておけ!!」


「えぇ…。こわ…。」


恋愛もスパルタ練習させられるかもしれない

ニックの鬼指導に私は怯えることしかできなかった







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